異界の神
天界
量産型戦闘用天使アルファー1487番は、神の前に膝まづいていた。
「始末は、完了したか?」
「いえ、戦った結果、殺す価値もなくご主人様方の脅威になる存在だと感じなかったため、放置してきました」
1487番がそう言うと、神様の一人が1487番の顔面を蹴り飛ばした。
「ふざけるな! あいつを今すぐ殺せ! 今、どんなに、あいつが弱くても、あいつは近いうちに俺たちの脅威になるんだよ! 今も今後もあいつは自分の力に気付かない、だが、それでも、あいつは周りに恵まれすぎている。恵まれすぎているんだよ!! 分かったら、さっさと行け。次は、無い」
「は、はい!!!」
1487番はその場から消えるように神界から降りた。
そして、その神は座っていた椅子を蹴飛ばして苛立ちを露わにしていた。
「あんまり怒るな。禿げるぞ」
「はぁ!? うるせぇ! お前だって知ってるだろ!! あいつがどのくらい脅威になるのか!!」
「知ってる。知ってるからこそ、まだ間に合うと知っている」
「それにさー、あいつ、今度はしくじらないでしょ」
三つある椅子を円を描くように置いて座っていた。
神は怒りを収めてその椅子に深く座り込んだ。
「はぁ、クソ」
「まだ怒ってるのか?」
「当たり前だ。人形のくせに俺たちの命令に逆らいやがって」
それを聞いた、一人の少年のような神は馬鹿にするように笑っていた。
「逆らう様に設定したの君じゃん、なに、さも勝手に反抗されました~みたいに言ってるんだよ。馬鹿なの? 馬鹿だよね、馬鹿以外の何物でもないよね」
「あ? 何だてめぇ。殺すぞ」
「何、怒っちゃった? このぐらいで怒るなよ雑魚」
その光景を見ていた眼鏡をかけた神は、ため息を付いて喧嘩を止めていた。
その頃、再び天使が攻めてくることを知らないフォレスは自分たちの怪我を直していた。
「ノルメ、ありがとうね」
「だ、大丈夫です」
ノルメは怪我を負ったレイさんと僕の怪我を直してくれた。
カリーナには自己再生能力が付いているので問題ない。
「それじゃ、あいつが戻ってくる前にこの遺跡を出よう」
「なんで、あの天使が戻ってくるって分かるの?」
ノルメの質問にはレイさんが答えた。
「あの天使は量産型って言ったいたでしょ、という事は、神からの命令は絶対な筈なの、それなのに、神の命令に逆らって私たちを見逃したのよ。あの天使が殺されて別の天使が送られるか、同じ奴がもう一回来る可能性があるのよ」
「なるほど、その通りですね」
「そ、だから、今すぐにここを去らないといけないってこと」
「じゃあ、速くいk……」
その時だった、さっき帰ったばっかりの量産型天使が戻ってきた。
「やぁやぁやぁ、さっきぶりだね、皆のもの~!」
「まじかよ」
「戻ってくるの、速すぎでしょ」
よく見ると、顔部分に痣があるのが見えた。
何かしらの、お仕置きを受けて再び戻って来たのか・・・
「それじゃ、第二ラウンドと行きますか!!」
「今回は油断するなよ!! 俺も本気で行く」
「「「うん(はい)!!!」」」