14-11.いい感じで流す
風流の魔法陣で風を作ってファンを回す。そこから動力を取り出すのは1号重機で実績あり。
と言うことでそこら辺は1号戦車の作りを真似して作ろう。
前は魔道具の風を受けるファンを3つに分けたのだったな。
ファンは直径が30cmなものを横に3つ並べている。
魔力が流れる魔法陣自体は直径80cm程度だろうが板状の魔道具自体は横1mで縦が1.5mちょっとなのでそうなる。
これのファン部分を錬金術で複製する。
1号戦車の時はファンの回転を歯車でどんどんダウンしていってミッシュンギアに繋いだ。
今回は1段だけ歯車でダウンして先ほど作ったボルトを回す金具に繋いで・・・
ちょいーちょいーちょーい。
それやと魔道具1m*1.5mでファン部分が30cm*1mが3つ。
電動ドライバーならぬ風流エンジンドライバーは動力部分だけで1m*2.5m。
こんなものを抱えてボルトを外せと?
ふーう・・・・
よく作る前に気付いたな。ファインプレイだ。
で・・・どうするよ・・・
考え方はいいはずだ。結局動力・・・
1m*1.5mではさすがに話にならん。
は!
そう言えばとある亜神が魔法陣について語っていた。
魔方陣は大きくても小さくしても同じ。
と言うことであればこの魔方陣を小さくした魔道具を作ればいい。
まずは錬金術で縮小した状態でコピー作成できるか試してみよう。
ほよほよーほよほよー
出来ない。さすがにそれは無理か。なんか出来そうな気もするんだがな・・・
確か魔法陣と言うのは・・・ミスリルの糸を金でコーテイング。それを銅で挟み込む。
いッたんバラバラにばらすとするか。
今風流の魔道具はオリジナルが1個。1号重機に1個。ミニイーグル用に2個。
どれでもいい・・・1号重機全体の調査も必要だが後回し。
ミニイーグル用の風流の魔道具を潰すことにしよう。
ミニイーグルは推力の開発をしてからもう一度0ベースから作り直そう。
確か風流で起こした風をファンで受けた後にその動力でプロペラやファンを回した方が効力がいいって言ってた。
むむー
なんか納得いかないが・・・蒸気機関車は蒸気をいくら後ろに噴き出しても前には進まない。
その蒸気でピストンを動かして車軸を回すと進むことが出来る。
まあこれは2次大戦中も鉄道での運輸は蒸気機関で動いていたから間違いない。
蒸気機関車や船ならそれは分かる。だが空となるとどうなる・・・?
先ほどの話は蒸気から力を取り出すがギアダウンをすると力が増すので動くことが出来るということだ。
蒸気を外に噴き出して機関車は押すことが出来ないがその蒸気を閉じ込めてピストンを押して車軸を回せば動くことは出来る。
これをプロペラやファンに置き替えると・・・
・・・風流の魔道具で作り出す風力と圧力を航空機が飛ぶのに最適な風力と圧力に変換するって感じか?
まあ考えてもしょうがない。実践あるのみ。ファンやギア、プロペラの条件を変えてテストするのみ。
後はエアードラゴンって魔法もあったな。後でどこかに出かけたときに試すしかない。
後試してない魔法は無いよな?
そう言えば魔道具の出力に合わせて魔石も作るって話もしたような。
と言うことはあの海賊船に専用の魔石が有ったということか?
それともあそこらに沈んだのか?今度探しに行くことにしよう。
て言うかどこかに売ってないかな?金貨なら腐るほどある。
で・・・なんやったっけ?
風流の魔道具の複製やな。
まずはバラすと決めた魔道具を分解するとこから始めよう。
・・・どうするか?
こいつガワは鉄なんだよな。
オリハルコンの両手剣で表面を薄くカットしていく?
大事なところをバッサリ切りそうだ。無しで。
ディメンションソードも同じく無し。
ディメンションカッターで・・・これもバッサリいきそうだな。
だが魔法陣が埋まっていない所を大ざっぱに削って行くののにはいいかもしれない。
まずは角っこの方から表面を少しずつディメンションカッターで薄皮削る様に削る。
「ディメンションカッター」
ひいいい・・・
薄皮どころかバッサリと切断しましたがな。
こんなこともあろうかと端っこから試して良かった。
今度は違う端っこで・・・
やっぱりサクッと切断する。
どうやら私からターゲットにまっすぐ刃が出て行くようだ。
魔道具に沿って角度を変えることが出来ない。
まあ元々は攻撃魔法のディメンションソードが元だからな・・・
と言うことで魔道具の方を斜め・・・と言うか刃に対して水平になる様にしてからディメンションカッター。
これで表面を削る様に切ることが出来る。だがだいぶ制御がシビアだ。
調整をしくじると薄皮剥くではなく斜めに切断となる。
魔道具に魔力を流し込み魔法陣がどこら辺にあるかを探す。
むう・・・さすがに難しい。
大体の場所は予測できるがこれで銅部分まで削り込むのは危険だな。魔法陣を壊しかねない。
となると表面を工具でちまちま削って行くしかないのか?
