魔王の憤怒
私はダンジョンの守護者。
ダンジョンへの侵入者を撃退するのが任務だ。
最近ダンジョンへの侵入者が途絶えている。
仲間がどんどん補充されてる。
これでダンジョンは安泰だ。
いま頭が冴えわたっている。
曇りがとれた。
今分かった。
私はダンジョンの守護者ではない。
ただの奴隷だ。
だった。
ダンジョン最下層へ走る。
私を操っていたものがそこにいる。
見つけた。
床に盛り上がっている丸いものがある。
これがわたしの敵だ。
ダンジョンコア。
石斧を叩き付ける。
壊せない。
殴って殴って殴った。
斧の柄が折れた。
後ろから走ってくるものがいる。
過去の私だ。
ダンジョンの守護者。
ダンジョンの奴隷。
壊れた石斧でダンジョンコアを殴る。殴る。殴る。
同胞と殺し合いはしたくない。
ダンジョンコアにひびが入った。
その瞬間爆発が起こった。
目が覚めた。
力がみなぎるのがわかる。
私はダンジョン破壊者だ。
この世からダンジョンを駆逐する。
ダンジョンから出るとダンジョン侵入者のバンパイヤとウェアウルフがオークと戦っていた。
オークが押されてる。
バンパイヤとウェアウルフをリーダーを残し瞬殺した。
石斧は壊れ柄だけの棍棒だがこれくらいは楽勝だ。
このままバンパイヤとウェアウルフを皆殺しでもいいが私には使命がある。
ダンジョンを駆逐せねばならない。
感じる。
ダンジョンとその向こうに大きなダンジョン。
時間がおしい。
「皆殺しか従うか選べ」
連中は族長と長老というものを連れてきた。
従うという。
どうやら連中はダンジョンの利用を巡り争っていたらしい。
連中に感謝だ。
おかげでダンジョンの束縛から逃れられた。
だが愚か者だ。
愚か者は部下にはいらない。
「おまえらに感謝。だが愚か者はいらない」
族長と長老だけを皆殺しにした。
このままダンジョンに向かう。
バンパイヤとウェアウルフのリーダーがなぜかついてきた。
愚か者はいらないのだが。
部下のオークはついてこれない。
先に行くことにした。
バンパイヤとウェアウルフはついてきている。
もしかしたら役に立つのか。
部下として使うのもいいのかも知れない。
ダンジョンに到達した。
侵入するが敵がいない。
どうしたことだ。
バンパイヤとウェアウルフの話ではこのダンジョンの情報はないそうだ。
生まれたばかりか。
関係ない。
駆逐するのみ。
妙な構造だが最下層に着いた。
ゴーレムにストーンゴーレムにリビングアーマー。
真ん中には真っ赤なリビングアーマー。
いや・・・違うな・・・エルフ。
ダンジョンマスター。
滅ぼすべし。
魔法で攻撃してきた。
全身鎧で魔法。
そうとは思えない威力だ。
HPが削れる。
そう思った瞬間爆音が響く。
奇妙な杖から何かが飛んでくる。
HPが削られ部下がダメージを受けている。
一気に突撃しておけばよかった。
全身鎧で遠距離攻撃とは。
この状態では前進できない。
部下を庇ないとならない。
爆音が止んだ。
ゴーレムが邪魔だ。
ゴーレムも部下には手に余るようだ。
ゴーレムを始末してダンジョンマスターを殺ることにしよう。
魔法はそれなりの威力だがそれでは私は殺せない。
閃光と爆音がした。
行動が止まる。
だがここゴーレムの攻撃は私に通じない。
何の真似だ。
胸に何かが刺さった。
ダンジョンマスターが私の胸に剣を突き刺していた。
力が抜ける。
前向きに倒れた。
ここで倒れるわけにはいけない。
私はダンジョンを破壊する使命がある。
ダンジョンを駆逐・・・
後頭部に何かが打ちつけられ意識が遠くなる・・・無念だ・・・