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幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜  作者: 猫又チコ


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7つの大罪『シン・コピー』~2~

 魔力となった人たちが全員コピーに飲み込まれた。


 リュクスが話すに、ダンジョンの支配者であるコピーはそこに存在するすべてを自分の思い通りに動かすことが出来る。


「魔王、お前はこれで終わりだ」


 コピーに集まった魔力は、コピーを守るようにボールの様な形に変形した。

 外から壊そうとリュクスが殴るがビクともしない。


「二人とも手伝って!! 手遅れになる前にどうにかしないと、外まで影響が出るかもしれない」

「「分かった!」」


 僕とカリーナも加わり剣で斬り付けたり、槍で突いたり、魔力を乗せた拳で殴ってもビクともしない。

 そして、コピーを囲っていた魔力が膨張を始め、僕たちはその魔力に弾き飛ばされた。


「っ!? クソ、完成しちまった」


 膨張は急に止まり、一瞬大きくなったが直ぐにコピーの体に纏わりつくように小さくなった。

 光が剝がれるように落ちていき、コピーの変化した姿が現れた。


「お前、やったな」

「魔王をこの世から消さないと、私たち7つの大罪は平穏な暮らしは出来ない。さっきの戦いで魔王への恨みはまぁまぁ発散できたから、これからは私たち7つの大罪が昔のように仲良く暮らせるようにお前を殺す」

「なるほどな。ここにいると忘れるんだよな。俺が、世界を破壊するための存在、魔王だという事を……。来いコピー、お前を殺して本来の魔王に近づかせてもらう」


 リュクスは手を上に向けて口を開いた。


「『火炎三蛇(ドライスネーク)


 コピーはその魔法に心底驚いた声を出した。


「そ、その技は、私たちの仲間の、シン・ドラゴンの技?!?! お前、既に……!!!」

「あぁ、一番最初に俺たちを襲ってきたのはあいつだった。あの時は、俺のことをばらされるんじゃないかと冷や冷やしたよ」


 コピーは一筋の涙を流して俯いた。涙が頬から落ちて砂漠の砂に浸透した瞬間、コピーに『火炎三蛇』から出て来た三匹の炎の蛇が襲い掛かった。


 コピーが涙に濡れた目を見開いた時、『火炎三蛇』は何事もなかったかのように消えて無くなった。

 それを見たリュクスは続けざまに水の魔法を放った。その魔法は、コピーを中心に渦を巻くように現れた。強力な渦はコピーを沈めるようにどんどん狭まっていく。

 コピーは一息入れて口を開いた。


「『改変』」


 リュクスが放った魔法はその一言で、先ほどの魔法と一緒で何事もなかったかのように消えてなくなった。


「なるほど。7つの大罪の魔法が聞かないんじゃなくて、魔法が生み出されたって現実を捻じ曲げたのか」

「その通り、自分を偽り続けるだけが私じゃないの、私はもう、お前になんて負けない」


 その言葉は嘘偽りなくリュクスが実感することになった。


 リュクスがコピーに魔法を打ち続けたが、コピーは『改変』を使いリュクスの魔法を無効化し続けた。


「ねぇ、お兄ちゃん。あの改変って力、相当な魔力を使うと思うんだけど、なんであんなに使い続けられるの?」


 起きた事象を変える力、僕の使っている重力魔法と同じで相当な魔力を使う筈だ。

 それを、あんなに連発しているなんて、僕の魔力だったら既に尽きている。


「……分からない。一体どうやったらあんなに使えるんだ……?」


 その間にも、リュクスは魔王の魔力を使って攻撃するが意味はない。


「面倒くさい力に覚醒しやがって、出会った瞬間に殺しておけば良かったな」

「今更そんなこと言っても無駄だよ。過去を変えられるのは私だけなんだから」


 魔法での攻撃を続けながら均衡を保っていると、その均衡が崩れる出来事が起きた。


 何十分も前に放たれた魔法が、急に現れたのだ。


「え? 今の、何?」


 それは、幻想ではない。確かに僕たちの目にそれは映った。

 それを見たリュクスとコピーはお互いに驚いていたが、リュクスには笑みが含まれていて、コピーには焦りが含まれていた。


「俺の勝ちだ、コピー」


 確かに、コピーの能力は最強に見える。けれど、初めて使うその能力に弱点があることに気が付かなかった。

 コピーの使う『改変』は、自分を含む半径三メートルの空間を二十分前に戻す能力だ。

 その為、二十分前にその空間にあった魔法が二十分先の未来に現れたのだ。

 それからは、コピーの防戦一方だった。


「空間を改変したら昔の魔法が出てくる、空間を改変しなかったら今の魔法にやられる……」


 無限に終わらない思考、コピーの動きを一瞬でも止めるには十分なものだった。

 その隙を予知していたリュクスは今の今まで溜めていた魔法を放った。


 今までリュクスが簡単な魔法しか放ってこなかったのは、コピーにバレないように魔法に命令式を与えていたからだ。


「その能力は俺が余さず使ってやるよ。『雷神の剣(ボルト)』」


 『雷神の剣』をその身に受けたコピーは黒く灰になって消えて行った。


 数秒後ダンジョンは崩れ、僕たちは鉱山に戻ってきた。

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