2.現状分析
これはLBのキャラだ。
始めてプレイしたVRMMOだったがなにも考えずエルフ♀でキャラクターを作成した。
エルフ♀両手剣戦士を主キャラでメインストーリーを進める。
かなり後で気付いたがこのゲームでは両手剣戦士は人間が最強でそれ以外の種族だとネタとみなされる。
つまりパーティーを組むのが難しい。
このゲームは初期設定で複数キャラ作れるのでパーティープレイ用にエルフ♀ビショッフを作った。
その後もいろんな職業を試すため
元魔法使いの侍 (・・・魔法剣士がなんで侍なんだというのは無しだ お約束だ)
元僧侶+元斥候の忍者 (・・・お約束だ)
を作成したが・・・これもエルフ♀ではネタプレイ扱いだった。
最初の両手剣戦士ではメインストーリーを進めるのにアイテム多量消費に頼るしかなくそれも厳しくなったため元僧侶の戦士を作り鍛えたが・・・ゲームが終わったのだ。
全身赤色の金属鎧と両手剣は最初に作った戦士の最終装備だ。
名前は祝福された・・・だったか・・・忘れた。
ゲーム終了時の入手可能な最高装備だ。オークションでこつこつそろえた。
このゲームはNPCの鍛冶屋で装備を強化するシステムで防具は+14、武器は+25まで鍛えた。
強化の限界はわからない。
+32とも+64ともいわれていた。
全身装備+30越えという連中もいたがそこまで無理だった。なにが無理か?課金がな・・・
レベルキャップが160でこのキャラのレベルは152だったはず。
ゲームのことを思い出すのはとりあえずやめよう。どうしてこうなった・・・
飲み会に行ったのは覚えているがその後からいままでが空白だ。
どっかの飲み屋にでも行って階段から転げ落ちて頭ぱっくりわれて集中治療室で夢見てるとか・・・そんなこともあったな・・・
飲み会のことを思い出していくと急に空白の記憶が脳裏によぎった。
それは私がここに落ちてくる少し前のことだ。
宇宙空間に立っている奇妙な感覚があった。まわりは暗闇のなかに星がきらめいていた。
そこに白髪の少年が宙に浮いていた。
「はじめまして。お話いいですか?」
こちらが返事をする前に少年は話を続けた。
「あなたは魂と体両方とも元の時空から転げ落ちました。あなたの知識でいうと異世界転移です。ちなみに勇者召喚とかではありませんので」
「ここまではよろしいですか?」
わたしは無言でうなずいた。
「時空から落ちた理由はこちらではわかりません。めったには起きないのですがありえないことではありません。」
「帰ることはできるのかと聞かれると思いますが・・・現時点では無理です。帰る方法がない訳ではありません。ただ座標と時間を知ってるのがあなただけだということです。そして今のあなたは帰還する能力がないということです」
「わたしはこちらの世界の最上位管理者ですがこちらから落ちてきたあなたの座標、時間を調べることはできないのす。ただがっかりしないでください。落ちてきた転移者には支援を行います。」
このときわたしがしらふだったなら・・・わたしはいくら飲んでも変わらないといわれていたが実際は泥酔していた。
「異世界転移・・・チートスキルを貰えるってやーつだな?」
「ええそうです。ですので・・・」
最上位管理者とやらの発言をさえぎり
「分析だな」
「は?」
「分析だよ。分析。発生した事案の原因を全部明らかにする。で全要素についてなんでそうなったかをどんどん掘り下げて発生の本当の理由を突き止める」
「たしかにその能力だといろいろ便利だとは思います・・・あなたの知識にある鑑定技能と同じだと思いますので可能です。」
そこでわたしの感情が爆発した。
「トラブルを起こしだと。原因は明らかな不正な条件での使用だろ。「君らサー不具合分析だしてね!不具合分析!なに?そこから?不具合分析!不具合の原因は何なのか?なぜ仕込んだのか?今後起こさないための対策はどうするのか?客先に報告するから早急にね」じゃねーよ!うちの営業も「お客さんが言ってるんで分析よろしく!」じゃねーよ。うちの責任で着陸することに決定してるのに気づけよ!」
「は?」
なんか叫んだらすーとした。もういいか・・・
「異世界転移最高ーレッツゴ-」
そういってジャンプすると身体が急速に落下し始めた。
「ちょーーーーーー!なにやってるんですか!分析とかの能力だとすぐ死んじゃいますよ!!!」
「んじゃやってるゲームのキャラの能力でいいよー」
どうやら泥酔してチート能力をもらうのではなくゲームのキャラになることになったらしい。
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