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18-31.そりゃそうだ

「どうした?この期に及んでまさか考えてないとは言わんよな?」


イケメンエルフよ?

残念!

婆さん・・・あいつ何も考えてないってよ。


なんで俺を見るんだよ?

ジークお前はどうだ・・・

く・・・純粋な目で俺を見るんじゃない。


ヤバイ・・・なんか婆さんから殺気が漏れ出してる。


「んーまあそのー揚水したのなら噴水方式ですかね」

「は?」

「汚染防止も兼ねていったん噴き出させる。そして下にプールのようなものを作る。ここに貯まった水を使用する。でもってある程度以上貯まったら排水する。的な」

「おいおい。前言った話と違うだろ」

「ほ?」

「井戸を作る。その下流に井戸。を繰り返すと言っておっただろうが」


むうう・・・・

う?

そんなこと言ったっけ?

・・・

あ!

やべ。

タゲがこっちに移ってるやん。しくじった。


「数が莫大に必要なら井戸でいいですね」

「うん?こっちで揚水してるんだ。相手側も高くできるよな?なんで井戸?」

「理論的にはそうですね」

「理論?」

「何百いや何千でもトンネルと言うか給水管立てても同じ高さになるはず。でもどこかで使うと全部の水面が上がりますよね?」

「そりゃそうだが。でもここで常時給水されるよな」

「そうですけど。供給能力は設備数で固定なんで・・・結局どんだけ使うのか分からないんでなんとも。給水は常時で使うのは特定の時間ってことを考えれば・・・一日に溜められる量と一日に使う量をすり合わせるとして・・・朝はここが満水で夕方には水なくなる運用ってことになりますかね」

「うむ・・・思ったより面倒なことになっておるの」

「そりゃそうですね。逆流防止とか考えなければ普通にトンネル作って井戸でいいんですけどね」

「んんん・・・ではそうしたほうがいいか」

「ダメですね」「だめだ」


かぶった。


「そんなに毒が怖いか」

「そうだ」

「毒なら順番の先頭のやつがヤラレルだけですけど・・・どちらかというと食中毒が怖いですね」

「え?あれって腹下すだけだよな」

「重傷化して内臓がいかれるやつあります。そいつらが怖いのは感染者が吐いたり下痢したりすると周りに広まって行くんで。それに井戸が原因と分かるまで時間が掛かるのも問題ですね」

「ということは飲む水として提供するということか」

「ええっと・・・」

しまった、墓穴掘ったでござる。

「いいや。あくまで生活用水として提供する。だが禁止したところで飲むやつはいるだろう。それにこの見た目だ。普通に飲むやつは出る」

「まあ・・・そういうとこだろうな」

いいのかよ!

「では・・・一応洗浄システム入れますかね」

「?」

「大中小のふるいをいれて・・・石入れて砂入れて木炭入れればだいぶ綺麗になりますね」

「前もそのようなことを言っておったな」

「まあ山から出てくる湧水と同じような原理にはなります」


・・・


「供給量と言うのはこの施設を増やすか設備を補強すればいいのだろう?」

「ある程度までであれば」

「ん?」

「地下にトンネル引いてるんでその輸送量は超えられんす」

「ああ・・・それはそうだな」

「トンネル自体は増やすことは出来ますが・・・結局どの程度使うか分からんとですね」

「それもあるか」

「おいおい・・・またそう言って先延ばしする気か」


・・・

無言かよ。

また婆さんの殺気が上がって行くやん。


「とりあえず一個作ってみればいいのでは。試作と言うか試験も出来ますよね」

「そうだな。場所はどこだ?」


それも俺が決めるん?


「追加エリアの北西でいいのでは。領主の舘の西側。そこやと距離も近いし」

「それでは意味が無い。迷宮の近くそれも北側がいいじゃろ」

「へ?」

「元々魔道具を使わない用途の水は西門から出て川に汲みに行ってるはずだ」

「汲みにいく距離が短くなるということですね」


まあある意味あってはいるか。


「うんじゃあ・・・場所を指定してもらえればそこまでトンネル引きますので」

「トンネルだけか?」

「噴水型でいいのなら噴水作ります。まあはっきり言って何でもいいのでは」

「はあ?」

「使い勝手が悪ければその都度修正。でいいでしょう」

「噴水にこだわるのう。なんか理由が?」

「井戸を追加したとしても噴水は残しても問題ないでしょう。残しても見た目が悪いこともないし」

「そういったものか・・・」


・・・

よし!

なんとか乗り切った。

皆そのまま去って行った。


おや?イケメンエルフが残ってるぞ?


「なんか?」


あが!

いきなり顎掴まれた。油断した。


「前にも言ったと思うが・・・」

「ほが?」

「門を駆け抜けるんじゃない。言ったよな?」

「いは!きんきゅうじたいやし」

「緊急事態でもだ。つうか門を駆け抜ける方が重大な問題だ」

「そうとはいうけどな」


あがが・・・顎が割れる。


「分かったか?」

「わかっだ」

「言うことがあるだろう?」

「ずいませんでした」

「もう二度としません。だ」

「もうにどどちません」


激痛だ。殺されるとこやった。


く・・・だがいい。

問題は先送りされたんで・・・・

・・・は?

そもそも海水の井戸の話だった。

完全にどっか行った。

むむむ・・・・まあいいか。

だがだとするとあの殺気はなんだったんだ?

解せぬ。


さて。

日は傾いてはいるが夕飯にはまだ早い。

何をするか?

というか何をしてたっけ?


