002 ボックスマン
002 猟奇殺人 CLASS:イエロー
華原 幹 (‣ただし本名ではない) 享年31 虚血性心不全
生年月日:不明 血液型:AB
備考:家族からの虐待あり、扁桃体の萎縮アリ
異名:ボックスマン
被害者変遷
02世界線
(002誕生から)
16年後 6歳女性
18年後 8歳女性
18年6か月後 10代男性
19年後 3歳男性
22年後 9歳女性
24年後 10代男性
25年1か月後 8歳女性
25年3か月後 20代後半女性会社員
25年4か月後 80代女性
25年4か月後 50代男性 備考:この男性は上記80代女性の息子である
30年後 1歳男性
【生い立ちと犯行】:父親はアルコール中毒で暴力をふるうことが多く、毎夜毎夜002に水をかけて起こしては自分が眠くなるまで、殴る蹴る暴言を吐くなどは当たり前のことながら、タバコの火を背中に押し当てたりされていたそうです。しかし、002は幸か不幸か生まれつき苦痛を感じる脳の器官が弱く、幼いながらに耐え抜くことができました。母親のほうは父親の性格を知っていたために夜は街に出て夜が明けるまで帰ってくることはなく、一度も虐待現場に居合わせたことはなかったそうです。また002に布団やベットなどの寝る場所はなくいつも1立方メートルほどの木箱に入って寝ていました。
苦痛に耐えながらも、16歳になると002は家を出て近くを通っていた川岸で飲まず食わずで過ごしていました。しかし彼にとってこれは最も静かで最も幸せな夜だったとされています。
川で過ごし始めて3日目、その日は雨だったそうで002によると眠ることができず、仕方なく木の下で雨宿りしていたそうです。(002の育った時代背景は不明な点が多かったですが、近年その日が歴史的な豪雨であることが相対的に確認されました。)
002が雨宿りしているところに一人の少女がやってきたそうです。その少女が現段階で確認できる最初の被害者だと思われています。002はその少女と数十分程度話したのち、首を絞めて殺したとされています。この少女を何故002が殺害するに至ったかは不明ですが、少女の死体は川に捨てられていた本棚の中に無理やり詰め込まれていました。
最初の殺人から002が何を得たのかは不明ですが、その後も公園や山で一人で遊んでいる子供を見つけると首を絞めて殺したうえで箱型の入れ物に死体を詰める行為を繰り返しました。
25歳になるととある金持ちに拾われて専属の執事となり、華原 幹の名前を名乗るようになります。その金持ちは002にいったいどんな才能があるかを見抜いていたため、002に殺しの命令を何度か出しました。主人からの命令には一切の自分の手口を使わず完全に証拠を消して飛び立つため、対象を子供に絞ることや、箱に入れるという奇異な行動さえしなければかなり危険度の高い殺人鬼となりえたと推測されます。
しかし最後の殺人命令をこなしたところで、002の主人は意識を失いその半年後に他界してしまいました。莫大な財産を手に入れた。002でしたが、その金は全て主人の屋敷ごと焼き払い消息を絶ちました。
最後に彼が犯行に至ったのは30歳だとされていますが、死体には死亡する以前につけられた絞殺痕や撲殺痕もなく、ただ埋葬されるかのように1立方メートルほどの木箱に大量の花とともに入れられていました。
そして彼は彼が一度も訪れたことがないはずの河川敷で虚血性心不全を起こした状態で通りすがりの男性に発見され、その後病院で目覚めることなく息を引き取りました。
【今回犯人特定に至った経緯】:全焼したとされた金持ちの屋敷から一冊の日記が見つかりそのことから002が捜査線上に浮かびあがってきました。しかしこのときくしくも002は死亡しており火葬予定日の前日だったそうです。
【犯行の規則性】:002の犯行はボックスマンの異名にふさわしく、1歳~10代前半の子供を絞殺した後に箱に詰めるというもの。その箱となるもののサイズ自体は関係なく、入りきらない場合は切断またはつぶすことにより強引に詰め込むなどの方法をとりました。
【追記】:彼がなぜこんな形の殺人を行ったのかは永久的に謎のままでしょう。なんとなくといわれれば言い返す言葉もないですが、ただ何となくで思いつく彼にしてしまったのは紛れもなく隣人である私たちが彼を救うことができなかったからに違いありません。
彼の世界は狭い箱の中で全て完結していたのですから。
報告書作成者:三ツ谷 純子




