13-13.開墾速度が速すぎて世間的にヤバイが浮かれているので分からない
はよ戻らねば。
いい機会だ。どの位小さい半径で旋回できるか試しておこう。
川の上を飛んで高度を落としていくのが良いだろうから左旋回。
操縦桿を左に倒し横滑りするのをエレベーターで修正・・・
ほお?
真横になってストーンと落下した。
この場合はラダーで修正なのか?
あれ?
気が付けば真っ直ぐ飛んでるぞ?
左見ると水平線。
右見ると水平線の先に太陽。
・・・あれ?
右に朝日?
朝日が東ってことだよな。ってことは北上している?ぐるっと旋回して1周した?
ん?
なんだか脳天に圧力を感じる。
落ち着け。
こういう時は上昇して高度を稼いてリトライだ。
操縦桿を引く。
うっひょうー
真っ直ぐに森に突っ込んでい行くやんやん?
どういうこと?
落ち着け・・・
いやいやいやいや!それはいかん。焦れ!
真っ直ぐ森は変わらんやん。
ってことで操縦桿を押して見る。
森の風景が頭の上に走って行きその後地平線が見える。
あれ?
だんだん夜空が見えて来た。下にな!
下に空・・・は?
もしかして背面飛行している?完全に上下が分からなくなっている。
無理やりにでも元に戻さないといかん。
もう一度操縦桿を左に倒す。
左に空が見える。が機首が右下にすべって行ってる気がする。
横に垂直になった。
明らかに機首が斜め下をむいている。
おっと。
空が上に戻って来た。
朝日が左に見える。
ということは機体は南下している。
つまり・・・旋回するためにロールを打ったが実は機体はそのまま回転する。
そりゃそうだ。私がやったゲームではある一定以上は機体は傾かなかったが実際はそんなことはないと。
操縦訓練を行わないといけないようだ。
そうじゃない。
早急に帰らないと。
領地に向け徐々に高度を下げながらまっすぐ進む。
領地が見えて来た。
もっと高度を下げて着陸に備えないと・・・
むむむ・・・
先ほど比べ速度が相当出ている。
しくじった。浮遊と風流の魔道具は動作を停止しとくべきだった。
エアブレーキを追加するのを忘れていた。タイヤにブレーキを付けるのも忘れていた。
確かこういう時は・・・
エルロンとラダーとエレベーターを使って機体を斜めにして飛ぶ。
これで無駄な抵抗が出るので速度が急速に落ちていくはず。
領地に近づきながら高度を少しずつ落としていく。
そんなんじゃ足りない。
ここは逆に急上昇を行う。
高度を稼いでしまうが速度は急激に落ちる。
あれ・・・
速度を落とし過ぎた。このままでは失速する。
今度は急降下。
高度を下げて速度を回復させる。
今度は速度が早くなり過ぎだ。
ただしこれを繰り返せばいいと見た。
急上昇して速度を遅くした後に急降下。からの急上昇。
やべ!
失速した。
回復するだけの高度もない。スピンしたら終わりりだ。
浮遊と風流の魔道具に魔力を流し込む。
高度は急激に落ちているが前に進みだした。
だが上昇するだけの速度にはならない。
このままでは地面にドーンと逝ってしまう。
魔道具に全力で魔力を流し込む。
フライとフローティングコントロールも掛けて機体を無理やり持ち上げる。
機首が持ち上がってしまった。
操縦席は重心より前だからか。
お?
このまま上昇出来れば垂直着陸出来るぞ。
さすがに無理。速度が0になる前に地面に激突する。
「マジックハンド!」
マジックハンドを全力で展開し機体を支える。
そりゃ無理じゃ・・・
機体を前に投げるように地面を蹴る。ハンドだけど蹴る。
すちゃ!
あれ?
奇跡的に地面にぴたっと降り立った。
そのままのろのろと街道を機体がすべって行く。魔道具に魔力を流すのを止めると機体のそのまま数十m行ったところで止まった。
むむむ・・・なんかさっきの川面を叩いた時も上手くいったがこれはなに?