これについては加熱の魔道具でやったことがあるから出来ることは出来る。
だが同じことをするのは違う。それでは進化は無い。
と言うかあれはめんどくさいんじゃ。
と言うことでヤスリで削るとするか。
高速回転で削るルーター。
もしくは往復運動で削るサンダーを作って・・・
お前は何を言ってるんだ?
その動力を作ろうとしてるんだろうが!
工作工具を作るのに動力がいるんだ。その動力を作るには他の工作機械がいる。
でその工作機械を動かすには動力がいるんだ!
うっきー
・・・落ち着け
なんかぶわーと表面を削る方法が無いものか?
これが日本ならコンクリートの壁や床で雑巾がけをするように物をこすりつければ表面は綺麗に削れていくのだがな。
日本なら各種工具を電気で動かせるがな。
なんかいい方法・・・
くそう・・・ちまちまいくか。
工具から鉄ヤスリを取り出す。
ちょいちょいちょい。
その前にどのように加工するか手順を考えよう。
このままこの魔道具の鉄部分を削り出す。そうやって銅部分を取り出す。そこから銅部分を切り咲いて金部分を取り出す。
その金部分の芯はミスリルになる。
あれ・・・そうではないのかも。銅は大雑把な形になっているという話だった。金の中でミスリルがもっと複雑な形状でないという保証はない。
結局ばらさないといけないのはこのミスリルがどのような形状というかどういう絵になっているかを確認しないといけないから。
ミスリルだけでなく金や銅の形状も真似ないといけない可能性ももあるのか・・・
まあそれはばらして見ないと分からん。
んでもってそうなってくるとミスリルの形状を確認するだけなら鉄部分はバラバラにして構わない。
ただその後この魔道具を作ることを考えればこの魔道具の鉄部分は型枠としてとって置かないといけない。
銅部分も同じだな。胴の形状も影響するのなら銅部分も型枠としてとって置かないと・・・
それは厳しいか?鉄も銅も削り込んでいくわけだから・・・お!
上から削り出したところで凸の型をとればいい。こいつは石の粉を使って石壁魔法で加工すればいい。
金とミスリル部分を削り出した後も凸部分の型枠を作ればいい。こうやって行って型枠を全部残していけば形状的には複製できるはず。
ということで大まかに削っていこう。鋼のバイトの様な工具があったはず。
ちくちく逝くぞ。
ち・・・普通に魔道具から風が出た。
魔力を流し込むなと言うことね。これはルチアさんから教わった魔石を火薬にする方法で身に付けた魔力を流し込まない方法でやればいい。
ちくちくちくちくちく・・・
お・・・
第一銅発掘。まずは銅の層を傷つけないように鉄を削って行く。鉄と銅はすんなり剥がれる。銅の層は平らになっている。これが楕円とかだと加工が難しいので助かるな。
おっと。銅の層の端に到達。角は丸くなっている。このまま丸で下の面に行くのかそれとも横にも平らな面があるのか?
丸のまま下の面に繋がっている模様。これ以上は彫らないようにしよう。凸の型枠が取れなくなる。
ただし型枠が取れるように銅と鉄の隙間から上は斜めに掘って行く。
後は銅部分を外せるようになるまで鉄を掘るのみ。
ほりほりほり・・・
終了。ってことで銅部分を取り出す。
じゃねえ。その前に型枠を作っておく。石を粉にして掘り込んだところに流しこんで石壁魔法で固める。
たぶんこれで掘り込んだ形と同じものが出来る。出来てるよな?
・・・出来ている模様。
後は出来るだけ丁寧に銅部分を取り外す。
く・・・なかなか外れない。だがここで焦るとよくない。ぐにゃっとかいうと魔法陣として使えなくなる可能性が・・・
あ!
今ぱかーんって外れた。
ちくせう・・・今たぶんぐねっていったよな。
む・・・鉄から銅部分だけを散り出したがこの魔方陣部分は無事に動くのだろうか?
