14-17.初期目的はきっと忘れた
要らん邪魔が入ったが実験を続けよう。
何してたっけ?
風流の魔道具に石の正方形が二つ張り付いている。
触ってみるがどちらとも柔らかくなったりはしていない様だ。
取りあえず夜逃げしなくて済んだ。
だが・・・だとすればなぜ壁魔法で固めた金だけが柔らかくなるつまり崩れるのかが分からない。
これが分からないと石を壁魔法で固めた場合はOKである保証もない。
うむむむ・・・
今後はこの魔道具で実験を行うとしよう。その間この石の正方形は付けたままで試す。
風流の魔道具でファンを回してファンを回すってことだが・・・
比較実験しやすいようにファンを回した動力でプロペラを回すことにしよう。
であるならばファンを作るとこからだが・・・
ここは1号重機のファンを借りることにしよう。
1号重機のもとにむかいファン部分を取り外す。
ついでだな。ギア部分も取り外す。
このギアで回転数を下げて運転席に有るギアボックスに動力を伝える。そこの部分にプロペラを繋げてしまえばいい。
後は・・・治具はこのままではいかんな。
今は柱に稼働できる板をはめ込んでそこに風流の魔道具を固定して浮かせる。
プロペラを回すならこの方式は駄目。
であれば・・・柱はこのまま利用するが本数を増やそう。
2本でもいいが倒れるといかんので3本にする。
この3本の柱を端っこで通すように三角の床を作成してその上に魔道具とファンを乗せてプロペラを回す軸を回す。
この軸を立てることによってプロペラを取り付けて回すことで浮力を測ることが出来る。
いかんな・・・
これでは浮力を測れない。床で風を遮ってしまうことになる。
であれば3角の床でなくて・・・まず柱を6本放射状に配置。これを足とする。
後は柱のみでこいつらを組んでいってその上に魔道具たちを配置。これで風を遮る床は無いのでいけるだろう。
たぶんこの構想でいけるはず。柱の加工に着手しよう。
6本の脚部分の柱は少し斜めにして真ん中部分を浮かそう。と言うことで斜めに切り込みを入れて組み合うようにしておく。
足の柱を支え合う柱を作って風流の魔道具から動力を取り出す装置・・・いうなれば風流エンジンを取り付ける部分も柱で組む。
後はパッカーンと組み合わせるのみ。
流石に組んでるだけはまずいか・・・ってことで釘を打って補強しておこう。
前に釘は作ったはずなんで・・・あれは和釘だったね。
あった。おっと・・・ビスと言うかネジもあるじゃん。
一号重量物運搬車を作った時の余りってことだな。
ってことでこのネジで止めて行こう。
むう・・・ちまちまネジ回すのはめんどいな。
こういう時には・・・あれだな。
マ〇タの40V電動ドライバーだな。充電式なのに100Vと同じようなトルクで作業できる。
作ってみるか電動ドライバー。銅線はどうにかなるか・・・磁石がムズいな。電池と言うか電源が・・・
ほ?
・・・・・・・・・・・・・・・
ふおおおおおおおおー
何やってんだよーてめー
もともと小型の風流の魔道具つまり魔法陣を作るとこから始まってるんだろうが!
ちっきしょう・・・これも何もかも脳筋エルフのせいだ!
まてまてこれはイケメン野郎の罠だ!ってやつだ。
ばおおおお・・・・
ふう。
落ち着いたぜ。
魔道具を先にやることにしよう。
いったん工房に移動して・・・右見て左見て・・・地下に移動。
まずは二分の一を再作成しよう。
先ほど作った石製の型枠にもう一度ミスリルの糸を溝に嵌め込んでいく。
前はここに金の粉を入れ込んで壁魔法で固めた。
それではいかんので工法を変えないといけないがどうすればいいものか?
この状態に溶けた金を流し込むのは・・・ダメだろうな。ミスリルが溶けるかもしれんし溶けなくてもミスリルの糸が溝から浮いたり外したりしそうだ。
ミスリルの糸を押さえた状態でぎりぎり溶けている状態の金を少量流し込む。これで溝に入ったミスリルを固めていけばいい。
同じ場所に連続で溶けた金を流し込まないように作業すればミスリルが溶けることもないような気がする。
うむ・・・
それだと金が幾層にもなる。それが魔道具としての動きに影響するかもしれん・・・がそれはやってみるしかないのか?
