プロローグ
プロローグですが、あらすじっぽいです。
ですので、1話目も合わせて投稿しますので、合わせて読んでみてください。
ここはとあるゲームに類似した世界。魔物や魔王・異種族がいる、いかにもな剣と魔法のファンタジー世界。ゲームの名は『リアル・ファンタジー』。
男女の愛憎織りなすストーリーと選択する様々なキャラクターの特性をいかした戦闘パートを持つファンタジー系のロールプレイングゲームだ。エゼルバルト王国という人族最大の国を舞台に、王立学院という学院パートからストーリーは開始する。男子にはギャルゲー、女子には乙女ゲー要素を感じさせるそのストーリーは、次第に人族だけでなく異種族も巻き込んだ壮大な展開へと続いていく。最大の特徴は男女6人にも上る選択可能キャラクター達であり、誰を選択し、誰と結ばれたり仲間になったりするかでエンディングが変わるマルチエンディングが採用されている。剣戟や魔法織りなす戦闘シーンも人気の一つだが、それ以上に評価されたのがストーリーである。男子は当然女子キャラを、女子は好みの男子キャラを――一部で同性同士をくっ付けて想像するような腐の人もいたが――仲間や恋人にする為いかに好感度を上げるかで、ネット界隈は大いに盛り上がっていた。
ちなみに主要キャラクターは以下の6名。
・アレックス・フォン・エゼルバルト第一王子
言わずと知れた王子キャラで、光属性。キラキラが似合う王道の王子様キャラ。ステータスは万能型で全てにおいて優秀。ストーリーでは後継者争いで色々苦悩も抱えているが、唯一ハーレムエンドがあるキャラでもある
・エリク・ミルフォード
侯爵家嫡男で現在の宰相の息子。水属性。知的で冷静なキャラクターで魔法特化型のキャラだ。アレックスとは幼い頃からの友人で、右腕的な存在。やや選民思想が強く、貴族としてのプライドも強い。所謂ツンデレキャラとして愛される。
・アレス・グレイス
伯爵家の二男で現近衛騎士団団長で戦鬼と名高い父を持つ。所謂脳筋な能力も持つ。火属性。性格も脳筋で、良く言えば奔放、悪く言えば思慮が足りない。前出の二名とは幼い頃からの友人で、アレックスの護衛役でもある
・ユーリ・アナスタシア
大神殿司祭で、伯爵位を持つ枢機卿の地位にあるアナスタシア家の養女。聖属性。元々は孤児だったが聖なる力に目覚め、聖女と謳われたことでアナスタシア家の養女となる。
・セリアリス・フォン・ノンフォーク
公爵家令嬢で、第一王子であるアレックスとはゲーム開始当初は婚約者という設定。雷属性。その結末は選択キャラにより様々で女王から極刑まで幅広い。ちなみに女王エンドはキャラクター選択された時のエンドの一つである。
・メルテ・スザリン
開始当初は唯一の平民。大魔導といわれるスザリンの姓を賜る弟子であり、複数属性を操る魔法能力はメンバー随一。ただし体力は最低の為、護衛が絶対に必要であり、やや選民思想の強いエリクとの相性は悪い。
そして、すべてのキャラでトゥルーエンドを見た場合に選択できるようになるキャラクターがいる。所謂隠しキャラ。別ストーリーでは敵役だったりするこのキャラは、人気も非常に高い。
・ジークフリード・フォン・エゼルバルト第二王子
アレックスの腹違いの弟である。闇属性。妾腹の為、本人は王位継承に関しては積極的ではないが、アレックスの母親である王妃には目の敵にされている。スペックはアレックスと同等で優秀。
そして、この世界がそのゲームに類似している世界だと知識として知っている人間が3人いる。3人とも前世で不遇の死を迎え、幼少期にこの世界の人物に転生した。当然元々の人物の記憶もあるが、ゲーム世界の知識も前世の知識として持っている。
そのうちの1人は選択可能な主人公キャラとして、その立ち位置に歓喜する。
「うぉー、やった。この俺なら人生勝ち組じゃねーかっ! あっ、でもルートによっては……なら油断は禁物。将来に備えて強くならないと。あー、でも俺なら口説く女子もよりどりみどりだな~、みんな捨てがたいし、早く学院パート来ないかな~」
もう1人は重要なNPCでありながら、直接ストーリーには関わらず、ただ観測する者という立ち位置。
「あれ、私のこの子ってイケメンたちと直接絡まないっ!? あー、でも絡みようはあるか。って言うか、積極的に絡んでいいのかしら? まあそれは兎も角、リアルでストーリー進行が見れるってすごく楽しみ。あー、これってどの子のルートなんだろう、早く入学式来ないかな~」
そしてもう1人は主要キャラの身内であり、NPCにもかかわらず積極的にストーリーに関わろうとする。
「ああ、お兄様を毎日眺められるのは良いんだけど、私全然関係ない子なのよね~。あっ、でも私が頑張って、あの子の立場を貰っちゃえばチャンスあるかも!? となると、あの魔法が欲しいなぁ。うーん、どうしよう」
ただ彼らは知らない。自分も含めて転生者が3人もいる事を。そして3人がこのゲーム「リアル・ファンタジー」のハードユーザーである事を。しかもハードユーザーであるのにも関わらず、ジークフリードの他にもう一人、非常にレアな隠しキャラがいる事を。そしてこの誤算を多数抱えた世界は、誰のルートのストーリーも実は紡いでいない、全くのオリジナルのストーリーであり、彼らが知らないストーリーである事を。
だからこそ、彼らは踊る、困惑する、迷う。そして不可思議な強制力があると信じ、自身が望むルートに入ろうと努力する。
そしてこれから語られる物語の主人公は、その転生者達ではなく、その転生者達の誰もが知らないもう一人の隠しキャラである。
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