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4-21.捜査開始

ホテルのボーイに個室に通された。

少ししてからイケメンエルフが現れまた少ししてからマリアさんが薬師ギルドの婆さんを連れて現れた。


「申し訳ない。婆さん。緊急事態でな」

「最近いろいろ騒がしいねえ。退屈せずにすむのう」


イケメンエルフは焦がしてもいんですよ婆さん。


「クルーソーさんが私の屋敷でヤバいものを見つけてな。クルーソーさん婆さんに説明してくれないか?」


なんでも丸投げだのーこいつ。


「屋敷では話が出来ないのは分かりますが・・・ここは大丈夫ですか?高級であってもホテルですよね?」

「大丈夫だ。ここは特別な作りになっている」


よく分からん話だな。だったら何故領主の屋敷をその特殊な作りにしないんだ?

まあ・・・内緒の話は料亭ですると絶対漏れないという国もあったな。


「アルゴラン様の屋敷のシャワー室でシャワーを使ったところ壁に魔法陣の反応が発生しました。実際にはこれです」


アイテムボックスから魔法の鞄から出すていで壁から掘り出したシャワーと魔法陣を出す。


「動かしてみます」


ここで魔石を置いて動かすとお湯が出てくるので・・・

壁に埋め込まれた魔法陣に繋がっている銅板に魔力を込める。


魔法陣が発動するが・・・私が最初に感じたのとは違う気がする。


「見せてみな・・・ここは繋がってないのかい。この裏はどうなっていたんだい?」

「裏は洋服タンスじゃった。この繋がっていないところを押し込む仕組みと、この真裏に長方形にくり抜いた跡があった」


婆さんの質問にジークさんが答えた。


「今の魔法陣で感じたのをシャワー室でも感じたということか?」


婆さんの質問だがこの魔方陣が分かるのか?

ああ・・・分かるから呼ばれたのか?


「いえ・・・少し違うような気がします」


私が答えると婆さんはギルドカードを懐から出した。

何するきだろう?


「ジーク。それを支えな。クルーソー。そこに立て。シャワーを浴びる距離でな」


そういって壁からくり抜いたシャワーをジークさんに持たせた婆さんはシャワーの向こう側に回った。

魔法陣が発動した。

おおお・・・・私がシャワー室で感じたのと同じだ。

どうやっているんだろう。


「あんたが感じたのはこんな感じかい?」

「はい。そうです」


その後はけっこうな時間皆無言だ。


「まあ・・・こんなもんか。シャワーを浴びる時間は人それぞれとは思うが・・・ああ・・・長期で情報をとるのが前提なのか」


なんか婆さんが言っている。

婆さんが見ているギルドカードをイケメンエルフが覗き込んだ。


「薬師ギルドもカード制なのかい?婆さん」

「薬師ギルドにそんな金はない。知ってるだろう。それは儂が若いころののハンターカードだ」


若いころはブイブイ言わしてましたと。

魔物を電撃で焦がしまくっていたに違いない。


「よく分かったな婆さん」


覗き込んだハンターカードを見てイケメンエルフがしみじみ言った。


「ギルドカードと言うのはすべて作りは同じじゃよ。どういう仕組かは知らんがな」


そう言ってカードを私に渡した。


魔法使い 盾士 戦士 斥候 薬師 職人 侍 聖騎士 忍者


おごごごご・・・顎が外れそうだ。どうしたもんかこれは。


「大丈夫じゃ。儂は見た通り口が堅い。くくく」


婆さんがそう言って笑った。わたしは笑えんがな。


「私も口は堅いぞ。くくく」


イケメンエルフも笑った。

この都市で一番ヤバイ2人に秘密を握られた気が・・・いや。

ハンターギルド会員は多機能なのだ。

そうなのだ。


「いったいどういうことじゃ?」


完全にジークさんは蚊帳の外だな。説明しとくか。


「この魔方陣は鑑定呪文もしくはソナー呪文の役目をするものと思われます。その情報をギルドカードで受けて表示しているのかと」

「なるほどな。・・・となるとなぜあの部屋にこれが仕込まれていたのかと言う話になるのう」


最初からそれが問題なんだよ。

イケメンエルフが私を見ている。

・・・こいついまの状況を理解しているのか?

突っ込みをいれておく。


「それに関しては・・・領主でないと分からないかと?」

「まあそうじゃな。というか屋敷の装備とすればすべて説明がつくのう」


婆さんわたしもそう思います。こいつは否定しましたがね。


「アルゴラン様がそのようなことをするはずがありません。そもそもこれが発見された経緯が不自然かと思われますが」


おおお・・・マリアさん。そう来ましたか。


「マリア!この魔方陣に関して我々は関与していない。だがこの件に関しては我々が加害者だ」

「申し訳ありません。そういうつもりで言ったわけではありません」


一応現状を認識してはいるのか。


「謝る必要はありませんよ。マリアさん。この件に関して私が関係ないことを証明することはできませんから」

「どういうことじゃ?関係しとるのか?」

「関係していません。ですがわたしがそう言ったところで意味はありません。関わったことを証明することは出来ても関わらなかった証明は出来ませんからね」

「クルーソーさんの発言に嘘はないと判断する。こちらがそう判断すのだから問題はない」


そうだったな。たぶん嘘を判定する能力があるはず。


「ええ・・・そちらがそう判断する分には構いません。ですがこちらがそちらの発言を判断はできませんが」

「それはそちらの問題だな。クルーソーさん。それならばそれなりの能力を身に着けてくれ。それと朝から機嫌が悪いのは知っているが・・・遠まわしな嫌味は不要だ。時間の無駄だ」


あばばば・・・マジか・・・嘘を見抜く能力が無い方がおかしいのか・・・

少しの沈黙の後ジークさんが切り出した。


「あの屋敷の基本設計と骨組までは関わったが・・・内装から後は知らんぞ。それに完成後検査はしたのだろう?」

「完成後検査はしたし定期的に調べてはいる。今回は常時の動いていなくて魔石を置いて魔道具を使った時に動くので調査から漏れたのだろう。それに魔導具を使ったからと言って作動するわけではないからな」

「ああ・・・それで私を呼んだのかい。なるほどねえ」


薬師の婆さんが納得しているがどういうことだ?


