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5-1.名代

領主の舘に行くとアンジェさんとレオノーラさんが子供たちに素振りをさせていた。

持っているのはナイフ位の木刀だが・・・とてもデカく見える。

人数は前回からすると少ない。

まあ戦闘訓練だからこれ以上小さい子にさせるわけにはいかん。

がこれでも十分小さいがな。

体力がないからかすぐにばてている。

アンジェさんとレオノーラさんもどうしたものかと言う感じだな。


「休憩にしましょう」


私を見つけたアンジェさんが休憩を宣言した。

少し話をしたが何から手をつけていいのか分からないという感じだな。


「まあ・・・基本の基本と言うことで素振りからやっているんだがなにかいいアイデアあるかい」

「いいえ。最初は素振り。飽きても素振り。これしかないでしょう。そうしているちに体力もつくでしょう」


というか・・・こればかりはどうしようもない。


「質問いいですか?」


おお・・・僕っ娘だ。


「いいですよ」

「僕は・・・短剣でなくその・・・お姉さんと同じ大剣を教えて欲しいんですけど」


お姉さん?・・・アンジェさんは盾に長剣。レオノーラさんは短剣の双剣使い。

あばばば・・・私か。

そうだった。というかあれ短剣の木刀なんだ。


「私が大剣を装備しているのは大は小を兼ねるというのか・・・見せかけだけなのでお勧めしません。というか・・・最終的には趣味と言うか自分に合うかどうかということですから・・・」


答えようがなった。むむむ・・・おっといかん。


「またどうして大剣がいいんですか?」

「大剣がかっこいいから・・・お姉さんみたいな冒険者になりたいんだ」


僕っ娘が純粋な目でこっちを見ている。

こっちは恰好はエルフ娘だが・・技能もキャラクターのものだ。心が痛む。


「最終的に大剣を使いたいのであればそれでいいでしょう。ですがそれにはいまのその・・・短剣での素振りをやりこんでください。軽く触れるようになったら長剣か大剣に変えて行った方がいいでしょう」

「動かし方が全く違うって聞いたんですけど。それだと意味がないんじゃないですか?」


むむむ・・・実はけっこう詳しかった。


「私が大剣を使うのは攻撃力を重視しているからです。もし大剣が当たらないような相手なら長剣と盾を装備します。もし長剣が振り回せないような狭い場所なら短剣を使います。そのときに使えませんでは困るでしょ。すべての武器の達人を目指す必要はありません。ですが短剣で身を守れるぐらいはできないと・・・やっていけません」

「実際には最初は何を使うのがいいですか?」


これは他の子だが・・・みんな真面目と言うか熱心だな。


「自分に合ったのを試していくしかないということですが・・・冒険者になるのであれば最初は短剣に槍ですね」

「槍?」


みんながはもった。なんでやねん。


「槍は・・・その・・・兵士が持つというイメージです。馬に乗った騎兵とか集団での兵士とか」


長槍のことか。たしかにダンジョンに槍かよと言うことだな。


「私が言っているのはこういう感じです」


前回作った2mの槍をアイテムボックスから出す。


「最初のうち冒険者は防具も武器もしょぼいものを使うしかありません。なのでまず槍の間合いで戦って被弾を減らすようにします。防具がしょぼいので攻撃を受けると怪我しますから。それに攻撃されなければ防具の修理代もかかりません。これは全部金属製なので違いますが・・・普通槍は先端だけが金属なんで長さの割に安くなります。槍の射程の内側に入り込まれたら短剣を使うということですね」

「冒険者は最初防具を安いのにして武器だけはいいのを買うんだ。いいと言っても買える範囲でだがな」

レオノーラさん情報だ。彼女は初心者から上がってきたのだろうな。みんなは防具をケチって長剣を買うのだろうな。冒険者は大体装備しているからな。予備の短剣は・・・買わないのだろうな。

「攻撃力重視と言うことですね。相手を倒さなければ意味がない。と」

「そうだ」

「敵は倒した。被弾して怪我をした。防具がいかれた。で金がかさむ。怪我治るまで収入がない。無理してダンジョンに潜る。となると・・・未来は暗いですね。レオノーラさん・・・あなたは敵の攻撃はすべて躱してきた。そうでしょう?」

「ああそうだ。言われてみればそうだな。下で潰れていく連中は怪我を隠して潜ったと言うのはよく聞く話だな」

「隠した?」

「どこから見ても怪我をしたままだとみんなが止めるからな。初心者より初級が危ないって言われるんだ。初心者はすべてが危険だらけだから無理をするバカはあまりいない。冒険者ギルドもさすがにそこは講習するからな。いたとしてもダンジョンの1層だと誰かが助けてくれる可能性が高い。初級だとどうしても中級を目指すから・・・。同期がいると競争もある」