なんか運を余計なところに使ってしまった気がする。
それともマジックハンドが神なのか?
蹴るってことはハンドではない。マジックフット・・・!
いやいやいや。危ない。新しい魔法に分岐するところやった。
スキルが分散するかもしらんからマジックハンドでいい。
む?もしかして違う魔法なら同時に唱えられるのかもしれん。
であれば・・・どっちだ?どっちが得なんだ?
基本はマジックハンド。掴む能力は最低限でいいので地面を叩く。いや。蹴ることに特化。
「マジックフット」
魔法発動<マジックフット>
出来るもんだ。
・・・足ってフットだったっけ?レッグ?
というか魔法の名前としては魔法の手や魔法の足でも構わない気がする。
そうじゃねえよ。もう朝なんだよ。早く戻って朝食の準備をしないといかん。
領地の家まで爆走する。急いで朝食を作らねば。
厨房に移動して朝食の準備を行う。
おいしくなーれおいしくなーれおいしくなーれおいしくなーれ
よし完成。
で・・・なにするんやったっけ?機体の改造を・・・・違った。
今日二回食事を作るのでその都度1食づつ追加で作ることにしていたが面倒くさい。
なので夕食の分まで3食分作ってしまおう。
おいしくなーれおいしくなーれおいしくなーれおいしくなーれ
魔法発動<おいしくなーれ>
おいしくなーれおいしくなーれおいしくなーれおいしくなーれ
魔法発動<おいしくなーれ>
おいしくなーれおいしくなーれおいしくなーれおいしくなーれ
魔法発動<おいしくなーれ>
これで今日の夕食と明日からの3日分の食事が完成。
魔法の鞄に分けて入れて並べておく。
鍋は鍋ごとに収納。焼き物は焼き物で大皿に入れて収納。まあ順番間違っても中身は大して変わらない。
ほおおおおお・・・
メニューが増えてない問題は解決してないです。どうにかしないと暴動が起きるかもしれない。
これも帰って来てからどうにかしよう。
と言ってまた時間が流れていくだろお前・・・
は?
なんか毒電波を受信ししてしまった。
大丈夫だ。一応考えてはいるんだ。大豆で絞った油があるんだよ。
なので無事に帰れたら揚げ物を作るんだ。
今思ったわけではないぞ。心の中で温めていただけだ。
て言うことでどうするか?
セラフィーナさんには竜人族の元に行くと説明してある。
レオノーラとアンジェリカにも説明しとくか。
無駄飯喰らいどもめが・・・料理覚えねえかなこいつら。
確かさっき飯食ってたが・・・いねえ。
どこいった?
お?
射的練習場で教練を行っているようだ。
射的と言っても魔法しか打たないけどな。
二人の後ろからそーと近づく。
「そこの二人」
「はひ!」
「お?」
何だこの反応は?
実は何か隠してることがあるのか?