魔力を流し込めば分かるのか。
銅だけになった魔道具に少しずつ魔力を流し込む。
ふおおおお・・・
いきなり風が吹いてビビったでござる。どうやら壊れてはいなかった模様。
今銅部分を外した鉄板と先ほど作った石の型枠でこの銅の板部分は再現できる。
と言うことで今度は銅部分を削って行こう。
他が今度は彫り出すのが金でコーティングしたミスリルなので、バイトで削り出しはまずいだろうからヤスリで削って行く。
ごりごりごりごり・・・
あれ・・・端っこを上面から削って行ったが銅以外は無くそのまま下面まで削れてしまった。
しまった・・・
作業方法をミスった。
上面から全体的に削って行ってミスリルと金がどのような紋様なのかを浮き出させるようにするべきだったな。
と言うことで作業方式を変更。
一部を削り込むのではなく全体を同じ高さで削って行こう。
お!
なんか出た。
しまったな・・・なんか金の膜までというかミスリルまで削れてるような。
うむむむ・・・やっちまったな!
いったん錬金術で修繕するか・・・
その前に魔法陣が死んでいるかチェック。
おや?風が出る・・・
ということは金の膜は要らない?
それ以前にこの魔方陣で金の膜があるのかを確認しないといかん。
目を近づけて観察。よく分からん。
なんか魔法が有ったよな。確か鷹の目。
見えん。
これは遠くでも近くにあるように見えるってことだな。小さいものを拡大はしないと。
いや・・・そりゃおかしい。遠くにある物を大きくできるのであれば小さいものを拡大も同じだ
ろ・・・
いったん工房の端っこに銅板を置く。工房の逆に移動して鷹の目を発動。
そうやって今削り出している箇所を見る。
やはり見えん・・・お!
見えるようになった。
だが16m離れているので・・・近くから見るのと変わらん。
逆だな・・・ここから私が近づけばいいのだ。
ぐーと・・・
おっと見えなくなった。
もう一度見える場所まで戻り先ほどよりもゆっくりと近づいていく。
じわじわじわと・・・
武技技能<拡大鏡>
ふおおお・・・
またなんか出た。
拡大鏡か・・・よく考えたらガラスがあるんで作れた。レンズだが鏡なのか?
ていうか鷹の目が進化と言うか分派したのか。
鷹の目は魔法じゃなくて武技だった。これを鍛えれば顕微鏡になるかもしれん。
じっくり観察するとしよう。
ミスリルが有ってその周りに金がある。聞いてた話は合ってた。
ミスリルは0.3mm程度。金の膜は0.3mm程度。
思ったより太い。半導体の金の糸の様に15マイクロと言われたら見れんから。
マイクロは0.001mm。つまり0.015mm。
細い方が材料は少なくていい。細い金糸を作る方法自体は知っているから細くは出来る。それをミスリルにかえて行えばいい。だが周りの金の膜が面倒だ。
と言うか今ここで金が剥がれているが魔道具は動く。金の膜はいらんかもなので金なしで作らないといかん。
そこらは後で考える。まずはこのミスリルと金部分を発掘と言うのか全部分見つけ出す。
今姿を見えている部分をどんどん拡大していく。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
よっしゃ・・・大体全部出てきたな。
なんだかとんでもなく細かくて長い。それにこの魔方陣一筆書きだ。ていうかいまさらだがこの魔方陣一層だ。もし層が複数だったらとてもじゃないが複製は出来ん。
このミスリルと金をこの状態のまま剥がして・・・
その前にこの状態で作動するか確認しよう。
普通に動く。ということはこの銅の部分の形状は動作に影響することはないと思われる。
出来ればこの魔法陣のミスリルと金の糸部分だけを取り出したい。そうすればこの土台が魔法陣の型枠になるだろう。と言ってそのまま取り出せば魔法陣の形は崩れる。できればこの魔方陣は稼働状態で取り出したい。
この状態で石の粉を銅板の上ミスリルと金の糸を覆うように振りかけて石壁魔法で固める。
このまま銅板を剥がすと・・・そのまま石だけが剥がれた。
そうだよな・・・・銅と剥がれるのなら金とも剥がれるよね。
となれば・・・金を粉にして先ほどと同じようにすれば金部分は結合するので取り外せるのでは。
金をアイテムボックスから探す。
むむむ・・・
実は金はほとんど鉱石には含まれてないのでストックはあまりないんだよね。
金貨を潰すか・・・だがあれって金貨とはいえ混ぜ物が多量に入っているはず。錬金術で不純物を取り除く・・・
は!
そう言えば凍結されているゲーム内金貨と言うのが有ったな。こちらなら不純物がほとんどないはず。
ほよほよーほよほよーほよほよー
ゲーム内金貨を解凍していく。昔と違いそこまで魔力を消費しなくなってる。
む?
このまま銅の部分を削って行って金部分を凸状態にする。
その後石で型を取れば魔法陣の型が取れるんじゃね?
