2-7.メインジョブとセカンドジョブ
ソロでなくなったので検問を通ることが出来た。
みんなの視線が生暖かいのは気のせいだろうか。
「朝ごはん食べてないですよね。ここはすこし微妙ですね。ダンジョン前の屋台でなにか食べましょう。」
ここは微妙?ダンジョン前の屋台?
「ここは冒険者その関係者しか入れないエリアです。初心者や中級前の冒険者向けの店や宿がここにあります。安いのは安いのですが・・・」
安いがいろいろあると・・・なんとなくわかります。
ここに来る前に想像していたような冒険者用の宿や店がある。
逆に想像と違うのは冒険者の装備だ。
動物の骨を金属で強化した棍棒。
木の盾。本当に木の盾。毛皮を継ぎ接ぎした上衣。
黒いテカテカした革のような鎧・・・それってあれじゃないよね・・・
冒険者と目を合わせないようにする。
絡まれるとかのイベントはいらない。本当に要らない。
ゲームだとネタとしてわざと作らないといけないレべルの装備で闊歩している。
確かにそうだな。
ゲームでは開始時に装備を一式貰えるが現実でそんなことはないな。
安くてある程度の性能であればいいということだな。
「この地域は初心者を支援する意味もあって税金が安くなっています。初心者向けの宿や食堂、道具屋があります。」
道具屋レベルの武器ってことかな。
初心者を支援しながらもランクを上げて住む場所や食事を良くしていけっていうのをあおってる訳だな。
ダンジョンを取り囲んでいる円形城壁の城門は何事もなく抜けた。
明日からはどうしようか・・・初顔じゃないから止められないのか?
遠くにダンジョンの入り口が見えたがその手前に地図情報にはないオベリスクのようなものが立っていた。
そこまでの間には確かにいろいろな屋台が多量にでていた。
「ここは申請すれば屋台を出せます。場所は月一の抽選で変わります。あ・・・あの串焼きにしましょうか。」
わたしの希望は聞かないのですね?文句はいいませんけどね。
何の肉か分からない串焼きを5本ずつ買う。
量はけっこうあるが1本10銅貨だ。
食いきれそうもないがアンジェリカさんは普通に食べている。
昨日の晩が10銀貨なのでその20分の1か・・・
こっそり食べたふりをしてアイテムボックスに格納した。
「説明しましょうか。あそこにいるのがポーションを売ってる薬師の人たちですね。安い塗薬なんかも売ってますが今日はいらないですね。あっちにいるのは神殿の出張所ですね。あそこは信者が屋台の権利を落札して場所を提供しています。」
神殿ね・・・めんどくさそうな話だな。
関わり合わないようにしないとな。
ん・・・僧侶風なのと魔法使い風なのがいるな?なぜだろう?
「魔法使いがいるような?」
「あの人たちは修行中なのでしょう。生活魔法で治療の補助をしています。占い師なのかもしれないですが。」
「占い師?」
「生活魔法の使い手は占い師と言われます。クリエイトウォーターと洗浄をかけた後で回復魔法をかけると効果が高くなりますからね。まあ薬師の人たちも同じことをしてますね。」
なにげに医療レベルは高いような。清掃清潔が致死率の低下の秘訣ということだな。
「後は消耗品とか保存食ですが今日は必要ないですね。帰還石は買っておいたほうがいいかもしないですね。」
帰還石って何と思った瞬間木でできた立て看板が目に入った。
出店希望者は申請を行うこと。
場所は抽選にて決める。
料金は申請時払いで返金はしない。
その下に殴り書きがある。
文句があるやつはかかってこい アルゴラン
これは一体・・・というか文字が読める。
日本語に見える。よく見るとその下に本当の文字が見える。
「この場所での商売でいろいろ陳情や苦情があったんので今の形になったようです。」
さわやかイケメンエルフは実はヤバかった・・・と。
全力で関わり合わないようにしよう。
なんだったっけ・・・帰還石な。
「帰還石ってなんですか?」
「あそこにあるのが標準器というものです。帰還石は標準器の位置を登録しておけばダンジョン内から帰還できる魔道具です。高いですけど1個は持っておくべきと言われています。低層では使わないですけどね。」
とりあえず買っておくか・・・ワープは使えるがこれでごまかせると。
1金貨か・・・結構高いが買っておく。
そして標準器にふれさせると。
これも魔法詠唱済みで発動しない状態にしているようだ。
スクロールは作るのが大変か作れないがこういう魔道具なら作れるのか。
オベリスクのような標準器に触れながらじーと見る。
これが作れれば移動が簡単になる。分析できないかな。
「クルーソーさん。標準器からはすぐ離れてください。誰かが飛んできたら弾き飛ばされます。」
急いで離れる。
衝突防止機能はないと。
あかんですがな。
屋台の商品を見いていたら奇妙なものを見つけた。
20cmほどの人形なんだが・・・丑の刻参りじゃないよね?
「それに興味があるのかい?」
人間のやせた若い男が話しかけてきた。
「それはゴーレムの元だ。土の上に置いて発動すればゴーレムになる。あとは魔力が切れるか破壊されるまで発動者の命令に従う。新製品だ。60銀貨でどうだい?」
これも買いだな。
ゴーレムを使っていてもごまかせる。
まあゴーレム魔法がめずらしくない可能性もあるけどな。
60銀貨を払って購入する。
ゴーレムの元を手にして魔力を少しめぐらせる。
「これも魔法の詠唱済みで発動前の状態にしてるんだな。」
そういうと店のやせた若い男がびっくりしている。
「なんだい・・・同業者なのかい?ネタを」
何か言ってるがそのときアンジェリカさんが割り込んできた。
「クルーソーさん!ダメですよ。こんなの買ったら!役に立ちませんよ。」
アンジェリカさん・・・ゴーレムをディスりましたね・・・店の兄さんが何かを言っているが無視する。
「ゴーレムには無限の可能性があるんですよ!盾にする!敵に突っ込ませてかく乱する!敵の足止めする!敵を分断する!未知の敵の攻撃をみる!荷物運搬!土木工事!ゴーレムさんにあやまってください!」
「・・・ご・・ごめんさない。」
分かってくれたようだ。
店の兄さんが感動した目でこちらを見ている。
周りの客がなにか考えながらゴーレムの元を見ていた。
あとは発煙玉、閃光玉、などもあったが買わずに通り過ぎる。
ダンジョンの入り口からは下り坂になっていた。
ダンジョンの入り口をくぐり下り坂を下って行く。
やっと入れた。
ここまで異常に時間が掛かったな。
坂を下って行くが先がなかなか見えない。
「この下り坂は結構かかりますから今のうちにダンジョンでの立ち回りの分担を決めましょうか。」
そういうことは最初にしないといけないのだが・・・はぶる気だったからな。
「私はメインジョブは聖騎士です。セカンドジョブは白魔法使いです。クルーソーさんは戦士と黒魔法使いなんですかね?」
メインジョブって何?
セカンドって?
全く分からない。
超まずいですな。




