001 指切猿
001 猟奇殺人 CLASS:イエロー
麻衣 兼造 享年53 処理済み
生年月日:1894年 11月 21日 血液型:O型
備考:強迫性障害、解離性障害
異名:指切猿
被害者名簿
1903年 麻衣 雄介 備考:001の弟に該当する
1907年 音沢 喜代
1920年 柳川 吉向
1920年 記録なし 備考:30代女性
1922年 記録なし 備考:40代男性 001の母校に勤務していた教師
1926年 玖尾井 安美
1927年 万代 空也
1930年 萩生院 滉
1932年 庵村 元太郎
1933年 神崎 友里恵
1934年 紀伊山 弥生
1936年 大蔵 結
1937年 鴻池 哉多羅
1938年 記録なし 備考:男性
1940年 浜貝 うづめ
1940年 大村瀬 愛喜
001は幼くして母を亡くし、父とその再婚相手、弟と一緒に暮らしていました。001の家庭では他の快楽殺人犯の家族にみられるような虐待、異常性は見られず、実母をなくしてもなお一般的な家庭とは何の差異も見受けられませんでした。しかし、再婚相手が決まるまでには実母がなくなってから4年かかったそうで、その際に001は皮膚むしり症を発症した可能性があります。
幼少期のころから弟に比べて物静かな子と言われていた001ですが、7歳の時その弟を近所の公園にて後頭部を石で殴りつけて殺害してしまいます。
このときのことを001は最初自分の犯行ではなく、事故であると否定していましたが、のちにほとんどの犯行が露見すると犯行を認めました。なぜ殺したのか?という質問について001は数秒間の逡巡の後「とても美味しそうだったのに、貸してくれなかったから」と述べています。
この時の事件は001の全盛期の様にすべての指を切断することはできなかったらしく、右手の親指だけが粗雑に切り落とされていました。
警察は当時の001の年齢を鑑みてすぐに容疑者から001を外し、001は逮捕されることはありませんでした。
001は成人すると地図作成者となりそのおかげで町の地理に詳しくなったとも供述しています。
それに加えて空き家や廃墟を探すのも一つの趣味となっていた001は殺害現場の下調べもかねて平日でも3軒ほどは回っていたようです。
1907年の事件が発生した時点で001は真の異常性を開花させ、自分の好みの指を得るために何年にもわたって殺人を繰り返しました。しかし、001はその目的が殺人ではないゆえにほかの殺人鬼とは違い、殺人方法に何のこだわりもなく加えて前述したように街の死角についても多くを知っていたため捜査は難航したと思われています。
001は皮膚むしり症を発症していたために、自分の指の皮膚をはがすのがやめられず、指がひどく傷ついていました。そのため指を見られることが恥ずかしく指にコンプレックスを持っていたと供述していました。ですが、その指の皮膚をむしり取りたくなる衝動は自分の中だけでは完結することができず、母親のいなかった幼少期は弟の指もむしっていたとも供述しており、実際発端となった弟殺害事件の原因は「弟が指を触らせてくれなかったからだ」、と犯行の発覚後には何度もそう吐露していて、「指さえあればこんなことにはならなかった」と処理される数か月間はうわごとのように何度もそう繰り返していました。
追記1:001が切断し持ち去った指は全て彼の自宅においてあった市販のキャンドルの蝋の中に小分けにされて埋められていました。001曰くそれらは使用済みらしくその言葉通り掘り出された指は爪がボロボロになっており、指側面の皮膚も何度もはがされたかのような跡がありました。
追記2:一連の指切断事件は今回報告する16件が001による犯行でしたが、模倣犯による犯行を含めると34件起こったことが分かっています。
彼の殺人鬼としての素質はあまりないように思えましたが、その猟奇的な行動とシンボル性は模倣犯から高く評価されたのは事実に間違いありません。我々はきっと001を確保できなければ、この34件すべてを同一犯のものだと思って、大きな影に踊らされていたことでしょう。
報告書作成者:永滝 初一郎