ただ少量だけ溶けた金をピンポイントで落とすというか流し込むのをどうやるかだ。
熱は魔導溶解炉・・・でなく加熱の魔法でいい。少量を熔かすだけやからな。
小さなジョウロみたいのを作って流し込むとしよう。
鉄で小さなジョウロを作りゲームの金貨をぶち込んで加熱の魔法で金を熔かす。
魔法の手でジョウロを持ち少しずつ流し込む。
ハイ失敗。
むう・・・この作業は難しすぎる。
ジョウロの中の金が全部溶けていて液体状の金が一気にちゃーと一気に多量に流れていく。
どうやら多量の溶けた金を流し込むとミスリルも溶けるようだ。
そうなると魔法陣として成立しなくなる。
もっと低温のギリギリで溶けた金を本当にちょっとづつ流し込んでいかねばならん。
といってジョウロで熔かす量を減らすと流し込んで固めるのを感度も繰り返すことになる。それはよくないな。
ミスリルを熔かさぬようにギリギリの温度で、かつ最少の量を流し込む、かつ連続で。
そう言う機械を作るしかないのか?
むっむっむー
つまり・・・金を少量で連続で送り出すことは出来そうな気がする。
金を細長い角材の様にする。それを同じ速度で送り込む。
その先端部分だけを加熱して溶けた瞬間ミスリルを入れ込んだ溝に流し込んでいく。
問題はピンポイントで先端だけを熔かすってことが問題だ。加熱の魔法では無理。あれはそこまで範囲を絞れない。魔法のレベルが上がれば別かもしれんが・・・
おおおお!なんか落ちてきたよー
それって半田ごてじゃね?
鉄の棒を熱してそこに金の長い棒を押し当てる。溶けた瞬間その溶けた金を溝に流し込む。
これだ!
鉄の丸い棒を錬金術で作成。その棒の先をとがらせる。
作り上げたこて先を魔法の手で持ち加熱魔法で加熱。そこに金の角材を押し当てて・・・溶けた。
こて先を金の角材にちょこちょこと当てたり離したりして少しずつミスリルを嵌め込んだ溝に流し込む。
む・・・こて先を思った位置に押し当てることが出来ない。
もうちょっとそっち・・・
あち!
思わず掴んでしまった。
こういう精密な作業は魔法の手ではちとむずいと。
端材の板を2枚取り出し鉄のこて先をはさんで固定する。
これでいけるはず。こて先を加熱の魔法で加熱し金を突かして流し込む。
よし・・・うまいこといけてるようだ。後は一気にミスリルの入っている溝を埋めていくのみ。
これですべてのミスリルを金で固めることが出来た。
取りあえずこの状態で魔法陣が起動するかどうかテストしよう。魔力を流し込む。
はい。動作しました。
・・・?
これで動くのか・・・
ということはこいつを石で固めてしまえば魔導具になるんじゃね?
それはまずいのか・・・石を壁魔法か錬金術で固めた場合柔くなるかどうか問題にケリが着くまではその工法は駄目だ。
ということは・・・・このまま金を追加で流し込むしかない。
ただ少し工夫をしよう。いま金で固めていない所に大ざっわにどーと溶けた金を流し込む。
だいたいいい感じで平らになる様に金を流しこむ。
その後にミスリルを固めた箇所とそれ以外を熔かした金で繋げる。
その時にミスリルを固めた金が少しだけ溶ける様にする。溶けなければ層になってしまうが溶けすぎるとミスリルが溶けるか浮き出してしまう。
互いに表面が少し溶けるくらいで繋げていく。
これでいい。これで1枚の金の板になる。
違った・・・まずこの金の板を型枠から外さないといけない。
ぐーと・・・。ぱっかんと外れました。
しまった。外す前に動くかどうかのチェックをせないかんかった。
魔力を流し込むと・・・動いた。
後はこれを裏返すとミスリルはほとんどは埋もれているが一部浮き出ている。
同じように金を熔かして流し込んで・・・
ゲロゲロ
金に直接溶けた金を落としたせいか落としたところの一気に広範囲の金が溶けたぞや?
