24.出立
(隠蔽)
<隠蔽>
(気配遮断)
<気配遮断>
(忍び足)
<忍び足>
(魔力遮断)
<魔力遮断>
念のため気配を消して休憩部屋に入る。
ダンジョンコアさんとオークの魔王がいた。
オークの魔王は魔法陣の上に仰向けに転がっており死んではいないようだが意識はないようだ。
「ダンジョンコアさん。彼らのいうことは全くつじつまが合わないような気がしますがどういうことでしょうか?」
しまった。
質問してから思ったがよく考えたら危ない発言だ。
今まで受けた説明を疑っていると思われかねない。
「彼らがのダンジョンに関する認識ではそういうことなのでしょう。」
ダンジョンを資源として利用しているが魔物を作成する機関だとは知るはずもない。
魔物を間引かないとスタンピートすることは経験上知っているかもしれないが、魔王の発生過程は知るすべはない。
魔王がいきなりやってきてダンジョンを停止させたと勘違いしているのか。
「ダンジョンの復活というのは可能なのですか?」
「可能かどうかでいえば可能ですが放置でいいのではないでしょうか。ここに新ダンジョンを作ったことですし。」
可能であると。・・・まあ放置でいいか。
いや・・・。北のダンジョンは利用者がいた状態で運用されていた。
ここは放流で運用されるのだろう。
ゴブリンはともかくGの放流は阻止しないと。
「北のダンジョンは資源ダンジョンとして運用されていたのですね?復活させればまた資源ダンジョンとして瘴気を減らしてくれるのではないでしょうか?ここで放流型ダンジョンを運用するよりも効率的では?」
ダンジョンコアさんは少し考えて直径1メートルほどの玉を取り出しわたしに差し出しながら言った。
「そういわれればそうですね。ダンジョンコアをダンジョンに設置しにいかないといけませんがダンジョン関係者がちょうどいるのでちょうどいいですね。」
関係者・・・今わたしはダンジョン管理人だった。
これまでのすべて仕込みとかじゃないだろうな。
「これを北のダンジョン入り口まで持って行ってください。それで北のダンジョンはそのダンジョンコアの支配下にはいります。その後はコアルームまで転送できますのでそこに設置お願いします。」
私がやるのは確定と。
言いだしっぺだからしょうがないか・・・直線で300km。
遠いな。
直線!
バトルイーグルを使えばいいか。
というか連中元気なのか?
存在してるのは分かるが。
直径1メートルほどの玉はアイテムボックスに入った。
持てる重さではなかった。
硬さも尋常ではない。
よく破壊できたな魔王。
休憩部屋から出てバンパイヤとウェアウルフのもとに行く。
傷はかなり良くなっているようだ。
「ついてこい」
違った。
案内しろだった。
いい直すか考えているとダンジョンの入り口に転送された。
ぴーちゃんとバトルイーグルの烈風を呼ぶ。
烈風に運んで乗らうが3人だな。
どうしようか?・・・ぴーちゃんは自由行動でいいか。
バトルイーグルの烈風が現れ右脚にバンパイヤ、左脚にとウェアウルフを掴み飛びあがった。
悲鳴が聞こえたような気もするが。・・・というか私はどうしろと。
目の前にぴーちゃんが着地した。
こちらをジーとみている。
すると変化が起きた。
ぴーちゃんがどんどん拡大していく。
気のせいではない。
気分がわるい。
ステータスを見るとMPがほぼ0でHPがどんどん減っている。
使い魔にMPを勝手に使われているのか。
許可とかは取ることはないと。
高さが5mほどになったぴーちゃんがいきなり私の頭を掴み飛びあがった。
掴まれた角度が悪い。首が痛い。
そのまま凄まじい加速で上空に向かう。
すさまじい速度だ。
よく見ると後ろにバトルイーグルの烈風を従えて飛んでいる。
MPがなくて気分が悪い。
寒い。息が苦しい。首が痛い。気を失うと首がもげそうだ。
地獄のような時間が十数分ほど過ぎたころ地面に急降下した。
急減速の後着地した。
わたしの存在は無視して着地した。
