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2-21.心肺停止

さて・・・どうにか妨害しないといけない。

だが・・・聖剣と賢者と忍者と金剛。

不意打ちでもやれそうにない。

聖剣は・・・こちらが万全でも切り殺される。

賢者は不意打ちすればやれるか。

忍者は・・・存在を感じないんだよな・・・逆に消されそうだ。

金剛は・・・相手が寝ていてもやれそうにない。

オリハルコンの大剣でも素肌に刺さらない気がする。


「今から9層に潜る。君たちはどうする?きついなら帰ってもらってもいい」

「行きます」


行くことにした。どうにか妨害しないと。

アンジェさんとレオノーラさんが恨めしそうな顔で見てくる。

はお!・・・ここで帰れば「無関係です」でいけたのでは。しくじった。


9層はラミアとカエル人間が徘徊していたがあった瞬間切り刻まれる。

解体だけの簡単なお仕事です。

何故にラミアとカエル人間・・・蛇と蛙か。

ボス部屋を抜けて10層へ。

イフリートもガルムも瞬殺です。この組み合わせはなんだろう。


10層の階層主エリアに到達したが地図では階層主は復活していない。

地図情報では下層への抜け道は作成されていない。

角から忍者が覗いてから抜け道を探しにいった。

その間休憩をとる。

わたしは元気だがみんな疲労がかなり溜まっている。

忍者がすぐに帰ってきた。階層主エリアから進むことになった。


聖剣とドワーフが先行する。

この後に賢者と忍者が続き私たち3人はその後ろに着く。

そのまま11層に下りていき円柱の柱が両脇に並んでいる大きな回廊に到達した。

地図情報だとここから下層に下りる階段が何箇所かあるようだ。

どうやらダンジョンコアはまだ下なのでダンジョン管理人も出てこないだろう。助かったかな。


隊列が止まった。見ているとその先の左に人が立っていた。

は?いつ現れた?さっきまで地図に反応はなかったぞ。地図は?は?赤点?


「こんにちは。いやもうこんばんはですかね」


片手剣を持った爺さんが挨拶してきた。

鎧ではなく執事が着てそうな正装だ。鑑定というか分析が効かない。

見た目は全く人間だな。


「探し物がみつからないうえ迷子になって困っていたんですよ」


そう言って近づいてきた。まずい。

と言ってこいつ魔物ですよというわけにもいかないし。


「それ以上近づくな!」


イケメンエルフが警告し謎の爺さんは止まった。

さすが聖剣わたしのような初心者が心配しなくても分かってらっしゃると。


「怪しいものではありませんよ。冒険者ギルドの冒険者です」


そういってギルドカードを床の上に置き滑らしててこちらによこした。

マリアさんの前で止まりマリアさんが拾おうとした。


「ちょ」


私が叫びながら走ったがそれより早く聖剣が止めに入った。

その瞬間カードから魔法が発動した。


<パラライズクラウド>


私は止まりきらずガスに触れてしまう。

聖剣とマリアさんはガスから飛び出したがどうだろうか。


「おおーうまいことよけますなー」

「なにをするきさま!」


ドワーフが武器を構え前にでる。


「交渉なんてめんどくさいですからな。強制的に協力してもらおうかと思ったんですがね」


爺は笑いながら言った。


「では交渉にしますか。目的は同じだと思いますよ。共闘と行きましょう」

「目的だと?」

「あなたがたはダンジョンマスターを殺しに来たんでしょう?わたしは奴の首がいるんです」

「させるか!」


聖剣が叫ぶと爺さんは縦に真っ二つになり吹き飛んだ・・・瞬歩からの居合い抜きか。

ほぼ見えなかった。イケメンはやはりやる男だった。

まあ魔物だからいいんだが外見人間だしな・・・

ああ・・・領主に攻撃したんでそこいらへんはどうでもいいのか。

マリアさんが座り込んだ。パラライズが効いているのか。


「大丈夫かマリア。麻痺解除の魔法を唱えられるのはマリアだけか?ポーションを出してくれ。私にもいる」


麻痺が効いててあれですか・・・


「わたしが唱えられます」


レオノーラさんが駆け寄って詠唱に入った。

わたしも自分にキュアパラライズを掛けておく。


「いやー・・・いきなり乱暴ですねー」


は?・・・振り返ると真っ二つの爺が宙に浮いていた。


「まあ・・・下等動物と共闘なんてわたしが間違ってましたな。先に処分しましょう」


<ディメンションアロー>


爺の周りに30本以上の矢が出現した。

やばい!