むう・・・・?
先ほどは型枠が石でその上に金を熔かして落としていった。
石に熱が逃げて行ったのか?
比熱は金の方が大きい気がするんだがな・・・
このまま溶けた金を落としていくとたぶん魔法陣が崩れていくと想われる。
どうするよー?
落とす溶けた金の量を少なくすればいいってことだな。
むう・・・
確かにそれで魔法陣が有る金の板が一気に溶けることはない。ただこのままでは何時間かかるか分からん。
ここはこの魔方陣を冷却の魔法で冷やすといいのか?
「アイシング」
魔法陣をいったん冷やしてから溶けた金を落としていく。
おおおお・・・
いい感じだ。元々ある金と溶けて一体化するがそこまで広い範囲が一気に液体化することもない。
このまま一気に行く。
あわわ・・・また広範囲で液体化した。
何で?
魔法陣と言うか魔道具全体がが熱々になっとる。
と言うことは冷却の魔法はこまめに掛けておかんといかんと。
冷却しながら加熱して作業を続ける。
いかん・・・魔法を逆に掛けそうだ。というか逆になった今。
魔法陣を冷却。こて先を加熱。
魔法陣を冷却。こて先を加熱。
魔法陣を冷却。こて先を加熱。
魔法陣を冷却。こて先を加熱。
魔法陣を冷却。こて先を加熱。
よし・・・ミスリルの糸を埋めることに成功。だが何となく平らでない気がする。ぼこぼこだな。
もうちょっと金を盛って行って平らにするか・・・
魔法陣を冷却。こて先を加熱。
魔法陣を冷却。こて先を加熱。
魔法陣を冷却。こて先を加熱。
魔法陣を冷却。こて先を加熱。
魔法陣を冷却。こて先を加熱。
いかん・・・だんだんぼこぼこ具合がひどくなっている気がする。
・・・は!
ここは削って平らに整形すればいいんや。
誰も見てない・・・な。平らに削ってなかったことにしよう。
まずは鉄の板を作成。そこに斜めに線上の切れ込みを少しづつずらして入れていく。
その鉄の板の上を先ほど作った魔道具を押し付けてすべらし表面を平らに削って行く。
両面とも綺麗に平らにした後に魔力を流し込む。
動きましたがな。
工法はこれでいいようだな。
後は四分の一。
何事もなく完成。正常に動作。
八分の一。
最初にミスリルの糸を固める所で失敗したでござるよ。どうしてもミスリルの糸が浮く。先ほどまでと違い少しでも浮くとズレがデカくなるんだろうな。
やり直し。溝に入れこんだミスリルの糸を動かないように魔法の手を増やして・・・コテ先をもっと押し当てて・・
失敗。魔力に反応しない。そう言えば拡大の魔法で一分の一と比較しながら作業したのやった。
拡大の魔法をつかいミスリルの糸を修正しながら金を流し込んでいく。
うむ?
作業は出来るがおかしい。
最初金を流し込んだときにはミスリルが溶けたはずだ。だか今回はコテ先を押し当ててぐりぐり金を流し込んでも溶けない・・・これは技術が向上したのか?
それは無いか。1時間やそこらでレべルが上がるほど甘くはない。
であれば・・・魔法の手を増やして押さえたことが原因か?
