居なくなった二人
いくつかのグループに分かれてこの街を探索した僕たちは、宿屋に集合していた。
「さて、明日からなんだけど、明日は一日お休みにして自由行動。明後日に王都に向けて出発ってことで良い?」
そして、次の日。僕たちはそれぞれの思う休日を過ごしていた。
僕は院長に向けての手紙を書き残していた。
もし、ここに院長が寄った時に僕たちが何処に向かったのかを知らせるための手紙を書いていた。すると、
「何書いてるの?」
「院長への手紙だよ」
「院長への?」
「そうだよ。僕たちが何処に向かっているのかを知らせるための手紙だよ」
「あー、そうなんだ」
「それより、カリーナ」
「ん? なにか?」
「近くないですか?」
床に正座して手紙を書いていたんだけど、隣にカリーナが寄り添ってきた。べったりとくっ付いてきている。
「そんなことないよ。それより、続き書いてよ」
「はいはい」
それより少し前、院長はというと……
「エリア居るか!?」
院長は僕たちが初めて立ち寄った街、メッチァルまで来ていた。とあるものを借りるか貰うためだ。
「だ、誰だ貴様!?」
「まぁまぁ、良いじゃないか。エリア出してくれない?」
「!? 領主様を呼び捨てにするなんて、不敬罪だぞ!!」
「あー、それはすまん」
「おい! 何の騒ぎだ!?」
屋敷の広間で警備と騒いでいると目的の人が出てきた。
「領主様!! 来てはダメです!!」
「お、エリア! 久しぶりだな!!」
「え、ナオレインさん!? 何してるんですか!?」
「よ!」
「りょ、領主様!? お知合いですか!?」
「あー、そうだな。みんな、すまない。この人は私の知人なんだ。客間に通してくれ。私は少し用意してから向かう」
エリアが奥に消えていくと、警備の人たちが院長に続々と謝っていた。
「申し訳ありませんでした。まさか、領主様のお客人だったとは……」
「いや、こっちも何もアポを取っていなかったからな。申し訳ないことをした」
それから少し待っていると、執事がやって来た。
「ナオレイン様。ご用意が出来ました。こちらへどうぞ」
「ありがとう」
通された客間でエリアが来るのを菓子をつまみながら待っていた。
扉がノックされて、エリアが入ってきた。
「お待たせしました。それと、これから三時間はこの部屋の音が漏れる場所への立ち入りを禁止する。これは命令だ」
「は! 畏まりました」
執事が出て行くと、エリアはナオレインの正面に座った。
「それで、何の用ですか?」
「いやー、それの前に、あいつらが相当お世話になったな」
「あいつら? 誰ですか?」
「あれ、ここに寄ってないか? フォレス、カリーナ、リュクスって子供三人」
「あー! もしかして!?」
「そうそう。あれ、俺の孤児院の子たちなんだよ」
「だからですか。やっと謎が解けましたよ」
エリアの中にあったなんでこの三人が? といった疑問が今消えた。
「いやもー、あの時は物凄く驚いたんですよ!! 勇者と魔王が一緒にいることにまず驚きました。そしたら、その二人を制御する唯の少年。貴方の孤児院の子なら納得ですよ」
「そのことにつては俺も驚いている」
「え!? そうなんですか!?」
「一体なぜ、こんなことになったのか?」
それからも、三人の思い出話で盛り上がって一時間ほど話し込んでしまっていた。
「そ、それで、何の用で来たんですか?」
「あ、そうそう。フォレスに見せてあげた本、あるだろ? あれ、くれない?」
「は?! 無理無理無理!! いくらナオレインさんでも無理ですよ!! あの貴重な資料を上げることなんてできないですよ」
「あー、じゃぁさ、永久的に貸してくれない?」
「……は?」
「あ、それと、ここであったことは全部把握している。あいつが作ったカリーナのクローンはどうなった?」
「…………分かりました。永久的に貸し出します」
「ん、ありがとうな」
そして、あの本を手にしてナオレインはフォレスたちのいる場所に向かって足を進めた。
「よー、お前ら」
「何よ。あんた、私たちをこんなところに呼び出して」
「面白れぇ奴らを見つけたんだよ。話ぐらい聞いて行けよ」