同期が昇って行きます。

ついていかないと。

追い越さないと。ということか。

そういう感情を持ったことはないな。


「まあ・・・皆さんはこうやって情報を集めて自分なりに考えてください。好きな武器を使うでいいとは思いますが・・・武器は消耗品で壊れたり失くしたりします。そいうことですから短剣は練習して損はないと思います」


まあ口で言ってもそうですかとはならないだろう。

大剣を持たしてみる。

当然持てない。

いい機会だ。

一通り武器を出してみんなに触らしておく。

こんなもんですよと言うことだ。


その後は素振りを開始したが・・・危ない傾向だな。

元気なようだが・・・たぶん疲れている。


「素振り終了」


アンジェさんとレオノーラさんがこちらを見ている。


「最初から飛ばすのも良くないでしょう。そうですね・・・相手の攻撃をどうさばくのかを実演してください。攻撃はアンジェさんで受けるのはレオノーラさん。双剣はダメですよ」


アンジェさんが攻撃をする。

その攻撃に対してレオノーラさんがどう受けるかをみんなに見せる。


・・・こいつらポンコツか。


「アンジェさんらんどりではありません。もっとゆっくりでお願いします。レオノーラさんは解説付きでお願いします」


・・・こいつらポンコツか。


「アンジェさん右から左から正面から上から下からと言う風にお願いします。レオノーラさんはぎゅーとかぱっとかは無しでお願いします」


・・・こいつらポンコツか。


「アンジェさん右上からでお願いします」


長剣が右上から振り下ろされる。

レオノーラさんは下がろうとして・・・短剣で弾いた。

捌くのを実演と言ってるだろうが・・・


「えっと・・・この方向から来たらこの方向で撃ち返す」


その後もいろいろな方向から攻撃させ受けさせたが説明は・・・残念なレベルだ。

そう・・・・残念。

ただ動きとしては正確だ。


何故か二人ともへとへとだ。脳筋めが。考えると疲れるのか。


「こういう風に攻撃される方法で受け方が変わります。これでないといけないということないですか今のが基本です。体と言うのは力の出やすい方向と言うのがあります。腕に関していえば内側に押す力が外側に押す力より強いです。なので相手の攻撃を弾くときは相手の腕の内側方向でこちらは腕の内側方向になるようにするといいです。相手は外側に押し返すのは弱いはずですから。まあ理論通りにはいかないですが覚えておいて損はないですよ」

「それは魔物もと言うことでしょうか?」

「あくまで私たちがと言うことです。魔物にはその魔物の特性があります。自分たちは力が出やすく相手は力が出ない。そのような状況で戦わないといけません。これは接近戦だけのことではありません。魔法であれ罠であれ・・・相手の不得意分野で自分の得意分野で戦う。主導権を握るということです」


まだちょっと早いが訓練は終了する。

少し街ブラをしてから早い夕食をとる。

二人からはいろいろ苦情が・・・。苦情は受け付けません。


「考えながら戦うというのは疲れるぜ。頭から熱出たぜ」


知恵熱?・・・そんな年じゃねえだろう。

その後は貰った家に戻って寝る。


2日ほどは女の子に対する戦闘訓練を行う。

元準会員は公共事業で畑仕事なのでその間はこっちの面倒を見ると。

女の子たちは薬師の婆さんの魔法の訓練も受けている。

その隙に・・・

鋼ゴーレムにしていたのを10体アイテムボックスから取り出し北の領地に配備する。

そして10体ずつアイテムボックスに入れて鋼化を行う。

魔法陣は・・・試作品の評価が終わってからでいいか。


元準会員の訓練の日だ。私は出禁なのでダンジョンに行くか・・・

デジャブか・・・前も同じことを思った気がする。


家を出たら兵士がいて領主が呼んでいるといわれた。


「ああクルーソーさん。頼みたいことがあるんだが聞いてくれるかい?」


はいきたー。まあ聞くだけは聞くか。


「内容によりますが」

「ちょっと前にダンジョンにデーモンが出ただろ。あの後デーモンを使役して武器を憑代にするやつがここに出たことを連絡したんだ。殺してくれとな」


東に数か月行ったところにあるダンジョン都市だったな。ダンジョンの名前は煉獄だったっけ。


「すると返事来てな・・・私に加勢に来いと要請があった。どうやらこの力を持ったデーモンの存在自体は知っていたらしいな」


加勢・・・昔戦ったことがあって共同で討伐したと言っていたな。


「だが・・・さすがに領主であるわたしがここを離れるわけにはいかん。だが・・・やつはここに来た。放置するわけにはいかん」


ダンジョンマスターの首がいるとか言っていたからな。また来るかもしれんと。


「なので・・・クルーソーさん。わたしの名代で行ってくれないか?」


こいつはいつもわたしの想像の上をいく。

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