13
美佐たちは校庭についた。
昌介が待っていた。
「ここなんじゃないか?」
「え?」
突然、昌介にそう言われ少し戸惑ったがすぐ意味がわかり、返した。
「たぶん・・・」
自信なさげに言った。
「ここに・・・勝がいるのか・・・?」
卓也がそう言った直後、皆のケータイの着信音が鳴り響いた。
ぴろろろろろ・・・
ちゃららっちゃらら・・・
いろいろなケータイの着信音が聞こえる。
それが周りに響いてなんだか不気味だ。
「メールだ。・・・あ!勝からだ!」
沙織がそう言って見せてくる。
「あ、おれのもだ」
「ぼくのも・・・」
昌介も豊もだ。
そして美佐は、自分のも見てみる。
「勝・・・」
件名には勝と書いてあった。
急いで中身を見る。
その塔に入りたまえ。
その中に狩野はいる。
・・・。
どうやら勝からではなく、犯人からだ。
勝のケータイを使っているらしい。
「・・・どうする?入る?」
「やめといたほうがいいよ!罠かもしれないし・・・」
沙織の提案をあっさりと豊は拒否した。
それに、卓也が反応した。
「馬鹿かおまえは。もう俺らには時間があまりないんだよ!それにこれがもし最初で最後の勝を助けるチャンスだったらどうする?」
「そ、それは・・・・・・」
豊は黙り込む。
「はいるぞ。」
「・・・わかったよ。」
豊はしぶしぶ了承した。
「入ろう。」
昌介がそう言うと美佐たちは中へはいって行った。
先頭は昌介だ。
昌介はこういうときはかなり頼りになる。
前までは勝がリーダーだったが、勝がいなくなってからはずっと昌介がリーダーの代わりをしている。
ただの嘘つきかと思っていたが、美佐は少し見直した。
昌介は先頭に立った。
そして、錆だらけの扉を開く。
ギギギ・・・・
「さむ!」
卓也が叫んだ。
確かに外と比べてひんやりとしている。
目の前には階段が3段なってその先に扉が一つあった。
「この扉の先かな・・・」
豊がぽつりとつぶやくと昌介がこう言った。
「いや、きっと違う。だってこの塔はもっと高いだろ?きっとまだまださ。」
「うわぁ・・・まだまだか・・・。」
早くも豊は疲れたような眼をしている。
そうまだまだ始まったばかりなのだ。
マダマダハジマッタ
バカリナノダ。4
最後の4の意味はそのうちわかります。