21-5.大事なことはきづかない
「クルーソーさん・・・さっきから何やってるんだい?」
ぎく!俺様ピンチ!
・・・は!
良く考えれば水筒を作ってるだけだ。
移動の時短を狙ってるとばれなければ問題はない。はず。
「水筒です」
「ほう・・・いろんな大きさのものがあるようだが?」
むう・・・大きいのが1つあればいいと思ってるんだな。
確かにそうなんだ。
どう言い訳を・・・思いついたぞ。
「喉が渇いた時は一気に水を飲むのではなく少量ずつ飲むのがいい。ので小さい方がいいんです」
「大きい水筒でもできるんじゃないか?」
は・・・桶が吹けば風が・・・逆か。
結論だけ言って過程が抜けていた。風が吹いて直で桶屋が儲かる訳ではない。
違うか。
「大きな水筒で少し水が減るとちゃぽちゃぽ音が出るんです。みんなで1つづつ水筒を空にしていくと方法もありますが一人づつ監理した方がいいでしょう」
「ほう・・・なるほどな。ちょうどの大きさなんでポーションを入れるのがと思ったぞ」
ほう・・・
「確かにちょっとデカいポーションみたいな感じですね。直で入れれば・・・いや。内側をガラスコーティングすればいけますね」
「ん?ガラスコーティング?いるか?」
「わざわざガラスの容器に木の栓を使ってるんだから意味があるんでは。多分化学反応が無いんでしょう」
「化学反応?」
「すぐ使う場合はいいんでしょうけど時間が経つにつれて化学反応が起こる。それを防ぐためにガラスを使ってるんではないかと。ガラスは解けないし化学反応しないし」
「なるほどな・・・」
丸め込めた!勝利だ!
「で・・・それをどうするつもりだ?」
「は?」
「ゴーレムに水筒は要らないだろ?」
「そりゃそうです。ダミーで持たせる手もありますけどね。兵士の皆・・・・」
うっひゃ!しまった!
「前も言ったと思うが・・・こちから頼んだか?」
「うぐぐぐ・・・」
「つまりなんだ・・・使用実績が無いこれらの水筒についてこちらで実地テストをしろと?」
「むぐぐぐ・・・」
ぐうの音も出ない。
「いいだろう」
・・・は?
「水筒のテストをやってやろうと言ってるんだ」
・・・は?
「その代わり分かってるんだろうな?」
おおおお・・・これは・・・
「貸しだぞ」
「きたー」
「?」
「いやー心配してたんですよ。朝に貸しだぞと言わなかったからですね。誰かが領主の皮かぶってるのか・・・」
あが!
やべえ・・・殺気を振りまいてますやん?
般若のような顔・・・般若は女か・・・これはデジャブだな。
は・・・本当にやべ。こここ殺される。
「クルーソーさん」
「はひ」
「聞こえなかったようだからもう一度言うぞ」
「はい」
「この装備ダンジョンアタックに役立ちそうだからうちで試してやる」
「ダンジョン?」
「そういう装備だろ?」
「はあ」
「ポーションも付くようだしな」
げろげろ。なんか仕様が増えてる。
「ここからが重要だ」
なにが?
「貸しだぞ」
あれ?お尻のあたりがもぞもぞする?
「返事は?」
「ありがとうございます」
それを聴くと領主はさって行った。
乗りきった。
さて・・・何するか?
じゃねえや。
水筒を人数分作ろう。ベルトもだな。
これは自分で作るしかないが工夫出来ないか?
自分自身をパーツとして作る物をセットすれば疑似錬金術状態になるのでは?
・・・出来た。
勝った。
この間に思考だけを切り離そう。
なにを考えるか?
クロスボウゴーレムに銃器が行き渡らない件。
とはいえ何でもかんでも解凍すればいい訳ではない。
弾薬の種類を増やす訳にはいかん。
とはいえ弾薬の種類は増やしていい場合もある。
弾薬が多量に有る場合。その場合はいいがそれは見込みが薄い。
ベースになる模型で弾薬が多量に有る場合としてもマガジンがいくつかつくだけ。
ベルト給弾でも1つ付くだけ。今のとこ一番弾薬多いのは戦車に収納されている予備弾薬。
戦車についてる機関銃の予備弾薬だから当然機関銃の弾になる。
まあ世の中には機関銃の弾を使うアサルトライフルもあるが。
つうことは・・・今ある弾薬を使う銃を探すか?