< シールド>< シールド>< シールド>< シールド>< シールド>< シールド>< シールド>


私がシールドをはるのと同時に矢が放たれた。

ドワーフは盾で受け止めたが矢は盾を貫通している。

アンジェさんも同じ状態だ。忍者は矢を打ち払ったが数発食らった。

聖剣はマリアさんとレオノーラさんを庇い矢を打ち払った。

マリアさんとレオノーラさんは無事だが聖剣は数発くらっている。

わたしには全弾当った。シールドが一瞬で破壊され吹き飛ばされた。


「手を抜きすぎましたか」


<ディメンションストーム>


めっさやばい!


< シールド>< シールド>< シールド>< シールド>< シールド>< シールド>< シールド>


すさまじい嵐が連続でたたきつけられた。

忍者は攻撃をくらいながらも範囲外に回避した。

ドワーフとアンジェさんは聖剣とマリアさんを庇っている。

聖剣はマリアさんを庇っている。

レオノーラさんとわたしは直撃を受けて転がっていた。

嵐が過ぎると全員満身創痍だ。

転がりまくってはいるがわたしが一番軽傷なのではないのだろうか。

シールドの分だけ軽減されるし。


「ここの冒険者は頑丈ですね」


そういう爺の形が変化している・・・蝙蝠の羽に6本の腕に角。

最近見たなーこれ。デーモンスケルトンのスケルトン前か・・・


「ジーク。ルーベルト。皆を連れて下がれ」


ドワーフがマリアさんを忍者がアンジェさんを抱えて撤退し始めた。

わたしはレオノーラさんを抱えて撤退する。

後ろを見たら聖剣がすさまじい速度でデーモンを切り刻んでいた。

階段まで撤退した。

この場合後方に転進になるのか。

こうしてみるとみな満身創痍を超えている。

金剛のシークさん?アンジェさんの鎧は穴だらけだ。

忍者のルーベルトさん?とレオノーラさんとマリアさんは全身切り傷だらけだ。

白魔法を連発するわけにはいかないので初級の上の回復ポーションを30個ほど出す。

これで足りるだろう。

鷹の目では聖剣がデーモンを押しているようには見える。

がデーモンの傷はすぐに塞がっている。

さて・・・どうするべきか。聖剣が勝つことに期待するか。

それとも介入するか。それともこのまま地上に逃げるか。


「レオノーラさん。麻痺の解除をお願いします。回復して戦いに復帰しなくては」


マリアさんに頼まれてレオノーラさんが詠唱を開始した。


「復帰はダメだ。マリア。今の我々では足を引っ張るだけで役に立たん。本装備で来るべきだったな」


ドワーフがしみじみと言った。まあ開始魔法2発で満身創痍だしな。


「復帰できるのはあんただけだな。あんだけくらって怪我してないよな」


ドワーフがこちらを見て言った。ちくしょう・・・よく見てるな。行けってことだな。行けばいいんでしょ。


< 気配遮断>

< 忍び足>

< 魔力遮断>

<加速>


走って距離を少し稼いでから


<隠蔽>

<プロテクションアップ><アタックアップ><ヒットアップ><スピードアップ><マジックアップ><マジックプロテクションアップ>


マジックプロテクションアップも使えるんだな。


< シールド>< シールド>< シールド>< シールド>< シールド>< シールド>< シールド>


右手にオリハルコンの両手剣、左手に刀を装備する。

とりあえず腕か足を落とせばそれで形勢がこちらに傾くのでは。

聖剣に30本以上のディメンションアローが放たれた。

今度は半分しかうち落とせず後は命中した。

その状態でディメンションストームをまともに食らって吹き飛んだ。

超やばいですな。


<縮地>

<アイスバースト><アイスバースト><ディメンションソード><ディメンションソード>

<吶喊><吶喊>


