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出会いと喧嘩①

「許さない。あなた方を絶対に許さない!」


 僕たちは、遺跡から出た後、外で気絶しているノアさんを発見した。

 多分だが、アルファーに見つかり殺す価値もないと判断されて気絶させられたのだろう。


「ノアさん! 起きてください!!」


 肩を叩きながら耳元で大きな声を出した。

 すると、ノアさんは体をびくっとさせた後に勢いよく跳び起きた。


「ノアさん、大丈夫ですか?」

「あ、あれ? なんでおれはここで……思い出せない」

「えっと、そうだ、魔物に意識を奪う魔物が居たんです。助けようとしたときには、もう、ごめんなさい」


 僕の苦しい言い訳にノアさんは無言だった。

 これは、バレたか……?


「……なぁんだ、そうだったんだ! いやー、迷惑を掛けたね」


 良かった、ノアさんがバカで。


 街に戻ると、何故か街の中がざわざわとしていた。

 何があったのかと、そこら辺にいた人に聞いてみると、物凄く怒っている人がギルドの中にいるらしい。野次馬で覗いた奴らがみんな、外に追い出されたらしい。

 そして、その男が探しいるのが、『音速の漆黒』ことリュクスのことだった。ついでに、フォレスという人も探しているらしい。


「そうなんですね、ありがとうございます」


 さて、どうしようか。多分だが、待っているのは聖騎士のエクレンだろう。

 そのことをみんなに聞くと、レイさんは手を合わせて「会ってみたい」と言っていたが、ノルメとカリーナは反対だった。


「だけど、これからの旅には彼が必要だ。勇者一行の前衛役が必要なんだから」

「そうだけど、怒っている人に会いに行くのは、ちょっとやだよね」


 カリーナの意見はごもっとも、僕も会いに行きたくない。

 だけど、目をキラキラさせているレイさんに、速くいくぞと言ってくるノアさんが背中を強制的に押してくる。


「・・・分かった。行こう」


 そして、ギルドの前に出来ている野次馬の隙間を縫いながらギルドの中に入った。

 ギルドの中には予想通りエクレンが待っていた。その隣には、獣人族の女の子が座っていた。

 エクレンを中心に誰も近くに寄らないように、他の冒険者たちは隅の方に追いやられていた。

 ギルドに入ってきた人見たエクレンは椅子から立ち上がり、僕たちの方に歩いてきた。


「待ってましたよ。フォレスさん。それに、皆様方」

「久しぶりだね、エクレン、元気だった?」

「えぇ、そうですね、元気ではあります。さ、先ずはこっちに来て椅子に座ってください」

「ね、ねぇ、悪いんだけど、個室とかに行かない?」


 ノアさんに許可を取ると、OKを貰えた。

 だが、それをエクレンは拒否した。


「ここじゃ、ダメですか? それとも、みんなに聞かれたらダメな理由でもあるんですか?」

「ダメな理由、まぁ、あるかな」


 確かに、勇者と魔王のことは隠している。それは、魔王と勇者が一緒にいるのが知られたら不味いという理由からだ。だが、今は魔王のリュクスが傍にいない。という事は、別に勇者という事がバレても問題ない。


「それは、エルフの森に関係していることですか?」

「? エルフの森?」

「しらばっくれるんですね。そうですか、分かりました。えぇ、分かりましたとも、いいでしょう。そっちが、その気ならこっちだって、手段を選びませんよ」


 エクレンはブツブツと呟いていた。


「まぁ良いでしょう。個室行きましょうか」


 あ、あれ? 個室でも良いみたいだ。なんで、さっきは拒否したんだろうか? いまいち掴めないな。

 個室に移動して、ノアさんには出て行ってもらい、近くに誰も近づけさせないで欲しいとお願いをしておいた。

 そして、エクレンの怒っている理由を聞いた。

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