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22-3.えげつないあきんど

・お偉いさんの密会


「いまから発表することはこの都市の治安に関わる。ので宛先を絞りたい」


いきなり発された言葉に会議は動いた。

どんどん会議参加者が消える。

いまならこっそり消えれば参加せずに済むのではないか?


「兵士を率いる君らは退席しなくていい」


名指しされてしまった。これでは逃げられない。


「まず王国であったことはクルーソーさんが窃盗で裁判をうけた」


なにやってるんだか?


「まあその裁判自体は相手の詐欺で終わったんだが・・・」


なにがなんだか?大事件じゃね?


「そこで私は宣言した。この国に与えてる祝福を破棄すると。思ったより肩が軽い。心も軽い」


心の状態を言われても・・・


「今気分の問題を言われても?と思っただろう?」


なんで分かった?


「私も最初はきずいてなかったんだが・・・祝福は本当に与える」


お・・・驚かないからね。


「今は・・・私が付与した武器が効力を失ってる頃だろう」

「それは・・・問題になりませんか?」

「私の個人的な祝福だが・・・文句を言うやつはいるだろう。そのためにフリをした。そしてフリを踏み切った。まあ無視して良い」

「だから魔力がうずまいているのですね」

「ん?見えるのか?」

「私にはそう見えます」

「クルーソーさんも見えていたみたいだが分かる人には分かるようだな。私にも見えるぞ。妖精だな」

「妖精ですか?」

「小さくて羽が生えてて飛んでいる。いわゆる妖精だな。何を言ってるかはニュアンスでしか分からん」


それは・・・ヤバいやつでは?


「でだ・・・ここまでは事実だ。まあ秘密にすることもない」

「?」

「思ったより戻ってきた魔力がおおい。膨大と言ってもいい。となると影響がそれだけに済まないかもしれない」

「というと・・・」

「経済的、法律的、人材的・・・どこに影響したのか分からないということだ」

「大問題では?」

「うむ。だがこっちが言わなければ気が付かない。短期間であれば」

「長期的には?」

「これからが本題だ。たぶん王国は戦争状態になる」

「戦争状態?」

「まあ・・・内戦と言うのかな?」


げろげろ!聞きたくなかった。


「もう抑えが利かないだろう。早ければこの夏までに発生する。なので私が焦ってたいうのがある」

「?」

「祝福を与えたのをやめたかったということだ」

「と言うことは・・・クルーソー様もこのことをご存じで?」

「いいや。知らない。今回の件にクルーソーさんがのったのは・・・・私が嵌めたのもある」


げろげろ!敵をだますには味方からとはいうが・・・


「で次に開拓村をオークが襲った」


もう次の話題にいっている。


「実際はうちの兵とクルーソーさんのゴーレムが共同でことにあたって解決した」


まあそうだろうな。だが・・・


「その後サイクロプスが出てクルーソーさんが対応した。そこでだ・・・表向きうちはこの件にはかかっていない。このため今晩帰ってきた」

「ええと・・・その事件が起きたのは?」

「今日の昼だ。だから今日帰ってた来たのだからうちは関わっていないということになる」

「開拓村の住民は?誤魔化せませんが?」

「開拓村の住民はほとんどクルーソーさんとこの都市を目指している」

「?」

「それの方が問題では?」

「そう思ったのだがな上手いこと解決方法を出した。全員にハンターカードを支給するようだ」

「それは・・・」

「ハンターカードを持っていれば犯罪歴は分かるし戦闘力は保証される。そういう仕組みだ」

「全員でしょうか?」

「たぶんカードうんぬん言ったところで脱落者がでた。連中はたぶんガードを持てない連中だろう。法的に証言は無視できる。それでない連中には監視をつけた」

「しかし・・・ただの村人もいるのでしょう?」

「そうだ。戦闘能力は全く分からん。だが今回から戦闘能力を見ます。とは言えんだろ?それにうちにそのような能力もない」

「盲点を突いた訳だ。今度見直す必要があるが今回はそのままだ」

「入国に手を抜けと?」

「いや逆だ。犯罪歴は重点的に調べろ。そしてデータを取れ」

「開拓民のデータを取る訳ですね」

「そうだ。そしてクルーソーさんのガードのデータも取る」

「クルーソーさんのですか?」

「そしてハンターガードの仕組みも暴き出せ」

「・・・」

「ハンターカードは冒険者ギルドのカードと同じのはずだ。いい機会だ。そっちから見せてくれるんだからな」


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