・・・は!

そう言えば船を組み上げてる途中だった。

完全に忘れてたぜ。

といって今から行くとすぐに帰ってこないといけない。

だとすれば何を・・・

領地の内堀で水流の魔道具の実験をしてたな。

それの続きを行おう。

ダッシュで領地に移動。


どこまで試験したっけ?

作ったカヌーもどきは幅が2mで長さが20m。

中心に水流の魔道具。後はオールが有ってゴーレムが操縦する。

だがゴーレムが少し小さくてかなり細いような・・・

そう言う風に作ったんやった。

船乗り用なんでデカいより小さい方がいいだろう理論。

たしか比重も1になるように作ったが・・・

考えるに間違ったな。

比重が1だとぎりぎり海に浮く。

浮いてれば回収が簡単で泳ぎで移動も出来る。だが空からも水上からも水中からも攻撃される。

人間なら沈めば溺れるがゴーレムなら問題ない。沈んだ場合水中以外の攻撃は受けない。海底まで落ちれば歩いて移動できる。という思考でこうしたが良く考えるに

比重は装備で調整できる。

人は浮く胴着を付ける。浮く胴着は作るのが大変だ。重石の方が簡単に対応できる。

船乗りゴーレムは比重を軽くして装備に石か何かを入れておけばいい。

石なら要らない時は捨てればいい。となると船乗りゴーレムは石を入れておく装備がいいる。

革の胴着か服を装備。その内側に石で作ったプレートを入れる。これは防弾板ならぬ装甲板。

そっちの方がいいだろう。


それは後でいい。


船体の下に囲いを付けた。

そうしたら水中での騒音が減少した。

だが特定の距離での騒音が上がった気がする。

次に囲っている防音板を斜めに切って板を張り付けた。

こいつは片方だけでこいつが前の場合と後ろの場合をテスト。

斜めの板を付けたほうが前だと速度が落ちた。

逆だと速度は変わらない。

つまり吐き出す方を板で絞っても速度は落ちない。

水を吸い込む方を絞ると速度が落ちる。

と言う所までやった。

結局は魔道具の周りを板なりで覆えば音は減る。

ただ前方を塞ぐと速度が降りる。後方だと速度は落ちない。

まあ私の感覚でだが。

つまり・・・形状を工夫すればいい。

斜めの板を付けていない方を斜めに切る。

そこに板を張り付ける。ここまでは逆と一緒。

そこから少し工夫。

横に板を延長して入水や排水する面積を増やす。

後は水路に潜って土管に入る。

幅を広げたほうが前だと速度低下はあまりない。

つまり・・・入水側は面積を絞ると速度が低下する。

吐き出す側は面積を絞っても速度は小さい。

これは吐き出される水の圧というか速度自体が上がっていくため速度低下しにくい。

ただ入力側は面積減ると入ってくる水が減るので出力が減り速度が減る。

むむーまあそんなとこなんだろうが問題は雑音。

魔道具が雑音の発生源なんで板で覆うと音は小さくなる。

んん・・・

お!

入水の面積が確保できれば魔道具が水中に面していなくていいのでは。

四角い箱に魔道具を取り付ける。まあ円筒でもいいのか。

いったんそこの空間を密閉する。

そこから前後に入水用のパイプと吐出用パイプを繋ぐ。これでいいのでは・・・

違うか。それだと結局魔道具から外に直線で通じてしまう地点には雑音が出るのか。

それに関してはパイプの配置を工夫すればいいのか。

と言うかその魔道具付けた空間を水面上に置けば・・・

違うか。それはエンジンの話か。

あくまで水を吐き出す工程の雑音。

普通ならスクリュウの羽を斜めにして枚数を増やして大きくする。

そしてゆっくり回せば音は小さくなる。

潜水艦が全部対策してるはず。

お・・・

水流でファンを回して動力を得る。そして潜水艦型のスクリュウ回せば音は減るのか。

そしてファンを回すところを周りの水に直接繋げなければ音は漏れないはず。

試してみるか。

まずはファンを・・・

これこれ。

いきなり全部はまずい。一個一個着実にやるんだ。

まずは魔道具で推力を作る場所を直接に外に接しないというかまっすぐに外に出さないように。

まずはアルミで土管のようなものを作る。

そこの真ん中を一部平らにする。

そこに魔道具を取り付けられるように細工。

まず前には小さなパイプを斜めに取り付ける。

そして途中で曲げて中央の土管部分と水平にする。

後ろは少しやり方を変えよう。パイプの太さを変えるか。

・・・違うな。


中央と同じ太さというかこの筒部分を延長。いったん下に曲げてそして上に曲げて水平にする。

よし出来た。

っておい・・・これカヌーに乗らんジャン。

カヌーの底に付けるか?

それだと魔道具部分が水没するのか・・・それはまずかろう。

・・・

カヌーを増やそう。

カヌーを横に並べて真ん中に動力部分を設置でいいだろう。錬金術でカヌーをコピー作成。

む・・・

西日だ。

農地の家までダッシュだ。


おいしくなーれおいしくなーれおいしくなーれおいしくなーれ


魔法発動<おいしくなーれ>


「いただきます」


さて家を抜け出して領地にダッシュだ。

・・・違った。

船の作成が有るんやった。

空間移動で南下してドックを目指す。

現地の崖に到着。後は崖に空けた穴を通り抜けて造船スペースに移動。

・・・ええと?

げろげろ。

船の下層部分の途中まで作っていたが水没してるやん。

なんでや!


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