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6-14.急がばまわれ

昨日は早く休んだのだが目が覚めたのは日が登ってからだった。

最近目覚めが悪いような気がする。は!

もしして働きすぎなのか。このままだと過労死なのか。

とりあえず船をかたずけないとどうしようもない。

これをかたずけて自分の強化を行わないといけない。

まず浮遊、水流、風流の魔道具の複製は・・・出来ているようだ。

オリジナルはこのままとって置こう。

複製した魔道具は金属を石に変えておくか。

おお・・・作業中だが石はやばいのか。動くかどうかのテストをしなくてはいけなくなる。

海賊船に積んであったのをそのまま使ったことにしよう。

魔道具を石製に作業をしていたのを元に戻す。

後は大発動艇に魔道具を取りつけ可能にするだけだ。

昨日取りつけた人力で漕ぐチェーンをすべて外す。

この船も文字や記号をすべて消していく。ついでに全金属に錆び止め加工をしておく。

銃の台座も取り外す。

ランプを引き上げるのと錨を引き上げるのにウインチを使っている。

これはどうするか・・・

ウインチを回す動力を外してチェーンと歯車を使い人力で回すようにしよう。

昨日のチェーンと歯車を流用する。

スクリューを外し穴を塞ぐ。

後は魔道具をはめ込んで固定できるような台を設置する。これで終了だな。

後は前面に石粉を石壁魔法で貼って行く。石粉塗装だな。

見張りをしていたゴーレムを家の隣にある見張り台の土台に移動させる。

大発動艇をアイテムボックスに入れて西の川に向かう。

このまま川を下って引き渡せば終了だな。

まず動作するか確認から。浮遊の魔道具に魔力を込める。

少し船が浮きあがる。まあこれはこれでいい

・・・違う。魔石をつかわないといかんと。

前回作った魔石を取り出し設置する。何となく効果が薄い気がする。

というか魔道具の魔石を置くところの形状から推測するにたぶん大きさが全く違うのだろうな。

もしかしたら重さ当たりの出力も違うのかもしれない。これは分からんな。

まあいい。デーモンの魔石を使ってこの魔道具用の魔石を作成する。

デーモンの魔石は大きいので1個でいいか。

本来はもっとデカいのかもしれないが船の大きさがかなり違うからこれでいいだろう。

デーモンの魔石から作った魔道具用魔石を設置するとかなり船が浮きあがった。

これはこれでいいか。

次は風流。船尾にそのまま取り付けたが・・・

どうやらこれでいいみたいだな。明らかに川を下るよりかは船足は早い。

ただこの感じだと川を下るのはいいが・・・

遡ることは出来そうだが速度がかなり遅くなりそうだ。

魔石を外し船底に潜る。元機関室だが今は浮遊と水流の魔道具しかない。

水流の魔道具に魔石を設置して機関室から出て操舵把を握る。

先ほどと違いかなりの速度が出ている。90km/h位つまり50ノットほどは出ているようだ。

あっという間に迷宮都市の西側の海賊船が揚陸している場所に到着した。

ジークさんをはじめ職人たちもいるが兵士たちも大勢いる。

アルゴランとマリアさんもいるな。一体なんだろう。

大発は揚陸能力を持っているの見せつけるとしよう。

取り舵を取って船首を自分で作った斜面に向ける。

思ったより操作性が悪い。川の流れがあるから左右にかなり揺れる。

陸地があっという間に近づいてくる。速度が速すぎるのか。

速度を落とさないと・・・

おお・・・そんな機能はないな・・・

船底に下りて魔石を外さないと・・・いや・・・

今操舵から手を離すわけにはいかん。

そのままの速度で船は斜面に突っ込み、衝撃で私は前方に吹き飛ばされた。

このままでは船首のランプに叩き付けられる。

ランプに蹴りを入れて回転して地面に着地する。華麗に決まった。

これで・・・


みほが!


超高速で斜面にすべってきた大発動艇に轢かれそのまま転がる。

そのまま大発動艇は私の上を通り過ぎた。私は丸太じゃないんですよ。

ひき逃げですな。犯人も被害者も私だ。

立ち上がるとジークさんとアルゴランが近寄ってきた。


「何やってるんだい?クルーソーさん」


そこは大丈夫かい?じゃね?