弾数に対して銃が増えるだけだから意味ないか・・・
うーん・・・
ちょっと方向を変えるか。
歩兵の武器と言えば銃と手榴弾。
手榴弾はもう解凍済み。
とあるともう迫撃砲ぐらいか。
うーん・・・
は!グレネードや。
40mmのクレネード。携帯用のやつがあるはず。
探して見るか。
M79グレネード、M320グレネード、HK69、HK79、AG36。
思ったより一杯ある。
M79グレネードはもうちょっと合った気が?
まあいい。
これを解凍しよう。まとめて解凍すればいい。
ぐーと・・・
ぐーと・・・
あれ?なんか違ったものが解凍されてる?
あれれ?しまった。
単独でなく銃に取り付けるタイプを選んじまっている。
まあいい。このまま解凍しつくしちゃる。
ぐーとぐーと。
あれ?
なんか最新の銃が出てきたような?
試作品で終わった銃も出ている。
・・・
もしかしてさっきのやつの袋を解凍してるのか?
うむむむ・・・
悩んでる暇はない。
このまま解凍し尽くしちゃる。
ほよほよーほよほよー
ほよほよーほよほよー
ほよほよーほよほよー
ほよほよーほよほよー
やった。やりきったった。
解凍し尽くしたった。
ぐぐぐ・・・どう考えてもさっきよりもキツイ。
魔力は・・・0!
体力も0!
ああ・・・そう言うスキルを持ってたんやった。
むう・・・僕疲れたお。
もう・・・眠いんだ。
ぐう・・・
・それ以外の人たち
男は困ってた。
野営陣地に忍び込まねばならない。
がその隙は無い。
話しが違う と男は思った。
普通に見張りが立つと聞いていた。
50匹の馬。16機匹のケンタウロス。
こいつらの検索で入る隙間が無い。
少し遅れるがこの検索をぬっていこう。
なにかエルフ女とエルフ男が何か話し合ってる。
耳を澄まして聞いてみる。
なるほどな。
検索のパターンを観察する。
首を振っているが・・・これはダミーか。
後ろに検索が及んでないと移動するとその後ろで見ているやつに見つかる。
だいたい見た。これなら・・・こうだな。
じりじりと進む。
急に検索のパターンが変わった?
下がるか?
うう!
ケンタウロス16匹に囲まれた。
どうする?
ここは抜けて仕切り直すか?
刀に力を入れた瞬間戦闘態勢に入ったのが見えた。
男はばかばかしくなった。
力を抜くとケンタウロスは戦闘態勢を解いた。
立ち上がると・・・ケンタウロスは包囲を解いて元の検索パターンに戻った。
はいはい普通にいけばいいんでしょ。
そのまま進むと兵士に捕まった。
「だれだ!」
「おれだ」
「・・・隊長!」
「報告に来た」
「ご案内します」
「いやいい。場所は分かってる。1人で行く」
そういってアルゴラン様の元に急ぐ。
いいといったが兵士は付いてくる。そうでなくっちゃな。ついてこなけばぶっ飛ばすところだ。
「遅くなりました」
「そうだな」
・・・
「どう見る?」
「50+16で連動して検索。なかなかかと」
「まあ追い込まれてたからな」
「見ていたので?」
「ゴーレムの動きが教えてくれくれるからな」
「・・・」
「だが素直な動きだ。そちらが複数なら突破できるだろ」
「ああなるほど」
「あれはワザと見逃してもっと追い込むべきだな」
「それをやられるとこちらの立場がありません」
「そうだな・・・うちの兵士はダメダメだったからな」
・・・
「とはいえ最初から条件が違う。相手はこちらを魔力を探知してるようだからな」
「・・・」
「報告を聴こう」
「は!報告します。街の噂レベルではこちらの動きは察知されていません。諜報部も反応は有りません。が首都には動きがあります」
「・・・・まあ予想道理だな」
「でどう思った?」
「どうとは?」
「クルーソーさんとの話を聞いてただろ?」
「・・・何らかのスキルですか?」
「そうだといいたいが違う」
「はい」
「盟約という」
「盟約・・・約束ですか?」
「まあ普通に考えるとそうだな」
「・・・」
「だがこちらは天と地。それと水と地に誓っている。相手がそれに同意すればその盟約は締結される」
「それはまた・・・」
「強力な縛りになる。が欠点もある」
「・・・」
「自分もその約束の縛りを受ける。一言一句」
「なるほど。だから 借り なのですね」
「そうだ。まあ自分の狭小さが嫌になるがそれ以外に欠点は無い」
「代償は?」
「よく気付いたな。これの欠点は代償はすべて私が負う。それもこちらからは解除できない」
「・・・」
「だからそうは使えん。大昔の盟約で合っても効果は持続するからな」




