4-17.考えると口に出る病
竜人族のシャーリヒト族長とライラ令嬢がやってきた。
「竜人族以外で海老と牡蠣を好んで食べる人を初めて見たぞい」
なぬ・・・そうなのか。なんでだろー。
「海老は虫みたいだと言って嫌われる。貝は食べる習慣がないためか見た目で嫌われる」
むむー。そうなのか。美味ければ正義。
「そう言えば先ほどゴーレムについて語っていたようじゃが?」
「ゴーレムに興味があるんですかね。工事のお金や工期の納期や作業に関わる職人の事故防止にはいいのかもしれません。知識の蓄積や地域経済を考えると完全にマイナスになります」
「知識?経済?」
「ゴーレムで行った工事で得たノウハウは・・・ゴーレムに蓄積されません。わたしにゴーレムを指揮するノウハウははいりますね。私の魔力のみで工事できると考えれば金銭的にはいいのでしょう。ただし・・・ゴーレムは食事も休憩も必要としません。食堂がにぎわうこともありません。宿屋も飲み屋街にもお金は落ちません。そういう意味では職人を使って工事するのがいいのでしょうね。お金は世の中回ってこそのお金です」
「なるほどのう・・・そういう面もあるか」
ぐびぐびぐび
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
アンジェさんも現れた。
私と違いドレスが白い。
「似合ってますよ。このドレスはアンジェさんのために生まれてきたのでしょう。いや・・・世のすべてのドレスがこのドレスを嫉妬してますよ」
「ありがとうございます。クルーソーさんも似合ってますよ」
アンジェさんは顔が赤い。飲み過ぎか?
「それにしても・・・ゲテモノコーナーにいるんですね。あちらに普通のコーナーもありますよ」
相変わらず考えが硬いな。
「どうせ食べたこともないんだろう。食べたこともないのにゲテモノ?は?頭の固さに全世界が失笑だな」
まあそんなことを本人に言う訳に度胸はない。ゲテモノ食えという訳にもいくまい。
だが・・・その前に海老と牡蠣食っとくか。
その後移動だな。
ぐびぐびぐび
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
・・・あれ・・・アンジェさんがいない。あれ・・・
「別に我々に気を使うことはないんじゃぞ。ゲテモノと言われるのには慣れとる」
「いえ・・・大変美味しいですよ。どうにかしてこの都市で流行らして常時食べたいくらいです」
ゲテモノと判定されてるということは流通もしていないのだろうからな。
海老は川でも採れるかもしれないが・・・牡蠣は海か・・・川の流れ付く先は海のはずだよな?
採りに行くか。
流通は諦めて自力でというてもあるな。
海老は養殖という手もあるな。
牡蠣も海への距離が近いのなら養殖できるんだが・・・一度川を下ってみるか。
は!ウニ!ウニもあった!
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
ぐびぐびぐび
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
「おおお・・・われら以外でそれを食べたやつを見たことはないぞ・・・」
「昔・・・親に造船所に連れていってもらってそこで採れたてを食べたことがあるんですよ。それで好きになったんですが・・・店で出てくるのは鮮度が悪かったりで良いのに当らないんですよね。これはいい感じですね」
「そうなのか。喜んで貰えてなによりじゃ。鮮度は魔法の鞄を使ってるからのう」
魔法の鞄は時間の経過が遅いもしくは止まるのが確定だな。
「その時に壺で採ったタコも食べて美味しかったです。イカもおいしいです」
「タコ、イカか・・・珍味だがな・・・たまにしか取れないんじゃ。壺と言うのは?」
「壺に縄を付けて沈めとくとタコがその壺を巣と思って休むんです。縄を引き上げると壺に入っているので捕まると。イカは夜に漁に出て灯りを点けると集まってくるのです。そこを狙えばいいんです」
「なるほどのう。それは知らなんだ。今は珍味だがそれなら常時流通させることが出来るかもしれんな」
ぐびぐびぐび
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
もきゅもきゅもきゅ
「イカタコはどうでもいいのじゃ。あのゴーレムはどうやって作っておるのじゃ。あれは普通ではないぞ」
ライラ令嬢が割り込んできた。むむむ・・・普通ではないのか。
「普通でないと言われましても・・・普通に魔法で疑似ゴーレムを作っただけですがね。まあ他のゴーレムを見たことないので何とも言えないですけどね」
「見たことあるのは・・・魔石を動力にしておってパスワードでで命令を受け付ける戦闘用ゴーレムとゴーレム馬車じゃな。疑似ゴーレムは魔石はいらんのか?命令権の譲渡は出来んのか?」
「魔石を使うのはやり方を知りません。4本足、4本腕のゴーレムを使っている人がいるらしいので聞いてみたいですね。命令権の譲渡はやったことがないしやり方もわかりませんね。出来れば有用な気もしますね。調べてみますかね。ただ現場監督と言うか工事に詳しい人の指示に従うように命令すれば作業ははかどるでしょう」
その後はいろんな話を聞いた。
竜人族の都市はここから東に歩いて1か月くらいの場所に有りここと同じく川の近くにあり南は海だそうだ。
ここも川を少し下れば海らしい。
トロール族の都市は川を北上した場所にあるが直接繋がっている道はないそうだ。
仲が良くないというのもあるらしいが両都市間が地形が厳しいのと魔物が強すぎるとのこと。
大いに食べて大いに飲んで懇親会は終わった。
食材や料理法・・・後は発泡ワインについて聞きたかったが聞き損ねた。
誰もかれもがゴーレムゴーレムうるさいんだよ。
自分でも分からないちゅうの。
さて・・・領地の家に帰るかと思っていたらレオノーラさんが何故か迎えに来ていた。
「ごきげんだな」
何故かレオノーラさんは渋い顔をしている。
そういえば発泡ワインは材料はブドウだな。
種のある果物を買って回るか。
そして領地に種を植えよう。
植物の成長を早くする魔法があったはず。
試してみよう。
そんなことを考えながらレオノーラさんに連れられ家に帰った。
今日はいい日だった。