調査が必要なのか?ということは諜報部に指示を出して・・・
く・・・
そんなものはなかった。
「今日の晩から2,3日留守にします。食事は魔法の鞄に入れて台所に置いていますのでそこから出してください」
「そうなのか?」
「ああ。あの件ですね」
「あの件?」
「竜人族の街に行くんでしょう?」
何故知っているんだ?アンジェリカ。情報管理ざるだなイケメンエルフ。
「そうだ。知ってたのね」
「行くのは明日からではなかったのですか?」
「夜に移動すればその分移動距離を稼げるから」
「書状とか受け取りました?」
「は!」
そうか。しまった。なにか紹介状みたいなものを持って行かないといかんということだな。
書状寄越せよと殴り込むべきだろうか。それだと貸しを作ってる感が増してしまう。
ここは対してありがたく思ってない風情でいこう。
竜人族の祠に行ってあげるけど感謝してないんだからね。てきな。
であれば今日はおとなしくしとくか。
違った。街道の整備をしてるのを装うために道の開墾を行わないといけないのだった。
街道作るフリをするために道を作るのだ。何言ってるんだと思うが必要なのだ。
ということで昨日開墾した箇所まで爆走しよう。
開墾自体は200kmほど済んでいる。
道路工事はどこまで進んでるのだろうか?まあ走ってる最中に追い越すはずなので・・・
ゴーレムの集団がいた。
ここは迷宮都市から100km位なので大体予定通り。何も異常はないよね?たぶん大丈夫。
先を急ごう。
昨日の開墾終了地点に到着。
後は同様に出来るだけ直線になる様に谷を埋めていく。山は地下をくり抜いて整形していく。
工事で出る余った黒土と腐葉土は街道の脇に積んでおく。後で領地に持ちかえるとしよう。
というかついでなので役立ちそうなというか珍しい植物や野草を探して回収しながら進もう。
さくさくと作業を行い進む。もう小さいところは適当でいいんだ。開墾速度優先だ。
何かあったら後で直せばいいんだ。
ん・・・・おまえ・・・椿じゃね?
お前椿油の椿だよな。こいつを領地に持って行けば椿油が簡単に取れるようになる。
根っこをうまいこと土壁魔法でまとめる。
アイテムボックスに入らんがな。
大きさ問題で入らないのか?
であれば・・・マジックハンドで枝をグーとまとめる。
根っこの方も土壁魔法で渦を巻く様にまとめていく。
・・・入らん。
この大きさなら入らんことは無い気もするが入らない。
いったん元の状態に戻して地面に植えておく。クリエイトウォーターでたっぷり水をやっておく。
今度ゴーレムたちを連れてきて担いで持って帰ることにしよう。
む・・・ここにこいつがいるってことはこの周りにこいつの子供たちがいるはずだよな。
斜面がこっちなので・・・でもって同じ葉の形を持つものが椿の苗ってことになるはず。
第一椿の苗発見。
根っこを切らないように掘り起し土を半分落としてからぐるぐる巻きにして表面を土壁でコーティング。
アイテムボックスに・・・入った。
ここいら一帯の小さい椿は全部持って行こう。ちくちくいくぞ。
あれ・・・小さいものはアイテムボックスに入るが少し大きいものは入らない。
高さが2mを越えると入らないものが出てくる。
体積と言うか長さ的には入らないとおかしいのだが何故か入らない。
そもそも動物は入らない。ウサギとかで確認している。
だが植物は入る。癒し草を始め各種野草も入るしサトウキビも入った。
椿の苗も小さければ入るがある程度の大きさだと入らない。
だが明らかに大きさ制限で入らない大きさではない。
・・・そう言えば腐葉土の中の小さな虫やミミズはそのままアイテムボックスに入った。
ということは・・・・
生き物は入らないのではなく小さな生き物は入るがある程度以上の生き物は入らない。
それだと大きさの基準が分からなくなる。
ウサギは入らないが体積的には椿の苗の方がデカい。
むむむ・・・・
おっと。それどころじゃねえ。これは後で検証しよう。
取りあえずアイテムボックスに入る苗だけを選んで回収していこう。
よし・・・こんなもんだな。
後は開墾を行うのみ。山は地下掘って地形ごと沈めその排土で谷を埋める。
お・・・どんぐり見っけ!
先ほどと同じようにドングルの小さい木を見つけてだす。
小さい苗として処理してアイテムボックスに回収していく。
あれ・・・・
どんぐりって何のために植えるんだ?どんぐりって食料じゃないよな・・・・
確かあく抜きして粉にしたら食えるんやったっけ?焼いたらおいしく食えるんやったっけ?
確か家畜の飼料にすると肉の質が抜群になるのだったっけ・・・
まあいい。回収したからには植えるしかない。
後はまたもやまっすぐに開墾するのみ。
・・・ぐ・・・
いい感じの小山にぶち当たった。
ど真ん中にそびえるのは魔樹だな。
直径は20m位で高さは400mに少したらない位。
ここは初心完徹でぶったおしていこう。
オリハルコンの大剣を取り出す。
武技を連発してぶったおせばいいだろう。
は?
