7-6.猫さんと地獄の業火
元リビングアーマーゴーレムから押し付けた魔石を取り外す。元リビングアーマーゴーレムと持ち運び用の黒魔鉄ゴーレムをアイテムボックスに収納する。
元リビングアーマーゴーレムは4機とも魔石を貼り付けた状態で運用するべきか?
魔石の所費量がどのくらいになるか分からないのが何とも言えない。
外付け装甲の中に魔石を収納でもいいのだがそれだと魔石でブーストアップする場合アイテムボックス内で装着してから出すかアイテムボックス外で装着と言うことになる。
戦闘開始後にブーストアップが必要となった時にそれでは非常に困ったことになる。
いったん回収してから外付け装甲を装着後再出撃となると・・・ブーストアップが必要な緊急事態にそれが可能であるのか?・・・まあいい。それは後で考えよう。まずは鉱石採取だ。
いったん拠点を北に抜けて堀と壁を飛び越える。そのまま河川敷に移動して全力で南下する。
ここから地図情報は使っておこう。
おう?迷宮都市の西に誰かがいるぞ?そういえばそこで海賊船の調査と修復を行っているんだった。
どうしたものか?迷宮都市の東側から移動するか?
それだと街道を見つからずに横切れる保証が全くない。おのれ海賊船。
川底を移動すればいいのだ!
この川は海賊船が遡上して旋回出来るぐらいの幅があるし川底も結構深い。
まあそうでなけば雪風がうろうろできないからな。
気配を消してオリハルコンの鎧を装備してアクアブレスの魔法を掛けて川の中に移動して水流の魔法で川底を進む。途中いろんなものに遭遇するがすべて跳ねていく。
魚やカニはそのままアイテムボックスに収納する。やったね!食材のストックが増えるよ。
迷宮都市の南側で河原に上陸する。右見て左見て上見て地図情報を見て猫さんがいないことを確認。
その他もいないことを確認。
後は地下への通路を隠している場所に移動し土をどけて地下に侵入する。入り口はまた隠しておく。
これで猫さんに遣られることは無くなった。入って来れないからな。地下道ごと潰される可能性があるのか・・・まあその時はその時だ。
前回掘った地点まで移動して鉱石探知。鉱石探知は地図情報とリンクするよな?
出来るようだ。まだまだ鉱石は多量にあるようだな。
鉱石も土も丸ごと掘削魔法で掘り進む。掘った後に土をアイテムボックスに収納して錬金術で硝石と希少金属を取り除いて回収する。
処理が終わった土を使い土壁魔法で掘削で作った地下空間を補強していく。これで崩れたり埋まったりはしないはず。だといいなあ。
鉱石にゴーレム魔法をかけてアイアンゴーレムを作っていく。中空構造にはしないので一体あたり900kg程度になる。残った鉱石はアイテムボックスで希少金属の抽出を・・・
今回はやり方を変えよう。残った鉱石はゴーレム魔法でストーンゴーレムを作成する。
このゴーレムには希少金属が含まれるので拠点に移動させてから抽出させることにしよう。作ったゴーレムは私に追従させることにする。
掘削して土を処理して土壁を作る。
アイアンゴーレムとストーンゴーレムを作る。
掘削して土を処理して土壁を作る。
アイアンゴーレムとストーンゴーレムを作る。
掘削して土を処理して土壁を作る。
アイアンゴーレムとストーンゴーレムを作る。
ん?・・・何かを感じる。これは・・・魔力を感じるきがする?これは上なので・・・地上なのか。
むむむ・・・どうするか?いい感じで鉱石が取れているんで中断したくはないが・・・見に行くか。
地上に斜めに掘削を行い土から硝石を抽出して土壁魔法を使う。地上に出て地下への穴を土で隠す。
ゴーレムはいったん地下で待機。
右見て左見て上見て地図情報を見ると・・・南側に何かがいるな?
それも結構な数だ。地図技能でも反応がある。
魔法発動<隠蔽>
武技技能<気配遮断>
武技技能<忍び足>
武技技能<魔力遮断>
近づいていくが数がどんどん減って行っているな。誰かが戦っているのか?
何かが見えた。あれは・・・猫さんでは?
武技技能<鷹の目>
猫さんが金属の全身鎧を着た連中と戦っている。
全身鎧はぶっ飛ばされてぶ飛ばされてぶっ飛ばされている。
だがなかなかいい腕だ。
猫さんの猫パンチでぶっ飛ばされても即死せず反撃もしているようだが焼け石に水状態だな。少しずつ数が減っているのは殴られ過ぎで力尽きているようだ。おっとダブルパンチで瞬殺だ。それは反則ですよ猫さん。たしかボクシングのルールでは。
このままでは全身鎧の連中は全滅だが・・・まあいいか。ここでは木を切らなけば猫さんと敵対することはないはず。たまに稽古をつけられるのがな・・・
逆に猫さんがいればここの鉱石を独り占めできるということだ。
・・・迷宮都市の兵士じゃないよね?だとしても介入は出来ない。私も瞬殺されますからな。
それでは見つからないうちに帰るか。そうじゃない。魔力を感じたので来たのだった。どこだ?
北東に少し行ったところから魔力を感じる。
猫さんに気付かれないようにゆっくりと魔力の元に近づいていく。
近づくいていくと・・・見えた。
いかにも騎士ですと言う連中が数十人と魔法使いが十数人。物陰に潜んでから鷹の目を使って見てみると何らかの魔法陣を地上に描きその上で魔法使いが詠唱を行っている。
これはいったい?お?動きが変わった。詠唱が終わるのか?
