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初めての船

「カリーナたち! はしゃぎすぎて船から落ちないでよ!」

「元気じゃな」

「す、すみません。ご迷惑をおかけします」

「ほっほっほっ、良いんじゃよ。元気な子供を見るのは儂らにとって楽しいことの一つじゃからな」


 僕は苦笑いを浮かべながらカリーナたちの方に向き直った。

 時は遡る。

 カリーナとのデートが終わり数日が経過し、出航前日宝石店に4人で向かった。


「こんにちは~」

「いらっしゃいませ。あ、お待ちしておりました。注文の商品はすべて作り終えていますよ」

「ありがとうございます」


 加工した宝石をブレスレットなどに填め込んだものを計9個のアクセサリーを渡された。


「これが、その商品になります」


 リュクス以外の人に、自分が採った鉱石が填め込まれたアクセサリーを渡した。

 カリーナは緑色の宝石が填め込まれたネックレスと、赤色と青色の宝石が填め込まれたイヤリング。

 ノルメは黄色の宝石が填め込まれたブレスレットと、水色の宝石が填め込まれたペンダント。

 僕のは、白色と黒色の宝石が填め込まれた指輪。

 リュクスのは紫色と黄緑色のブレスレット。


 リュクスのブレスレットはその内渡せる時が来たら渡しておこう。


「それと、お会計がこのくらいになります」


 店員さんに見せてもらった値段を見て驚愕した。

 人生でここまで高い買い物をするのは、これが最初で最後だろう。

 カリーナにお金を『収納』から出してもらい、お会計を済ませた。


「はい、お預かりします。……丁度ですね。ありがとうございます」


 貰ったアクセサリーをそれぞれに付けてみた。

 それはそれは、物凄く、滅茶苦茶、超、似合う。

 これは、誰にも見せたくない、独り占めしたいぐらいだった。

 さてさて、この姿はまた今度お披露目するとして、翌日。


 船の出航日


 部屋の中に出していた荷物を『収納』に戻して宿を出た。

 屋台で小腹を満たす食べ物を買って、港に向かった。


 みんな、僕と一緒にずっと過ごしていたカリーナは小舟には乗ったことあるけど、大陸間を移動する大きな船には乗ったことが無い。

 ノルメはノウェール王国の王女だったけど、国の中から出たことは無いと言っていた。

 レイさんもエルフの森から出たことは無い。

 僕も、地球で船には乗ったことが無い。だから、4人とも人生初めての船にうっきうきだ。


「あ! ね、ねぇ! 船! 船見えたよ!!」


 ノルメがジャンプしてはしゃぎながら船目指して走り出した。

 それに、カリーナとレイさんが乗って一緒に走り出した。


「船まで競争だ!!」

「一番遅かった人は3人に、向こうの大陸でのご飯奢りね」

「え、それって、僕も入ってるの?」

「「それじゃ、お先に!!!」」

「あ、ちょっと、3人とも待ってよ!!!」


 港


「はぁはぁ、3人とも速すぎ」

「それじゃ・・・」

「「「ご飯奢り、お願いします!!」」」

「ふ~、分かったよ」


 船の乗車時間になったので船に乗った。

 部屋は、4人一部屋を取った。

 女性3人に男一人だと、一人混じったところで何も思わないらしい。

 まぁ、ずっと一緒に過ごしていたからってところが多いけどね。


 だから、着替えとかは僕が部屋の中にいる時に着替え始めるから、まじで焦る。


「だから、僕が部屋の中にいる時に着替え始めないでって言ったでしょ!」

「えー、別に良いわよ。それとも、見たい?」

「か、からかわないでください!! 僕、ちょっと風に当たってきます」


 レイさんにつられて、カリーナとノルメも同じようなことをやって来るから、本当にやめて欲しい。

 僕が男ってことを思い出してほしい。理性が止められなくなる可能性だってあるんだ。


「はぁ」


 深いため息を付いて、海を眺めているとギリギリ見える距離で大量の何かが跳ねているの見えた。


「お、珍しいですね」

「!?」


 隣から急に男性の声が聞こえて、体がビクッとなって驚いてしまった。


「あはは、すまんすまん、驚かせたね」

「い、いえ」

「遠くに見えるあの大群は、スカイフィッシュと言って大群で海の上を跳ねる習性があるんだ」

「へー」


 トビウオみたいなものか? でも、初めて見た。


「私も何度も船に乗っているがあれを見るのは、10回に一回ぐらいの頻度でしか見れないんだ」

「それじゃ、僕が見れたのは希少だったんですね」

「そうだね、君は運がいいみたいだね」


 そこに、着替えが終わったカリーナたちがやって来た。


「おーい! フォレス!!」

「はしゃぎ過ぎないでね!!」

「「「はーい」」」

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