もっと増やして見るか?魔法の手ことマジックハンドは11本出る。
昔からこうだったっけ?前は10本だった気もする。
うぐぐ・・・魔法の手が増えたことによって制御が超ムズくなった。
何本か減らすか?いやいやここはこて先を固定するのと魔法陣を固定するのに数本ずつ回す。
これで作業を継続。
・・・出来た。どうやらこの工法で八分の一まではいける模様。
だが・・・むむむー
ここが限界という気がする。
これ以上細かい作業は手では出来ん。
後はこいつらを持って地上に出る。
先ほどの試験場に移動して連続稼働実験を行おう。
柱を追加で打ち込み今ほど作った二分の一、四分の一、八分の一の魔道具を取り付ける。
魔石もセット。作業中はこいつらを起動しておこう。
さて・・・ファンを回してプロペラを回す試験に着手しよう。
試験で可変させるべきパラメータとしては・・・
①使用する魔道具
これは固定しよう。さすがに全種類はやっとられん。飛行機用に複製した魔道具で試験。
②動力を取り出すファンの形状、枚数、個数
これも固定。
③ギア段数
これは変えるかないが・・・初めは固定しよう。ここを変えるとペラの大きさが変わるはず。逆に言えばプロペラの方で調整できる・・・はず。
④プロペラ
結局ここを変えて行ってデータを取る。・・・が・・・ここも条件がいっぱいあることにきずいた。
④-①羽根の形状
これは・・・ゼロ戦のペラを模倣しよう。今回はそうしよう。・・・ちがうな。時代が進んだ航空機の方が空力的に進んでいそうな気がするな。
であれば・・・空母に乗ってる早期哨戒機。もしくは輸送機。後でいい感じのを探してみつくろう。
④―②枚数
2枚以上ならばOKとなる。たしか空母に乗ってる早期哨戒機が8枚とかやったきがす。これは・・・羽根を付け替えできるように作ろう。最大8枚付けられるようにしておけば2枚4枚8枚が試験できる。
む?それだと奇数がテストできんのかであれば12枚付けれるようにするか。であれば2枚3枚4枚6枚・・・これだと8枚が無理なのか。
であれば都度都度作ったほうがいいようだな。もしかしたら最適解が5枚や7枚かも知れないし。
④-③羽根の長さ
これは羽根の形状に入るのかもしれんが最適の大きさと言うか長さがあるはず。ただし羽根の枚数で変わってくるはず。
と言うことは羽根の根元を固定するところは同じ形にして枚数や大きさが違っても付け替えるだけでいけるようにしよう。
むう・・・羽根の角度という項目もあるか・・・
これも根元を固定する箇所を工夫して角度を変えられるようにしよう。
そういえば実機も可変できるはず。ということは可変式にするか?そうすれば試験はだいぶ楽になる。
てっ言うことで羽根とそれを固定する軸部分を作成しよう。
まずは凍結されている航空機からいい感じのプロペラを見繕う。
・・・いや。
いい感じに夕方だ。夕食の準備をしよう。
夕食を喰って作業を継続。
む・・・幼女たちがこっちを見ている気がする。
ヤル気の塊なので魔法を教えろと言うことか?
うむむ・・・まあ薬師の婆さんも足並みをそろえたほうがいいと言うから今夜もやっておくか。
「もしかしたら魔法を叩き込もうとしてないよな?」
レオノーラ。何で分かった?
「あれはある程度期間を開けないと駄目だぜ」
「なぜに?」
「魔力を限界まで使った後は完全に回復させた方がいい。そうすれば使える魔力が増えると言われている」
ほう・・・筋肉と一緒か。追い込んだ後に数日おいて超回復させて成長すると。
であれば・・・何もないな。
寝るか。
・とある蹴り癖のある亜神
思わず蹴り出したが・・・
あいつ最高神の加護が有るじゃねえか!
となると・・・ツバつけておくか。
うちの試練を受けたのであれば魂をマーキング出来ている。追跡は容易だ。
探すか・・・
これは竜人族の族長の婆の結界か?
であれば現象化はともかく夢に割り込むのもまずいな。
・・・
移動したと思ったらクソ早い。というか消えた?
これは黒の森に入ったのか?
もしかしたら死んだ?まあいい後で再検索すればいい。
いつの間にか移動が終わっている。ちょっと行ってあいさつしとくか。
駄目だ。何かいる。
これは・・・
たしかこの山脈を守っている山の守か?
・・・前より力が増しているような?だが感知できなくなってもいるような?
どちらにしても私が往くのはなしだな。そのようなリスクは負えない。
ということで夢に割り込もう。
・・・・・・・
こいつやっと寝た。
そう言えばエルフはショートスリーパーだったか?
それとも数日に一度しか寝ないのか?
夢に割り込む。最小の力で誰にも察知されないように・・・
割り込んだ。
「ひいい・・・・・」
エルフ娘が這いずって逃げている。
「どうした?なにがあった?」
「どうしてここが分かったでやんすか?止めを先に来たのですか?」
何言ってるんだこいつ?
「あなたに挨拶に来たんです」
「挨拶?」
「この間蹴りを入れたのはちょっとやり過ぎたと思いまして」
「ちょっと?」
もしかして前に蹴りいれたのを根に持ってるのか?