まじで首がもげるかと。
後ろではバトルイーグルの烈風がバンパイヤにとウェアウルフをそーと地面に置いた。
やればできるじゃんと思ったが2人とも気を失っていた。
まあそうだな。
死んでもおかしくない苦行だな。
目の前にダンジョンの入り口らしきものがある。
そこまで移動して直径1メートルほどの玉を取り出す。
膨大な魔力がダンジョンに流れ込む。
と思った瞬間ダンジョンの最下層に転移した。
破壊されたであろうダンジョンコアの残骸の上に持って来たダンジョンコアが浮いている。
そのまま少しずつ下がっていきダンジョンと融合した。
(これで再起動が出来ます。7日程度で前の状態に戻るでしょう。)
ダンジョンの入り口に転移された。
バンパイヤにとウェアウルフはまだ気絶している。
地図を見るとかなりの数のバンパイヤ、ウェアウルフが潜んでいるのが分かる。
バンパイヤにとウェアウルフに蹴りを入れて起こす。
「ダンジョンは再起動した。7日は入るな。スタンピートは二度と起こすな。」
そうしないと魔王が発生することを説明するか悩んでいたらピーちゃんに頭を掴まれた。
そのまま飛び立たれる。前回を超える急加速だ。
どうやら先ほどは本気ではなかったらしい。
首に全力を込める。
そうしないと千切れそうだ。
途中にオークの大軍を見つけたが・・・考える前に通り過ぎた。
十分もせずに着地した。
時間が短かったせいか先ほどよりダメージは少ない。
ダンジョンの入り口に移動する。
何をやっていたんだっけ検証中だだったが・・・一巡したかな。
・この世界
この世の説明は一応受けた。
・この世界の住民
ダンジョンコアさんは人間のことは冒険者以外は知らないためよく分からない。
ただし冒険者がつかっている技能魔法については最低限抑えた。
後は実際に出会って探っていくしかない。
・自分の技能
【分析】
鑑定の上位版らしい。
スキルのレベルは分からない。モンスター名、レベルは分かる。アイテム名もわかる。
【キャラクター能力】
WE一人、LB6人、PP3人のゲームのキャラクターの能力を使える。
ただし解放率1%。自分+キャラクター10人いてパーティ内補正がかかっているようで自分のレべルは1だ。
キャラクターをOFFできれば補正がなくなるので普通にレベルも上げられるのかもしれない。
その場合は素の実力で敵を倒さなくてはならないがそれは厳しいだろう。
素の自分でゴブリンを倒しても数ポイントしか経験を稼げないだろうから全く意味がない。
ただし強い敵を倒したら経験値1になるのでその場合は経験値を損してしまう。
ただいくら補正されても経験値は0にはならない。
たぶん経験値1000とかでレベルが2に上がるのだろうから地道に行くしかないだろう。
というかキャラクターたちはレベルが上がるのだろうか。
それと【分析】と【キャラクター能力】のレベルが自分のレベルに比例するなら困ったことだ。
補正で成長が遅くなるのが分かっているので技能がそれに追従すると超ウルトラ大器晩成になってしまう。
技能魔法は初級は使える。
もともとのレべルがある程度高いと現在使えると思われる。
覚えてるだけのレベルだと使えないようだ。
生活魔法や支援魔法というものがありスクロールで覚えた。
バトルイーグルとの戦いでエアハンマーとライトニングアローを覚えた。
使い魔にぴーちゃんとバトルイーグルが加わる。
アイテムはすべて凍結されていて錬金術で解凍しないといけない。
WEで自分で作成したアイテムは材料さえ揃えれば新規で作れるだろう。
その他のアイテムはMPだけで作れるような状態だが実際の材料やレシピは分からないので新規で作ることはできない。
銃もある。
弾は錬金術の補修機能で復元できる。
ただし最初ある弾数に戻るだけなので戦闘の持久力はない。
せめて重機関銃の弾が数千あれば・・・というか銃は人前ではNGだな。たぶん。
ダンジョン内に入ると管理人はボスエリアに転移できるようだ。
