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初めての街

 魔法の使い方を教わり気絶したり、カリーナの筋肉フェチが露見したりあったが、僕たちは無事に街に着くことが出来た。


「おぉ! でっかい壁だね」

「ほんと、すごいな」

「おぉ、おぉ? お前たちこの街は初めてか?」


 街に入る前に関所があり、そこで列に並んで待っていると大柄のスキンヘッドで目つきが悪い男が大きな斧を持って話しかけて来た。

 斧の持ち方、立ち姿。なかなかに修羅場を潜り抜けてきたように思える。

 そんな男が話しかけてきた。僕たちの取る行動は一つ。構え。


「あぁ、違う違う!!」

「な、何が違うんだ!」

「お前たちに危害を加えようとした訳じゃ無い」


 その男は困ったなと感じで頭を掻いていた。

 すると、男の後ろから走ってくる足音が聞こえた。


「おい、バカ!!」

「いてっ!」


 後ろから小柄の少女が跳んで男の頭をポカッと殴った。


「君たち、ごめんね。このバカが。怖かったでしょ? ほんとごめんね。ほら、行くよ」

「い、いてて、み、耳を引っ張らないでくれよ〜」


 そして、男性と少女は列の一番後ろに再び並び直していた。


「何だったんだろ?」

「こ、怖かった」

「二人とも、前進んでるぞ」


 そして、僕たちの番になると身分証の提示を求められた。


「あぁ、身分証持ってないのか。うーん、それじゃ1人につき1万(シェル)だ」

「分かりました。カリーナ、お金」

「うん」


 そうそう、僕たちはカリーナにお金の出し入れをお願いしていて『収納』に入れているのだが、『収納』は勇者のみが使えるスキルなのでバックを持たせてそこから取り出す風に見せている。


「はい。3万(シェル)です」

「おぉ、出せるのか。凄いな。ほら、通って良いぞ。あ、そうそう。身分証は役所に届けを出すと貰えるから始めに行ったほうが良いぞ」

「「「ありがとうございます」」」


 そして、役所に行く前に宿を取ることにしたが、身分証が無いと泊まれないらしい。まだ、夕方に差し掛かろうとしている時間なので少しだけ余裕がある。

 なので、宿屋の人に場所を教えてもらい役所に向かった。役所はこの街の真ん中にあるので大通りを真っ直ぐ進むと言われたので、その通りに進むと、役所と書かれた看板を見つけた。


「えー、今回は3人の身分証の発行で宜しいですか?」

「はい。お願いします」

「えっと、誰か書き読みが出来る方はおりますか?」

「あぁ、僕なら多分出来ます」

「おぉ、凄いですね。その年で読み書きが出来るなんて、将来は有望ですね」

「ありがとうございます」

「では、こちらに3人の名前と年齢。あれば職業をお書きください」

「はい」


 そして、僕たちの名前と年齢を書き、職業はこれからなので書かずに提出した。


「はい。ありがとうございます。では、次にこの水晶に手を置いて魔力を流して下さい。このカードと同期します」

「この水晶って何ですか?」

「これは、身分証とその人の魔力を同期する魔道具です。もし、身分証を紛失などした時に再発行を行うために必要なんですよ」

「では、こう、魔力そのものを測る物では無いんですよね?」

「? はい、そうですね」


 魔力を計ったら、リュクスとカリーナが魔王と勇者であることがばれてしまうかもしれない。それは避けなければいけない。


「分かりました。リュクス、カリーナ、ちょっと来て」

「「はーい」」


 そして、魔力の登録が終わり数分後。身分証が完成した。そして、宿を取ってその日は終わった。宿は、カリーナの注文で3人1部屋に決まった。

 次の日、僕たちは冒険者ギルドに向かった。ギルドでは魔物の素材の売買とクエストの受注などが出来る。

 ギルドの扉を開けて中に入ると、中にいた冒険者たちにギロッと睨まれた。すると、カリーナとリュクスが睨み返すとこっちを睨んできた冒険者たちが怯えて顔を逸らした。


「バカ!」

「「いて!」」


 そんな2人の頭をグーで殴り、お仕置きをした。

 二人が子供だとしても、魔王と勇者だ。外見からは分からないけど、貫禄やオーラを無意識で相手が感じ取ってしまうかもしれない。


「ほら、行くよ」

「「はーい」」


 そして、受付に行くと引きつった笑顔で迎えられた。

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