「そうだですね・・・まあ・・・悪かった」
「その心は?」
「うーん・・・つい蹴った。後悔してないし反省もしてない」
「で・・・お・・・お姉さんは誰?」
「謎のお姉さんです」
「は?」
「正直に言うと本名を名乗ることは出来ません。竜人族の間ではソフィアと言われています」
なんかだまったな。
「でですね・・・詫びつででに挨拶に来たということです」
「ほう・・・そうですか」
「挨拶だけでは・・・そうですね。なにかないですか?物は駄目ですが知識とかならいいです」
「物は駄目なには何故?」
「いろいろとしがらみがですね」
「そうなんですね・・・では質問いいですか?」
「いいですよ」
「魔法ってなんですかね?」
うーん・・・質問の意図が分からんな。
「魔力を使った現象の発動」
「その魔力ってなんですか?」
「そっちですか・・・私の考えでいいです?」
「はい。というか世の中ではどういわれてるんですかね?」
「分からないです」
「は?」
「普通に魔法が有る世界で魔力ってなんだと言われても誰も答えを持っていないでしょう。空気は何故あるのか?と言われたようなものです」
「そうですね」
「ただ魔力は魔法を発動させる燃料と言う概念自体はあるようです」
「まあそうですけど・・・燃料が燃えるのであればそうですど何故にいろんな現象を起こすことが出来るかってことなんですが」
「魔力は意思を持たない精霊みたいなものです」
「精霊・・・フェアリーとかいうのですか」
「そうです」
「ってっことは魔力を集めると精霊になる?」
「そうではありません。たとえな人族は体を主体として存在する。精霊は魔力を主体として存在する。そんな感じです」
「意思を持たない精霊と言う例えが分からないのですが?」
「精霊は息をするように魔法を発動できます。それは彼ら自身が魔力そのものだからです。そうでないものは魔力にどうにかして意思を伝える。そうすることによって魔法は発動されます」
「魔法を詠唱したりすることによって・・・魔力にお願いをするということですかね?」
「お願いではありません。強いて言えば・・・命令ですかね」
「魔道具や魔法陣もおなじですか?」
「そうです」
「魔力さんにカンペ出してるって感じですかね」
「言い得て妙ですね。言葉で伝えるのが詠唱。生物が意思を伝えるが無詠唱。魔法陣で見せて発動」
なんかなやんでるな・・・
「アイテムボックスの魔法って一般的ではないんですかね?」
急に範囲が狭くなったな。
「魔法の鞄がそこそこありますから覚えている人は減少しているでしょう。ただしそれは魔法の鞄の数が増えないことも意味してるのであまりよくは無いのですが」
「アイテムボックスの魔法を覚えていないと魔法の鞄を作れないからですね」
「そうです」
「と言うことは相当の容量を持つ魔法の鞄が存在するということですね」
「?アイテムボックスを使った術者の力量によります」
「最高の力量を持つ術者が作成に参加すればとんでもなくデカい容量になるってことですよね?」
「アイテムボックスの魔法は習得が難しくなかなか上達しない魔法なのです。上達しても増える容量はほんの少しです」
「へ?」
「アイテムボックスの魔法の容量は小さい鞄程度。上達してもリュックサックくらいです」
「そうなんですか?ではディメンションルームというのは?」
「それは全く違う魔法です。アイテムボックスは昔生活魔法と言われていました。ディメンションルームは時空魔法ですね」
「時空魔法?」
「空間魔法に分類されることもあるでしょう。こことは違う時空にゆがみを作って一時的に物を収納する魔法です」
「一時的?」
「アイテムボックスよりも容量は多くなりますが空間の維持に常時魔力を消費します。習得はアイテムボックスの比ではありませんから習得者は希少でしょう」
「そうですか・・・」
何を悩んでいる?
・・・む?
これは?この痕跡は?
ち・・・力を使いすぎた。これでは探知される。
「これ以上の滞在は無理の様です。また機会があれば」
「そうですか・・・ありがとうございました。ソフィアさん」
・・・
あの痕跡は亜神だな。もう誰かがツバつけてやがったか。
だがまだまだ薄いし業も付いてなかった。
まだまだ巻き返せるはず。




