2-6.いろいろ絡まれるのはデフォ
朝起きたらベッドに寝ていた。そういえば宿に泊まっているのだった。
装備を装備変更で装着して部屋を出てフロントに鍵を返す時声を掛けられた。
「アンジェリカ様から伝言がございます。
「「冒険者ギルドに用があります。待っていてください。」」
とのことです。」
「了解した。」
これで一人でダンジョンにいけるな。そのまま出かけようとするとまた声を掛けられた。
「あの・・・お客様?」
ああ・・・伝言が待っていろだからな。
「ギルドの場所は分かる。大丈夫だ」
この返事で納得したようだ。
「ご利用ありがとうございました。」
道路を南方向に移動するが地図に反応がある。
点滅反応だ。つまり敵意有だ。
地図では後ろから三人ついてくるが攻撃してくる様子はない。
南下していたのをやめて大通りを横断する。
そのとき一瞬後ろを見るがあちらはこちらを見ていなかった。
普通の人間の男だな。
<斥候 Lv12><斥候 Lv5><斥候 Lv5>
そのまま横断して普通の路地に入る。
方向的にはここをまっすぐ行けばダンジョンある地域の北側に出る。
このままついてくるようならこれより細い路地に入るか。
それでもついてくるなら明らかに私を狙っているわけになるがまあこのレベルなら負けないだろう。
どんどん街の風景が変わってくる。
城壁の少し手前の路地で左に折れる。
このまま南下すれば城門からダンジョン前に繋がる大通りに出るはずだ。
三人が近づいてきた。
(シールド)(シールド)(シールド)
<シールド><シールド><シールド>
振り向いた瞬間男が短剣を私に突き刺してきた。二人は何も持っていない。
キン
シールドにはじかれたようだ。さてどうするか。
「当たったはずだぞ?なぜ麻痺しない?」
麻痺の短剣か麻痺毒か・・・それはまずいな。
マジックハンドを発動して短剣を抑えに行く。
攻撃は避けて素手でかかってくる男は普通に殴り返したら吹き飛んで行った。
WEの手の装備は格闘家仕様だ。
狐人の格闘家に作ったのと同じものでそのままで採取が出来るし格闘も武器使用も有で防御力もかなりある。ネタ4人衆の共通装備だ。
短剣を10本のマジックハンドで捕まえた。
その瞬間短剣を掴んでいた手に蹴りをいれる。
ボキ
折れたようだ。そのまま殴り飛ばす。
三人とも動かないが死んではいない。短剣をみるが普通の短剣だ。
となると麻痺毒なのか?その男の足に刺してみる。
もともと気を失ってるんで効果は分からないな・・・
だか死なないところを見ると麻痺毒ということか。
尋問しようにもそういう技能はないな。強盗なのか人さらいなのかは分からない。
こういう時はどうするんだったっけ。フルボッコにして身ぐるみ剥いでゴミ箱に捨てるんだったかな。
男たちの手足に蹴りを入れて折っていく。
短剣を刺していない男は目を覚ましたが顔にパンチを入れて再度気絶させた。
手足を折った後ゴミ捨て場に放り込んでおいた。
何も大したものは持っていないの身ぐるみ剥ぐこともできない。
今回は相手が弱いのと敵意があったので対処できた。ただ麻痺毒はまずいな。
相手がプロなら刺されている可能性があるな。
地図の設定を変える。
(表示変更 ヒューマン族は青点)
街中ではほとんどが青点表示なので意味はない。
だがダンジョン内でついて来たりする青点がいたら何らかの意思があるということになる。
後は危機探知に期待だな。
そのまま大通りにでてダンジョン方向に移動する。
城門があり兵士がいて検問をしていた。
ダンジョンがあるエリアに行くのに検問があるのか・・・
その先のダンジョンを取り囲んでいる円形城壁にも城門があり検問がある。
ダンジョンを取り囲んでいる円形城壁と今いる長方形城門の間のエリアの左右にも城壁はあるのでここから先は城壁内のはずなんだが。
どうするか。
見てみると冒険者はカードを取り出し判定石にふれそのままダンジョン方向に歩いていく。
ギルドカードを手に持ち列に並ぶ。
待つこともなく順番は進んでいくが判定石に後5,6人のところで兵士に声を掛けられた。
「こちらにどうぞ」
くそ・・・何かあるのか。
そこにはいかにもという感じの兵士がいた。
「ここは初めてだよな?」
「初めてです。」
「ソロなのか?」
ソロだとだめなのか?前の列の連中はチームを組んでいるのか?というかなんでそれがわかる?
「ソロだとダンジョンに入れない規則があるんですか?」
「いや・・・犯罪者以外はダンジョンに入れる。ここから先はダンジョンに入る人間と関係者は入れる。それ以外は入れないがな。」
疑問が深まるばかりだ。なら私に声をかけた?
「あんたが初顔だから声をかけた。規則ではソロでも初心者でも入ること自体は可能だ。だが次の検問でもその次の検問でも同じことを聞かれることになる。」
何と答えようか・・・
ゴーレム使えるからソロじゃないというか・・・
召喚使えますよというか・・・
兵士を見ると私の後ろを見ている。
地図では青点が走っている。
トラブル発生か!チャンスだ。その隙にソロですがなにか?で入ることにしよう。
「クルーソーさん!何やってるんですか!」
私のトラブルやないかーい。
「待っててくださいの伝言は伝えたと聞きました。どうしてここにいるんですか!」
どうこたえるか・・・
・伝言・・・しらないですね
高級宿だったな。信頼もあるだろうな。確認もされたな。
・待ってるよ。ダンジョンで。
いいかんじだな。
「ダンジョン前で待ってようかと思って」
「嘘!嘘です。なぜ嘘をつくんですか!」
女の勘はすごいな。一発でばれた。火に油を注いだ。
「ごめんなさい。・・・すこしでも早くダンジョンに入りたくて。」
「・・・一人で入るつもりだったんですか?あぶないでしょう!」
「様子見るだけならいいかと思って。注意は今受けてた。」
「ああ・・・そうみたいですね」
おお・・・収まった・・・兵士さん注意してくれててありがとう。