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幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜  作者: 猫又チコ


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長との対面

 気を取り直して、ヌルさんの案内で長が待つ部屋の前までやって来た。


(おさ)よ!! 勇者様方をお連れしました」

「入れ」


 木の中から聞こえた声は幼くも貫禄のある女の子の様な声だった。

 中に入ると長がいるであろう場所を囲う様にエルフのおじさんたちが胡坐をかいて座っていた。

 その声に驚きながらも全員が中に入って膝を付いた。


 膝を付いた!?


 その行動に僕は驚き、隣のリュクスを見るとリュクスは何の疑問も持たずにエルフの長に膝を付いていた。

 かと言って、ここで立ち上がるのも違う。一応、エルフの森の長の前だから間違ったことをしているわけではない。


 エルフの長は僕たちが膝を付いている場所から一段高くなっている場所に座っている。

 その場所は薄い布で隠されていて、こっちからは長のシルエットしか見えていない。

 長のシルエットは声で想像した通りの幼い女の子だった。


(おもて)を上げよ」


 エルフの長の言葉を聞くと体が勝手に動き正面を向いた。


「私の名はリルーゼ。君たちの名前を教えてくれるかの?」


 リルーゼさんの放ったは言葉は今までのような強制力は全くなかった。


「私はカリーナ。勇者です」

「俺はリュクス。魔王だ」

「わ、私は……センリ・ノウェール、ノメルとお呼びください。聖女を務めております」

「僕は、フォレス。ただの、フォレスです」


 僕だけ役職的なものが無いので自己紹介は少し困る。


「我らエルフは君たちを歓迎するぞ。君たちの用事は分かっている、我らの準備が出来るまで少し待っていて欲しい。それまではエルフの森を堪能してほしいの」


 今回は軽い挨拶だけだったようで直ぐに終わった。

 自由時間が出来たのでリルーゼさんの言う通りに森を見て回ることにした。


「見ていたか? レイ」

「おう! 見ていたぞ。早速殺りに行っていいか?」

「その弓から手を放せ!」


 リルーゼさんはレイと呼ばれた()()に神言を使った。


「長よ、ありがとうございます」

「別に良い。それで、お主から見ておいつはどう思う」

「そうですね。『異常』としか言えないですね」


 その()()は遠くで三人と一緒に遊んでいるフォレスを見てそう呟いた。


「まさか、入ってきた段階で『勝手に膝まづき、それに何も疑問を持たない』っていう結界に疑問を覚えるなんてな」

「プライドの高そうな魔王さんも気が付いていなかったですから、あの子、相当な実力の持ち主ですよ」

「あいつの、戯言だと思ったがそう言う訳ではないようだ。レイ、準備はもう出来ているのか?」

「はい。もちろんです。……この俺がお前の下に付くかどうか見極めさせてもらうぞ。勇者!」


 長の部屋から出て下に降りてきた僕たちは、さっき見つけたエルフたちが何かを交換していた交換所にやって来た。

 交換所はお店を出している側と籠に色々な果実や山菜などを持っているお客? 側に分かれていた。


「ヌルさん、これは、何をしているんですか?」

「外で言う買い物ですね」

「買い物!?」


 それには、僕ら全員が驚いていた。


「お客さんがお店で欲しいものを見つけて、お店側がそれと同じぐらい自分が欲しいものと交換しています」


 お店をよく見ると、それぞれ専門のものを取り扱っていた。魚や山菜、キノコを売っている専門のお店も見つけることが出来た。

 僕も少し欲しかったがお金しかないので諦めた。

 それから少し経って、自然にできた木のアーチ状の休憩所で休んでいた。


「これからどうする? リルーゼさんの準備っていうのがいつまで掛るか分からないし、ここの近くには遺跡は無いみたいだし、暇なんだよね」

「だったら、自由時間で良いんじゃない?」


 珍しくカリーナがそう提案してきた。

 異論もないので自由時間に決まった。

 てっきり、カリーナは直ぐに僕のところに来るのかと思ったが、ノルメも連れずに何処かに走って行ってしまった。

 珍しいこともあるんだねと話してから僕たちは分かれた。


「うふふ、あの子気付いていたのかしら? まぁ、良いわね。助かるぞ、勇者」


 弓柄を左手で握り、弦を右手で引いて構える。狙いを澄ませて弦から指を離した。

 放たれた矢は木々をすり抜け葉っぱを貫いてカリーナに向けて一直線に向かった。

 後十メートルで当たるときに勇者の剣を出して、その矢を切り裂いた。


 それを見たレイは口笛を吹いて木の上から飛び降りた。

 その間に弓を背負った。


「初めまして、勇者様。聖弓士のレイと申します。以後お見知りおきを」


 そう言ってカリーナに向けて綺麗なお辞儀を披露した。

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