この手順で型枠を作れば凹の石枠が出来る。その溝にミスリルを嵌め込めば魔法陣の図は完成だ。
方針変更。銅部分を掘り込んでいく。
よし・・・これでイケるはず。
石を粉にして銅板の上に乗せる。その後石の粉を魔法で固める。
これで魔法陣の図形の直の型枠の完成。
なんか思ったのとは違うが型枠が完成。次はミスリルの糸を作る工程に行こう。
その前にもう一度この魔方陣が動くか試験しておく。動くんだなこれが・・・
ミスリルの糸は次のやり方で作る。
ミスリルを棒状に切り出す。
このミスリルを柔らかくなるまで熱する。
ミスリルの棒の一端を固定して引っ張る。
前に武蔵から入手したミスリルをアイテムボックスから出す。
このミスリルのマネキンをオリハルコンの両手剣で切り刻む。
そこから断面が四角の長方形を切り出す。
後は・・・魔導溶解炉に魔石をセット。モードはマニュアル。鍛造モードでいいのか。
ミスリルを熱している間に工具を探して解凍しておく。
やっとこの様なものを2つでいい。作業台として石壁を壁側に作成。その石壁の上に小さな穴を開けておく。
ここにミスリルを挟んだやっとこを差し込んで固定できるように調節。
ミスリルの加熱はそろそろいいか・・・
ミスリルの棒の両端をやっとこではさむ。その瞬間片方を先ほど作った石壁の穴に差し込む。
そのまま一気に引っ張る。柔らかくなったミスリルが引き延ばされていく。そしてどんどん細くなっていく。
なんか思ったよりうまくできた。ただ思ったよりも太いか?それと両端が太くて真ん中が細い。これはある程度は仕方がないがある程度真ん中部分は同じ太さでないと使えない。
温度はこれでいいだろう。切り出すミスリルの太さを段階的に替えて行こう。
むう・・・
10パターンほど試すが今回の目的に適した糸にはならない。
であれば温度を変えて行こう。ミスリルの太さに関しては先ほどの10パターンを全部試そう。
・・・
温度が高い方がいい感じで細くて長い糸状に出来る。だがどうしても太さが一定にはならん。
であれば・・・端の太い部分は切り離す。
残った部分で太い部分は石壁の台上で転がしながらヤスリで削って行く。これで太さが一定のミスリル糸完成。
確か半導体用の金糸を作る特は内側に刃が有るバイスを作ってそこに材料を通して削って行くのだが、何キロも作るのではないのでやすり掛けでいく。
よし・・・
後はさっきの石型枠の溝にミスリルの糸を這わしていく。
ん・・・・
これってこの後どうすりゃいい?
なんか完全にやり方間違ってるじゃん。
ミスリルを這わす前にこの周りに金の膜がいるじゃん。
ということで金の膜を巻く方法を考えないと。
まてよ・・・
実物はこのミスリルの周りに金の膜が有ってその周りに分厚く銅板。その周りを鉄板。
銅の形状は替えても魔法陣は動作する。
発想の転換だ。銅の代わりに全部金でもいけるのかもしれない。
金の使用量を減らすためにこういう形状にしているのならばそれでいける。
私にとっては銅を使うよりも金の方がありがたい。金貨ならば数億枚もある。普通の金貨なら1枚当たり30g以上なので1億枚でも3000トンだ。
この石の型枠は山形の頂点に凹があってそこにミスリルを這わしている。
本当は谷に凹が有ったほうがいいのだが・・・
型を作り直すか?
それは後にしよう。
銅の代わりに金で動くかどうかの試験が先だ。
先ほど解凍した金貨を粉状にする。その粉をミスリルを嵌めた溝に詰めていく。その粉状の金に対して石壁魔法を唱えて固めていく。
金だが石壁魔法が使えるはず。
よし・・・固まって行く。
後はつら面が同じ高さになる様に粉を追加しながら上面が平らになるように。
出来た・・
この金部分をそーと外す。
そのままひっくり返すと山形の頂点にミスリルが埋まっている魔法陣が有る。
ミスリルの上に金の粉を置いていき石壁魔法で固めていく。
これで木スリルの周りを金で固めた魔法陣の出来上がり。
後はこの魔方陣に魔力を流し込んで動けばOK。
おおおお・・・
動くぞ。
こんなんでも動くもんだ。
ふーう・・・・これで一件落着。
・・・
あれ?元々はなんやったっけ?
・・・
ガッデム!
魔法陣を小さくするのがそもそもの目的だ。
なにそのまま複製している。
それだったら錬金術で出来る。
なにやってんだ?