飛び込んで魔法をぶち込みがアイスバーストの一発目はカウンターで帰ってきた。

吶喊で武器を突き刺すと根元まで突き刺さった。


<天空切り><大地斬>


ディメンションソード2発分も合わせてデーモンに大きな溝が4つ刻まれた。


<パワースマッシ><パワースマッシュ>


これで三等分したのでさすがに死ぬだろう。

パワースマッシュも出来るんだわたし。後で検証しないと。

倒れたデーモンから剣が垂直に浮いて出てきた。

その剣から執事風の爺が生えてきた。なんじゃらこれ。


「最近の若いのは根性がないのー・・・まあこのいまいましいエルフをやれたからいいとするか」


イケメンエルフを見ながらなんか言っている。最近の若いの?


「ついでにお前も死んどけ」


<ディメンションソード>


シールドをすべて突き破り私の胸にディメンションソードが突き刺さった。

そこは心の臓ってやつですね。そのまま後ろに倒れた。

爺は消え剣もそのまま消えた。

体は全く動かないが血が噴き出すことはない。

ああ・・・心臓が止まっていると。こんなこともあろうかと。

課金アイテムの回復ポーションをマジックハンドで取り出し胸にかける。

傷は治ったが体は動かない。ああ・・・心臓が動かないと。

マジックハンドで胸を全力で押す。そして離す。また押す。

5回ほどで息が出来るようになった。

経験値が入っていないのでデーモンはまだ死体になっていない。

<デーモン Lv1>

さっきは鑑定が通らなかったんだが。

ああ・・・爺とこいつは別物なのか。こいつが「最近の若いの」なのか。

首をはねるか・・・ふと思った。

使い魔に出来なくね?一人でフルボッコにしないと駄目だったかな。


<使い魔>

(名前を付けてください)


出来るもんだな。・・・じゃなくて名前はあとでいい。

デーモンはアイテムボックスに収納した。

イケメンエルフって本当に死んでるのか?

こっちもまだ死んではいない。

どうするかな?・・・ほっておくと死にそうだが・・・

ダンジョン管理人を殺す気なのでこのまま死んでもらうか。

ただそうなるとこの迷宮都市が大混乱しそうだな。

そうなると魔法集めに支障が出る。

一応試しておくか。

課金アイテムの回復ポーションを全身に掛けてその後口に流し込む。

とりあえず怪我はふさがったが意識は戻らない。

信じられないくらいの軽装だ。

そういう職業なのか聖剣。魔法剣士でもこれより重装だが。

地図に反応がある。

戦闘が終わったのを感知したのかみんなが走ってきた。

イケメンエルフが倒れているのをみてかなり動揺している。


「早く地上に戻らなくては!帰還石を使いましょう」

「それはダメだ」


私が止めるとマリアさんとアンジェさんがこちらをにらんだ。


「そうじゃな。このままで帰還石は使えん」


ドワーフの金剛も止めた。理由は私と同じとは思うが。


「このままで戻ればこの都市は大混乱だ。それがわからんお前たちではあるまい」


マリアさんは黙り込んだ。・・・さてどうしようか。

たしか気付薬ってあったよな。検索して錬金術で解凍する。


「気付薬です。試してみましょう」


そう言って薬を口に流し込むとドワーフの金剛に止められた。


「気付薬は飲ますんじゃなくて嗅がすんじゃ!」


もしかしてアンモニアなのかこれ。


「うげろばへ」


奇声を上げてイケメンエルフがもだえ苦しみだした。


「よかったですね意識が戻って」


皆の視線が痛い・・・

領主が動けるようになった後帰還石で地上に移動した。

7人でも1個で移動できる。もう日が暮れていた。

今日は宿に帰ってこのまま寝よう。さすがにしんどい。


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