「船に魔道具を付けて試走したんですが・・・運転には最低2から3人要りますね」

「どういうこと?」

「指示を出す艦長。舵を操作する操舵手。魔道具を操作して推力を調整する機関士。艦長と操舵手は兼ねることでもいいかもしれません」


船を見て回るがどこも壊れていないようだ。

斜面の角度が浅かったからか・・・船に入って魔道具を見て回るが異常はない。

魔石は回収しておく。

いちおう軽く説明をしておくか。

すべての魔道具は脱着可能。浮遊は機関室の底に設置。水流は船底の後部。風流は船尾の甲板の上。

今思うにエンジンを撤去してそこに浮遊の魔道具の設置は重量的にまずかったかもしれない。


「なんでこんな形なんだい?」


まあそういう疑問はあるだろうな。


「汎用性を重視しました。揚陸も出来る。兵士もそこそこ詰める。ということでこの形にしました」

「装備は?」

「そこの海賊船はバリスタ、弓、クロスボウ、銛、爆雷、魔法で攻撃してきました。それは海賊船から載せ替えるか新規で調達するかしてください」

「なるほど・・・所詮兵士が戦うということか」


対艦を考えると大砲ということになるが・・・

あるかどうか分からないから口に出すわけにはいかん。もし存在すればあちらで思いつくだろう。


「アルゴラン様!魔物が来ます!」


マリアさんが走ってやってきた。魔物?

地図情報を見ると・・・懐かしい。ビックリバークラブが団体で川から上がってくるところだった。


「カニ肉大量ゲットですな」

「あれって食えるのか?」

「何言ってるんですか?カニ肉激ウマですよ」

「そんなこと言っとる場合か!多量だぞ!」


だから大量ゲットだと言ってるじゃん。


「そうだな・・・そういえば戦術戦略技能があるんだよなクルーソーさん。指揮を執ってくれ」


何言ってるんだお前は?


「ここはあなたが指揮を執るべきでは?」

「なにを言ってるんだ?被害最少で技能持ちが指揮を執るのが当然だろう」

「領主を差し置いて私が?」

「体面を気にしろと?私は貴族でないから気にしなくていいぞ」


そうでないんだが・・・

被害が激減してもその被害を受けたやつはそうは思わないだろう?

被害は出ないだろうからまあいいか。


「では・・・ジークは兵士を指揮して船を守れ。アルゴランは右からビックリバークラブをやれ。マリアはジークと兵士の支援。私は左からやる」

「え・・・」


三人ともきょとんとしている。理解が出来ないのか?