なんか視線を感じる?
地図情報に・・・反応は無い。気のせいか・・・
スパーンと切り倒して・・・・
ん?
なんか殺意を感じた?
地図情報は・・・無い。
なんだ?これはなんだ?何か見落としてるのか・・・
お?冷静に考えると直径20m近いんで10mの刃が無いと切れん。
もしくは20m以上の鋸を作るか。
もしくは高さ2mほどを抉って削りたおしていくべきか・・・
うーん・・・・
ここは時間を優先しよう。
この小山をぐるっと回る様に円形のロータリーで街道を作ることにする。
休憩所ってことでいいだろう。ここは迷宮都市から300km位。
3つの拠点からの中間地点は400km位の予定なので休憩所は無理か・・・
ここは考えないようにしよう。
先に進むのみ。
無心で進むと少し開けた場所に出た。
だいたいここが400km地点だ。ここまででいいだろう。
うちらが先に抑えたってことで砦を作っておこう。
開けている土地は北南に1kmほどで東西にも1kmほど。西側は川に接しているので・・・・
直径300mで中心は少しばかり川側でなく森側に近づける。
堀の幅10m深さ10mでいいだろう。ていうかうちの工法はこれでお願いします。
その土で土壁を作成。圧縮は無しで幅10mで高さ10m。
これだとあまり時間もかからずさくっと作業が終わる。
よし・・・砦の下地はこれで十分だろう。
まだ時間はある。まずは領地に戻るとしよう。加速を掛けて爆走するとあっという間に到着。
さて・・・・何をしないと行けないんやたっけ?
ミニイーグルの改修をやるとするか。
何をやるって考えてたっけ?
たしかすけさんが言うに魔石のみで動けばゴーレムで運用できる説。
試してみるか。
ゴーレムを乗せて・・・
その前に魔石のみで離陸できるようにしないといけない。
魔石のみで飛ぶことは出来るので滑走路をもっと平らにして抵抗を減らせば離陸できるか?
すでにかなり平らにはしているのでそこまでの改善は難しいか。
となれば・・・石でレールを作ろう。
機体につけたソリと車輪に合わせて石製の溝を作成しよう。
この上を滑走すればかなり抵抗が無くなくだろう。
まずは1kmほど石製の溝のレールを作成。
ミニイーグルを溝に入れて機体に魔石を設置。
徐々にだが少しづつ加速していく。
先程よりかは早いがやっぱり途中で加速が止まった。
この速度では離陸は・・・出来ない。
あれ?
1kmのレールを使い切った。
途中で加速はしなくなっていたのでレールを延長しても無理っぽい。
となるとカタパルトを作るしかない。
カタパルトって電磁気で・・・違う。
蒸気だったっけな。
流石に蒸気発生器は作ってられんな。
となると・・・火薬でバーンと。
火薬の入手に困ってるちゅーの。
火薬作るの本当にめんどくさい。
であれば・・・単純に物理でいこう。
石のレールが終わる所に縦穴を作成しよう。
穴に落とすことが出来る石にロープをつけて滑車を通して90度曲げて機体に繋げる。
機体の方に引っかける金具を付けて置き離陸したら外れるようにしておく。
となると・・・縦穴は1kmいるのか。
トンネル魔法で直径2mの縦穴を作成していく。
結構な時間が掛かったが縦穴は作成完了。
後は重しとして直径1.9mで縦5mの石の塊を作成。
後はロープを・・・
ロープを1kmも持ってなかった。
むむむ・・・どうするか?
素直にロープを買いに行くか?それとも材料を入手して作るか?
木の皮を細工してロープもどきを作るでいいのかもしれん。
あれ・・・
もういい時間だ。
夕食でも喰ってから考えよう。