魔法発動<ヘルファイヤ>
へ?
後ろで大爆発が起こった。そこは猫さんが戦っていた場所だ。
ターゲットは猫さんで先ほどの全身鎧は時間稼ぎと言うか足止めだったということか。
地図情報では・・・反応が1つしか無い!
連中全身鎧の連中ごと猫さんを攻撃しやがった。全身鎧は最初から使い捨てにするつもりだったのか?
その割には装備も練度も良かった気もするが。
私の後ろは火の海だが残った反応がこちらに高速移動している。
もしや?
全身に火を纏った猫さんが魔法陣の真ん中にダイブしてきた。
そこにいた魔法使いはびちゃっと潰れた。次の瞬間魔法使いも騎士も全員前足で吹き飛ばされる。
そのまま火だるまの猫さん無双だ。数十秒で猫さん以外の反応が無くなった。
後ろもそうだが火だるまの猫さんが暴れたもんで辺り一面火の海だ。どうしたもんか?
消火活動をするべきか?
ん?・・・猫さんがこっちを見てるような?やばし。
猫さんがこっちにゆっくり近づいてくる。逃げないといかん!
猫さんもゆっくりだが私はもっとゆっくりでしか動けない。
もしやこれは走馬灯状態と言うやーつ?ほんとうにやばい。
無詠唱 (シールド)*10
あれ・・発動しない?
魔法発動<シールド>*10
無詠唱から発動まで1秒程度かかるようだ。同時でなく0.1秒経過後次のシールドは発生している。
実際の動きはこうだったのか。アロー系や中級でも検証しないといかんな ふが!
凄まじい衝撃で吹き飛ばされ樹木をなぎ倒し斜面を転がって行く。
シールドは一撃ですべて吹き飛び私に大ダメージが入った。超激痛だ。
まだキャラクターは死んでないので今のうちに逃げないと おが!
空から猫さんが降ってきて前足で踏まれる。
<デッド。12時間以内に蘇生出来ない場合は灰になります>
<デッド。12時間以内に蘇生出来ない場合は灰になります>
<デッド。12時間以内に蘇生出来ない場合は灰になります>
重い!重い!重い!息が出来ない!激痛と言うか死んでしまう!というか死んでますがな!
痛いのになんか混ざってる!よく見ると私も燃えてる!熱!熱!熱!
< 死亡しました。1分以内に蘇生を行ってください。
蘇生石を使用しますか?街に強制帰還しますか?(デスペナルティーが発生します)>
これはやばい。このままでは猫に前足で踏まれてゲームオーバーという人に恥ずかしくていえない状態になる。
とりあえず火を消さないと!アイスバーストか・・・それだと私にダメージがはいりそうだな。
威力最大からの
無詠唱 (クリエイトウォーター)*10
魔法発動<クリエイトウォーター>*10
これも無詠唱から発動まで1秒程度かかるようだ。
やはり発動は同時でなく0.1秒経過後次の魔法が発動する。
あぼぼぼぼ
多量の水が発生しているが猫さんの前足に押さえつけられているため溺れそうだ。だがとりあえず火が消えるまではクリエイトウォーターを止める訳にはいかない。
無限の時間が過ぎた気が・・・気が付くと自分の作った水に流されていた。クリエイトウォーターの魔法を停止する。
なんとか上半身を起こし周りを見渡す。猫さんはどこだ?いないのか?
ん?・・・この目の前にある炭化した塊は?
「おまえか・・・」
おお!ビビった。猫さんだった。
「ちょうどよかったにゃ・・・おまえにこの森の守護を任すにゃ」
「え?」
何言ってんの猫さん?燃えておかしくなったか?
「儂はもうだめにゃ。今からはこの森をお前が守るにゃ」
「何言ってるんだ猫さん。だめことないよ」
いやー・・・どう見ても炭化した何かだった。
「儂はもう覚えていないくらい長いこと生きたにゃ。もう十分にゃ」
「どうした猫さん!そんなこと言わないでがんばれよ!」
「もういいにゃ。後は任せたからにゃ。手を抜いたら7代先までで呪うからにゃ。あの世から監視するからにゃ」
7代先!血筋でいうと128分の1。そこまで行くと他人だぜ。
おお・・・他人だからいいか・・・違う。そうじゃない。私が呪われる。
無詠唱 (マイナーヒール)*10
魔法発動<マイナーヒール>*10
無詠唱 (ライトヒール)*10
魔法発動<ライトヒール>*10
無詠唱 (ヒール)*10
魔法発動<ヒール>*10
無詠唱 (シリアスヒール)*10
魔法発動<シリアスヒール>*3
無詠唱 (リジェネレイト)*10
魔法発動<リジェネレイト>*3
全く効いている感じが無い。
課金アイテムの回復ポーション、完全万能薬、最高級万能霊薬を使用する。
これも全く効いている感じがない。
猫さんがボロボロと崩れて小さくなっていく。
「使い魔」
発動しない。
「レイズ」
発動しない。
「レイズデッド」
発動しない。
「リザレクション」
発動しない。
使用できる蘇生魔法を探しておくべきだったな・・・
もしくは強力な治癒呪文。
もうどうしようもないのか・・・猫さん・・・
焼け炭状態の猫さんが小さくなって消滅して・・・
ん?
ん?
そこには茶トラの子猫がいる。
目の錯覚か?
「にゃ」
にゃ?子猫が鳴いている。幻聴ではない。
「にゃーん」
にゃーん?
「にゃ」
これはいったい・・・にゃ?




