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会議②

 《勇者協会》とは、旅に出発してから数日後に現れたっきり、一度も接触してこない未だ、謎が多い教会だ。

 《勇者協会》に気を配りながらも、リュクスは隣で横たわっている死体に目を向けた。


「リュクス様、これは、どうしますか?」

「う~ん、そうだな。少しの間だが、一緒に旅をした仲間だし、墓でも作って埋めておいてくれ」

「畏まりました。もう一体は……?」

「あー、そいつは燃やしておけ」


 リュクスはピーカックの死体を一瞥してその部屋を後にした。


「七つの大罪はこれで、全部そろった。後は、俺の力が元に戻れば良いんだが、一体どこに行ったんだ?」


 リュクスは魔王城の通路を歩きながら、これからの戦いについて思案していた。


 場所は戻り会議室。

 会議が終わり、一番最初に部屋を出ようとしていたカリーナが動きを止めた。

 その所為でカリーナのすぐ後ろを歩いていたノルメがカリーナの背中に直撃した。

 ノルメは鼻を抑えてうずくまった。


「……ッスー、いった~。ちょっと、カリーナ、急に止まらないでよ」

「あ、ごめんごめん、ちょっと、気になることがあって」

「気になる事って何? 急に止まって、私の鼻にダメージを与えるよりも大事なことなんでしょうね」

「そう、だね、ノルメの鼻よりかは大事なことだね」

「何よ、言ってみなさいよ」

「神がいる場所にはどうやって行くの?」


 カリーナの質問にみんなの動きが止まった。

 確かに、僕たちはどうやって神のいる場所に行こうとしていたのか……。神が神のいる場所に僕たちを招待するはずもない。


「みんな、もう一度集合」


 部屋を出ようとしていたノルメとカリーナも戻ってきて、席に着いた。


「もう一度、会議を始めます。議題は、どうやって神のいる場所に行くのか、です」


 話し合いを始めようとしたが、誰一人としても手を挙げる人は居ない。


「流石に、神のいる場所への生き方は分からないよな」


 誰も、神のいる場所なんて想像したことも行ったこともない。そんな人たちが集まってもどうしようもない。


 その均衡が数分経過したとき、僕にとっては修行していた時は日常だった光景が目の前に現れた。

 それは、扉を開けて現れた。


「初めまして、量産型戦闘用天使10028番です。そして、さようなら」


 天使が現れた時、パニックを起こすものは誰もいなく、みんな冷静だった。

 その時も僕は、神のいる場所への行き方を考えていたので、とある疑問が浮かんできた。


(そう言えば、天使ってどうやって地上に来てるんだ?)


 ・・・あ、こいつに聞けばいいじゃん。


 という事で、戦闘は手短に終わらせた。


「それじゃ、天使。神のいる場所にはどうやって行くのかな?」

「・・・お答えできません」

「ど・う・や・っ・て・行・く・の・か・な・?」

「・・・ぜったいn……」


 僕だけじゃなく、その場にいる全員からの圧に天使は神よりも恐ろしいものを感じ、遂に神のいる場所への行き方を喋った。


「え、ってことは、旧エルフの森にそこへ行くための陣があるってことか」

「……あー、確かに、誰も近づいちゃ行けない木が一本ありましたね」

「ねぇねぇ、フォレスお兄ちゃん」

「なに、ノルメ」

「この天使、どうするの?」


 天使は手足をグルグルに縄で縛り、逃げ出せないようにしていた。


「後で、殺しておくよ。それじゃ、今度こそ会議を終わるよ」


 という事で、午後は各々で休んでもらい明日から再び《プレルンクエ大陸》に戻ることになった。

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