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お届け物で~す^^

 魔王城


「魔王様、お待たせしました。こちらをどうぞ」

「ん? 何だこれは?」

「先ほどまで、シーシップという街に偵察にいたのですが、一人の黒髪短髪の少年に捕まりまして、魔王にこれを届けて欲しいと頼まれました。何故だが、その人には拳一つ掠らせることも出来ないと感じて、従ってしまいました」

「あぁ、分かった。問題ない」


 リュクスはその女性から袋を受け取った。

 もちろん、入っているのはあの鉱石、ブラッグレイ鉱石だ。


「それと手紙を渡されました」

「お前には、後ほど賞与を与える。下がれ」

「え、は、はい!!」


 リュクスがその部屋を後にして残った女性は立ち上がった。


「本当に、今日はなんて運のいい日なんでしょう」


 時は少し遡る。

 フォレスたちが船の出航まで時間があるという事で、各々で時間を潰していた。


「さて、カリーナからこの鉱石を預かったけど、どうやって魔族領に行くか……この鉱石、リュクスに渡しておきたかったな」


 リュクスがいたから魔族領にも行けたが、今は居ない。そうなると、いよいよ魔族領への行き方がわからない。

 ギルドに行って、聞いてみてもそんなもの知らないと、冒険者に聞いても知らない。聞き込みをしていると3日が経過した。

 その時、一人の女性が僕に話しかけてきた。


「君、魔族領への行き方を知りたいんだって? 私が教えてあげようか?」

「え、良いんですか!?」

「えぇ、もちろんよ。それじゃ、私に付いてきてくれるかな?」


 そして、フォレスは捕まった。縄でぐるぐる巻きにされて、身動きが取れないようにされてしまった。


「それじゃ、尋問を始めるわね。あなた、なんで魔族領への行き方を聞きまわっていたの?」

「えっと、言えないです」

「え? あ、あれ? 魅了が効いてない? も、もう一度聞くわね。私の目を見て答えなさい。なんで、魔族領への行き方を聞きまわっていたの?」

「だから、言えないですって」

「う、うそ、本当に魅了が効いていない」


 その女性は、僕に背を向けて何やらぶつぶつと喋っている。

 なので、縄を引き千切ってその女性の肩を叩いた。


「あの~、貴女って、魔王に使える魔族ですか?」

「そ、そうよ! ってか、五月蠅いわね、少し黙ってて……って、どうやってあの縄を解いた、ち、千切れてる!?!?!?!?!?」

「あ、やっぱりそうなんですね。良かった、それじゃ一つ、僕の質問に答えてください」

「ひっ!? わ、分かりました」


 僕はその女性になんで魔王が今更魔王城に戻ったのか聞いた。

 その答えに、僕は困惑した。


「神を倒す。その為に戻ったか」

「はい、魔王様の演説でそのように言っていました」

「分かった、ありがとう。それと、これを魔王に届けてくれるかな? この手紙も」

「魔王様に?」

「うん、よろしくね」

「ちょ、ちょっと待ってさいよ! って、行っちゃった」


 その女性は少しの間、ぽけーっとた後に急いで魔族領へ、魔王リュクスの元に戻った。

 月がシーシップを照らす頃、僕は『あくび』に戻った。


「あれ、フォレスどこ行ってたの?」

「やっほ、カリーナ、内緒だよ」

「えー、まぁ良いよ。それよりさ、明日ってフォレス時間ある?」

「時間? あるよ」


 カリーナは生唾を飲み込み、緊張した面持ちで口を開いた。


「じゃ、じゃあさ明日、ふ、二人で、一緒に、出掛けない?」

「うん、もちろんいいよ。なに、買いたいの? 荷物もちなら任せてよ」

「ち、違うの!」

「え、違う?」


 カリーナは頬を赤らめて、恥ずかしそうにしている。


「デ、デートに、フォレスと行きたい」


 カリーナの語尾がどんどん小さくなって行く。それでも、カリーナがなんて言ったかは理解できた。

 それに対しての返事はもちろん決まっている。


「いいよ。デート行こうか」

「ほ、本当!?!?」

「もちろんだよ」

「え、へへ、ありがとう。それじゃ、お休み。フォレス」

「うん、お休み、カリーナ」


 そう言って、カリーナは自分のベッドに戻って行った。

 翌日、朝食を食べた後、カリーナに先に行っててと言われたので、集合場所を決めてそこで待っていた。

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