「指示が聞こえなかったのか?」

「いや・・・そうでなくてじゃな」

「だったらさっさと動け!のろまは誰でも出来るぞ!」


さて・・・私は左からやる。ミスリルと魔鉄の大剣を装備。

刀も装備・・・おおおお・・・変なスライムみたいのが着いたままだった。

仕方がない。大剣一本でいくか。


武技発動<縮地>

武技発動<吶喊>

武技発動<瞬歩>

武技発動<天空切り>

武技発動<瞬歩>

武技発動<大地斬>

武技発動<瞬歩>

武技発動<スマッシュ>

武技発動<瞬歩>

武技発動<パワースマッシュ>

武技発動<瞬歩>

武技発動<牙刺斬>


前回は突き刺して抜けなくってあわあわしたのがうそのようだ。

いかんな。イケメンエルフが尋常でない速度で蟹を屠っている。負けるわけにはいかん。

結局私が20匹ほどイケメンエルフが30匹ほど倒したところで蟹が撤退していった。

こっちは技能を連続使用して20匹だがあっちは技能を発動してないからな・・・

基本の力が違いすぎる。

ジークさんとアルゴランがやってきた。遅れてマリアさんもやってきた。


「あっというまじゃったの・・・で先の指示なんだがあれは?」


?・・・なにがひっかかってるのか?むむ・・・敵を倒せなくてすねているのか。


「優先順位を付けたことですか?船の保護が一番です。敵の殲滅はその次ですね。なのでジークさんに船の守りに、マリアさんに支援に回ってもらいました」

「範囲呪文をぶつけるのがセオリーと思いましたが」


これはマリアさん。戦えなくてすねてる・・・のはないな。


「魔法だと素材が痛むんですよね」


そこにある蟹の死骸から腕を切り取る。ナイフで身を取り出し食べる。激ウマですな。


「・・・生で食えるのかそれ」

「ええ・・・おいしいですよ。皆さんは食べないんですか」

「食べ物として流通はしていないはずだ・・・お!そういえば。蟹の甲羅の武具ってあったよな?」


ジークさんが職人に声を掛けた。


「はい。初心者や初級者用にあるみたいですね」

「だとすると狩りに出かけている訳じゃな。で・・・食えるのか?」

「たまに団体で狩りに出かけているようですね。食べられますよ。初心者エリアではたまに出回ってます。というかおいしいですよ」


なんだと・・・貧民街・・・じゃない初心者エリアか。そいつらしか食べてないのか。


「なるほどな・・・ではどうする?魔石を取った後はそちらに廻すか?半分はクルーソーさんのものになるがどうする?」

「確かに武具の素材として使えますが・・・今は作るものが無いですね。それでいいですよ」


マリアさんに指示を出して運ばせるようだ。


「で・・・なんだったかな。この船の運用だったな」

「そうでした。揚陸や搭載能力を優先したのでこの形になりました。浮遊と水流、風流を同時に使えばかなりの速度が出るはずなので偵察任務にも使えると思います」

「なぜ揚陸能力がいるんだ?」


捜したら大発だったからだ。だが・・・そんなことは言えない。


「この大きさだと海の上を何日も移動はできません。定期的に陸上に乗り上げて補給や休憩を取らなくてはいけません。まあそれと人員の移動を行わないといけない時にはこの機能が入るでしょう」

「人員の移動と言うのは?」

「ここらでいうと川の向こう側に兵士を展開させようと思ったら・・・と言うことです。これがないと上流に行って渡れそうなところを探すということになります」

「後は武器か・・・船は移動手段で馬と同じようなものか。空の魔物は陸と同じだからいいが水中か・・・銛だったか。とりあえずこれでいいな。真似でいいから作ってくれジーク」


おお!こっちに振らなかった!ラッキー。


「それはいいが・・・水中に投げるんだよな。威力が低くなるし・・・使い捨てだよな。対費用効果が悪くないか?」

「威力に関してはバリスタで撃てるようにする。費用についてはロープを付けておけばいいですね」

「んるほどな・・・ロープを船につなぐと大型の魔物相手だと危なくないか?船が引きずり込まれる」

「小型の相手の時はロープを船に繋ぐ。そうでない特は木か何かで浮きを作ってそちらに繋げればいいでしょう」

「そうじゃな。それで準備するか・・・そういえば水流と風流があるのはなんでじゃろうな?」

「海賊船に装備してあったから積んだのでよく分からないですが・・・風流だと速度が出ないんですよね。水流だと結構な速度が出ます。速度の調整は魔石側でも出来るので2つあるのは不思議ですね。魔石の消費量は調べてないのでなんとも言えませんが・・・水流が主で風流は速度追加用も知れません。まあ魔石の消費によっては逆の可能性もありますね」


マリアさんが指示を終えたのか帰ってきた。


「アルゴラン様。不興を招くようですが申し上げます。先ほどの魔物は明らかにこの船が原因で現れたと思います。兵器として整備するのには問題があるのではないですおか?」


おお・・・

確かにタイミング的にはそうだな。

どうしよう。


「ああ・・・そういうことか。クルーソーさん。ここへの移動は水流を使ったそうだな?」

「ええ・・・そうですが」

「水流は速度が出るが強力な力で水面をかき乱す。弱い魔物や動物は逃げるが強いものは寄ってくるということではないかな」


おおお・・・どうしたアルゴラン!

なんか腐ったものでも食ったか!さえてるな。


「なるほどですね・・・普段は風流の魔道具や帆に風を受けて進み、速度が欲しい時か戦闘中に水流を使う。そんな感じかもしれませね」


とりあえずこれで運用することになった。何かあれば都度修正という玉虫色運用だな。


船を引き渡して迷宮都市の西門へ移動する。

さて・・・すべて済んだよな?なにもないよな?

なにもないはず。だがだからと言ってダンジョンに入るのにはすこし時間が遅い。明日にするか。

迷宮都市を北に抜けようと思ったがこちらの家に顔を出すか。

明日の予定を一応聞こう。もし暇だと困るな・・・むむむ。

家の前にアンジェさんととレオノーラさんがいた。冒険者風の男もいる。

どこかで見たような・・・


「ちょうどよかった」


何か良かったんだ?レオノーラさん。


「冒険者ギルドがクルーソーに用があるそうだ」


冒険者ギルド・・・圧迫交流会で追い出された奴か。


「わたし冒険者ギルドのカルヴィンといいます。クルーソーさん。単刀直入にいいます。冒険者ギルドに入りませんか?」

ここから冒険者ギルド編が開始なのか・・・

本当に?

いまさら?


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