最下層のボスエリアに移動する。
ゴーレムたちがそのままの状態で待機している。
アイテムボックスに収納できるようだ。そのまま全部回収する。
休憩室に入るとダンジョンコアさんがいる。
オークの魔王はいない。
「正直魔王は倒せないと判断しておりました。ゴーレムで動きを抑えておいて魔法と銃器による遠距離攻撃でHPを削る。その後ゴーレムをおとりに使いフラッシュ、クラッカーで動きを止めてからの弱点への一点攻撃。今回はうまいこと行きましたがすべてぎりぎりでした。すべてのタイミングが少しでもずれていれば倒せなかったでしょう。」
気が付かない間に危ない橋を渡っていたということか。
オリハルコンの鎧でも攻撃を受けたら一撃だったのかもしれない。
「今回は構わないのですが銃器は使用しないほうがいいでしょう。」
「やはり銃器は存在しないのでしょうか?」
「存在しないわけではないのですが性能が違いすぎます。連射機能がある物は存在しません。」
見られたからには死んでもらう。
となると。
爆音もするし。
まあ・・・あそこまではじかれるとな。
もしオークの魔王がある程度のいい鎧を着ていたら全く効かなかった可能性もある。
沈黙が続く。
後何か聞くことあったかな。
重要なことを忘れていた。
「鑑定には名前はどう出るのでしょうか?黒猫武蔵とでますか?」
よく考えたらこれは大問題だ。
「鑑定では本人が名乗っている名前が表示されます。黒猫は奇妙ではありますが問題はないでしょう。武蔵は名乗らないほうがいいでしょう。」
当然黒猫を名乗る気はないが武蔵はだめであると。
「武蔵は昔地球から落ちて来た人物が名乗った名前です。武蔵はハンターギルドを立ち上げ、刀術を広げた人物として有名です。憧れて名乗る人物はいるでしょうが同じ地球から落ちて来た黒猫武蔵様は名乗らないほうがいいでしょう。」
そんなことってあるんだ。
ハンターギルドを立ち上げたということはもしかするとゲーム経験者か。
過去数人しかいないはずだが最近の話なのか。
「世間では過去の偉人ですが武蔵はその後亜神になっています。名乗ると面倒なことになるかもしれません。」
偉人の名前だから面倒でなく本人が亜神で実在すると。
さてと・・・なんと名乗ろうか。神話の女神の名前にするか。
「では私は今から クルーソー を名乗ろうと思います。この名前は問題ないでしょうか?」
「特に問題はないと思います。問題があればその時に変えてください。分析は鑑定と同じなので鑑定上の名前が変わります。もし上位の鑑定持ちに鑑定されても黒猫武蔵は表示されないようにしておきます。」
あくまで本名は黒猫武蔵であると・・・その名前にガードを掛けられてしまった。
「ほかに質問はありますか?」
「ありません。あとは体験して解明していこうと思います。」
「それでは・・・体の作り替えも終わっていますね。出発可能ですがどうされますか?」
「出発します。」
ダンジョンの入り口に移動する。
管理人権限は廃棄した。
「ダンジョンコアさんこれまでのご指導ありがとうございました。これでわたしもこの世界でやっていけそうです。本当にありがとうございました。」
「それではお気をつけて。」
ダンジョンコアさんが満面の笑みで返してくれた。
わたしは頭を下げた。
頭を上げるとダンジョンコアさんはいなかった。
最初私はダンジョンコアさんを邪神の使いでないかと疑っていた。
本来なら最高管理神に会った後にすぐこのスタートになっていたのだろう。
わたしの愚かさでダンジョンコアさんに迷惑をかけたのだ。
わたしはなんたる愚か者だろう。
ダンジョンコアさんがいなければ今の私はない。
貰った能力は無駄な現代兵器で容量を食いつぶしているが私には過分な能力だ。
この能力で私はこの世界を生きていく。
わたしの冒険は始まったばかりだ。
(* クルーソーは神話の女神の名前ではありません。主人公が勘違いしています)