「そうだ。魔道具の使用に紛れて動作する。それも必ずでなく動くかどうかは仕込んだやつの自由だ。これを探す方法を教えてほしい」

「そうさねえ・・・同じ条件で考えるなら設置式の魔道具の回りで壁に魔力を送り込んで反応を見るか。誰でもと言う訳にはいかんが魔法を使えるやつならある程度出来るやつがいるじゃろ」

「それしかないか・・・それだと完全にすべて見つけだすことが出来ないな。クルーソーさん何か案はないかい?」

「複数人数で組み合わせを変えて調査するしかないでしょう。それならば確率的に検査漏れがほぼ0に近づきます。それと・・・この部屋なら大丈夫とのことですがその理論は?利用できるのでは?」

「ここは魔力的に遮断されているし防音だ。同じ仕組みは屋敷の一部にはあるが全体には出来ない。いろいろと弊害も出るからな」


魔力遮断・・・欲しいなそれ。後で調べないと。


「後は移動可能な魔道具も再度調べるか。購入時に検査はしているが念のため」


確かにそうだな・・・というか・・・鑑定でなく盗聴や透視を仕込んだほうがいいような。


「探し出すのはその方向で行うとして・・・どうやって仕込んだのかだな・・・内装を行った職人であれば誰でも機会はあったということか」


およ・・・そういえば・・・


「どうした?クルーソーさん?」

「先日魔道具を購入したのですが・・・その時にシャワーの購入しようとしたのですが設置まで込みだと言って部品のみでの購入を断られたんですよ」

「なるほど・・・たしかにシャワーを自力で設置しようとはしないからな普通は」

「その時には設置するのに特殊な工法があるのか、もしくはほかの業者に仕事を回す気が無いのかとも思いましが・・・」

「連中が副業でやっている可能性があるということか・・・」

「そっちが本業と言う可能性もあります。それか設置業者に何者かがもぐりこんでいるのかも。どちらにしても可能性にすぎません」

「ああ・・そうだな。犯人探しは別でやるしかない。内装業者と魔道具業者で絞り込もう。そのまえに同じ魔法陣がないか調査だ」

「それはそれでいいのですが・・・クルーソーさんの話を総合すると・・・クルソーさんがシャワーを浴びた後ギルドカードを外して魔道具の接点を切ったものが屋敷内に居ることになります」

「そうだ。それに関しては暗部にあぶりだしてもらうしかない。大ごとになるので表立っては探せないからな」

「暗部に探させるとなると・・・このシャワーはどうする?壁ごとくり抜いてしまってるぞ」


皆が私を見る。

マジで?私が悪いんですかね?


「兵士に命じてあの部屋と隣の部屋は封鎖しているが・・・どうしようか・・・まあもぐりこんでいるやつは現状を知っているのだろうがな」


むむむ・・・


「ではこうしましょう。本日の夕方に私は魔道具を受け取る予定だった。そうですね?」

「ああ。そうだが」

「シャワーを受け取れなかったので・・・くり抜いて持って行った。と言うことでいいのでは」

「いいのか?クルーソーさんに何も得はないぞ?」

「かまいません。というか・・・シャワーを壁からくり抜いたということに関しては事実ですから。ああ・・シャワーを受け取れなかったとういうのはやめにしましょう。魔法具を受け取りに来た。シャワーをくり抜いて持って行った。にしましょう」

「なぜだ?」

「この二つで話が紛れるでしょう。というかいろんな噂になるかも。で・・・真相を知っているのは真犯人だけだと」

「なるほどな・・・犯人は話を誤魔化すために自分に都合のいい噂を流すかもしれないということか」

「犯人の目的は不明ですが・・・噂が流れれば目的のために情報を誘導しようとするかもしれません」

「それでいくか・・・マリア。軍の魔法兵団の手配を。婆さんすまんが相談に乗ってくれ」

「しかたがないねえ・・・この件に関しては私が指揮をとるさ」

「いいのか?」

「この都市あっての薬師ギルドだからねえ。貸しにしとくよ」


その後領主の屋敷によって各種魔道具を受け取った。

とりあえず今日はこれらを錬金術で複製作成だな。

後は・・・コンロと水作成の魔法陣を量産する方法を考えるか・・・

屋敷から出るとレオノーラさんが立っていた。

なんでだろーと


「どうしたんですか?」

「あんたを待っていたんだよ」

「今日は作業があるんで北の家に帰ろうと思っているんですが?」

「この状況で北の家に帰ると・・・そうしたければそうしてもいいが・・・それをやったら私たちの仲はここまでだ。もううあの家には入れなくなるぜ?それでいいのか?」


なんだかもっとヤバイ事件が進行している模様です。

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