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船の危機

 ここは《シーシップ》。《プレルンクエ大陸》にある唯一の港だ。

 その街にある冒険者ギルドはとある敵に困らされていた。


「それで、どうだ? 水龍は?」

「はい、未だに、港近海を泳いでいるそうで、船は出せそうにありません」

「そうか」


 数日前に水龍が現れてから《シーシップ》は多大な被害を(こうむ)っていた。

 だが、《シーシップ》のギルドに追い打ちを掛けるように、もう一つの脅威がその街に迫っていた。


「ギルドマスター、それと、もう一つ報告が……」

「どうした?」

「それが、水龍が現れたのがここ数日で《スザク》からの船が既に出向しているようで、連絡の取りようもなく、二日後には船が到着するようなのです」

「!?!? なに!?!? ……そうか、よし、水龍討伐隊を編成する。領主様にも報告し騎士団の要請を頼む、回復薬はギルドにある分で・・・」

「相手が相手なので足りないでしょう。回復魔法を使える冒険者もギルドには三人しかいません」

「分かった、薬師の方々にも連絡を頼む。俺は、冒険者で部隊を編成する。頼むぞ」

「はい!!」


 副ギルドマスターは領主様の屋敷に走ったり、薬師のお店に頼み込んだり、それだけで一日がつぶれてしまった。

 そして、ギルドマスターは今いる冒険者たちの相性などを考慮しつつ部隊を三つに分けた。

 相手が水上での戦いでは敵なしの水龍なので、できれば陸に上がったところを全員で叩きたいところだ。


 船の到着予定日の前日。急遽集められた冒険者と騎士団、それぞれが部隊を編成させ、同じ目的の部隊は話し合いを行っている。

 それから、一時間後。偵察に出ていた冒険者が大慌てで戻ってきた。


「た、大変です!!!!」

「どうした!?!?!」

「《スザク》からの船が今、港に入ろうとしています!!!」

「なに!?!? 到着は明日の予定じゃ……!!」

「それが、水龍の所為で潮の動きが速くなっているようで、船の到着が早まったものだと思われます」

「分かった。それで、水龍は?!?!」


 偵察に出ていた冒険者は手に力が入り、物凄く焦っているのが伝わってきた。


「船は、今まさに水龍とぶつかったところです」

「!?!? 遅かったか」

「ギルドマスター、どうしました?」


 そこに、書類の作成を終えた領主様が来てしまった。

 嘘を付くわけもなく、今聞いたことをそのまま伝えた。


「なんと!?!? そうか、今からでもこちらから攻撃は……」

「領主様、申し訳ございませんが、遠すぎます。前衛の騎士団と冒険者では攻撃が届きません。届いたとしても威力は、指で肌を押されたぐらいの威力でしょう」

「……そうか、それじゃ、私たちに出来るのは見てることしか出来ないのか……」


 時は少し遡る。


 翌日、僕たちはフォーティス大陸の南にある《スザク》にある港に戻ってきた。

 船のチケットは昨日ギラーフで取っていたので、今日直ぐに出発する船に乗り込んだ。


「ツバキ、船、初めてです」

「おー、そうかそうか、それで、初めての船に乗った感想は?」

「すごく、たのしい!!」


 そう言って、ツバキは満面の笑みで答えてた。

 その笑顔には、僕たちも含めその場にいた乗客全員を笑顔にさせた。


「それじゃ、ツバキ、もう少し船の先の方に行ってみるか」

「はい!!」


 航海は順調に進み、予定より早く《シーシップ》の港が見えてきた。

 その時だった。レイさんの耳が激しく動きた。

 レイさんは船酔いを起こしながらも、何かがこの船に近づいてきていることを教えてくれた。


「分かった」


 そして、カリーナに船の船長に魔物が近づいてきていることを伝えに行ってもらい、ノルメにレイさんをお願いした。


「それじゃ、僕はその敵を相手しますか」


 腕をぶんぶんと振って、やる気をアピールしていると、エクレンとツバキが声を掛けてきた。


「フォレスさん、ここは、僕たちに任せてもらえませんか」

「え?」

「ツバキたちの実力、見てて」


 そう言えば、二人の力がどのくらいなのか見ていなかった。

 だったら、この機会は二人の力を見るチャンスだ。


「それじゃ、二人ともお願いね。不味くなったら、いつでも助けに行くからね」

「「はい!」」


 そして、水中から巨大な龍が現れた。

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