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5-7.裏領主

「ここで立ち話もなんですから・・・こちらにどうぞ」

状況的にこの人がアビリアさんでこの都市の領主なんだろう。

今までのこれすべてが芝居と言うことはないだろう。

が・・・そうなるとこの熊もどきがギルド長になる。

マジか・・・

まあ仕方ないからついていくことにする。

中心部より少し北側に大きな屋敷がありそこに入って行く。

ここが領主の屋敷ということか。

何故か熊・・・じゃなくてギルド長もついてくる。

そういえば向こうはこっちの名前を知っていたな。

門番から私が来たとの連絡が行ったということだろう。

もともとこいつらが援軍を呼び出したのだから打ち合わせをするということか・・・

あれ?

門番にアルゴランからの手紙は見せたが開封はしていない。

ということは事前に私が代理という連絡が来てるのか?

私より早く移動は出来ない気もするが。


会議室と言うか応接室のような場所に通された。

勧められて席に座る。領主の後ろには兵士が一人立っている。

熊さんは一人だ。メイドさんがお茶とお菓子の準備をしている。


「では改めて。はじめましてクルーソーさん。わたしはアビリア。この都市の領主をやらしてもらっています。こちらはラトックさん。冒険者ギルドのギルド長です」


・・・?無言で私を見ている?


「ああ・・・初めまして。クルーソーです」


・・・忘れてた。手紙か。


「これがアルゴランからの手紙になります」


立って渡そうとしたがいつの間にか後ろにいた執事さんが運んでくれるようだ。

今みんな一瞬怪訝な顔をしたような気がする・・・

険しい表情で二人は黙って手紙を読んでいる。

お菓子を食べながらお茶を飲んで手紙を読み終わるのを待つ。

良く見ると兵士もメイドさんもなんかみんな険しい顔している。

そんなに困っているのかな。


「少し質問いいか」


ギルド長が発言した。・・・ああ。私に言ってるのか。


「はい。いいですよ」

「闘将に支援されたデーモンをおぬしが一人で倒したそうだがそれは本当か?」


あのやろう・・・

何ばらしてるんだよ。ここはみんなで力を合わせて倒しましたということに・・・

違うか。確かに私が突撃して倒したよ。ちくしょう。


「ええ。そうですね。使役されていた?デーモンは私が倒しました」

「そうか・・・で・・・名代か・・・」


なんか悩んでいるな。

何かヤバイことでも書いてあるのだろうか。覗いておくべきだったか。


「正直言ってな・・・代理を送るとは連絡が来ておったが・・・こんなに若い娘とは思ってなかった。それも一人だ。それで十分と書いてあるがな」


むむー。そうか。こんなのが一人で来たのでがっかりだと。

まあ・・・そう言われればそうだな。確かに。


「まあ・・・それはいいでしょう。アルゴラン様がそう判断したのであればそれで。お尋ねしますがここに来た理由についてどう聞いていますか?」


今度は領主の発言だが・・・どう聞いている?


「デーモンはここの迷宮からは出れないが憑代を使って迷宮から出るやつがいる。それを殺してくれと頼んだら援軍に来いと言われた。と聞いています」

「おう・・・あの野郎・・・ちゃんと説明してないのか」


なぬ・・・もしかして嵌められているのか。


「憑代を使ってここから出ていくのがいるのは分かっていた。それはラルス側と共同で事に当たる予定だったのじゃが・・・ちょっと問題があってな。ここの兵士とギルドの冒険者を投入できない状態なんじゃ。なのでそちらに兵を出してくれと言う話じゃったんだが・・・ああすまん。ラルスのことは知っておるのか?」


兵をよこせと言ったら・・・エルフ娘が一人で来たと。

普通なら殴られるな。というか問題?


「裏領主とか呼ばれているとか言うのは聞いています。それで問題とは?」

「先ほど変なのに絡まれたじゃろ・・・あれじゃ」


あのチンピラのことか?たいした問題じゃないような。


「ラトックさん。それでは何の話か分からないでしょう」


領主の発言だが確かに分からない。


「あいつはアルバロの騎士だと名乗っただろう。今回はそれは無視して都市から追放したが・・・あれは確かにアルバロの寄子なんだろう」


寄子?


「寄子ってなんですかね?」

「そこからか・・・ああそっちにはそういうのはないからな。アルバロは伯爵だから男爵が部下にいる。これは分かるな?」

「はい。そのくらいは」

「男爵がいてその下に騎士がいる。伯爵から見た男爵。男爵から見た騎士を寄子と言う。逆は寄親だ。爵位を与えるのは国王しかできない。だからと言って貴族全員が国王の部下という訳ではない。伯爵は国王の部下だが男爵や騎士はあくまで寄親の部下と言うことになる」


むむむ・・・中世ってそんなだったっけ・・・まあいいか。


「でだ・・・奴はアルバロの関係者でこの迷宮都市で問題を起こした。最近これと同じ事態が多発している」


若い貴族が迷宮都市で問題を起こしまくっていると・・・で?


「それと王国の聖騎士団がアルバロに遠征にしてきているらしい。表向きの理由は廃墟に巣食う強力なアンデッドを退治するためってことだが」


・・・まったく見えてこないな。


「説明するのは難しいんだが・・・それらを考えて儂らはアルバロの連中がここに攻めてくると判断している」


そこは説明してくれんと分からんがな。


「それでは分からないでしょう。私が説明しましょう。この都市は政治的に独立しています。ですがアルバロ伯爵より王国の配下に下るように提案がありました。脅迫ともいいますが・・・まあそれは断りましたが・・・アルバロ伯爵の性格や経済状況を考えるに彼は戦争を望んでいると判断します。先ほどクルーソーさんに絡んだ男はここで問題を起こすために送り込まれた可能性が大です」


あなたの説明でも分かりませんがな・・・もしかすると私の頭が悪いのか。


「まあ喧嘩を売って・・・それで死んでくれれば自動的に戦争ができるってことだ」


あ!

つまり鉄砲玉ってやつか。なるほど。


「では・・・私の対処はやばかったですかね・・・すいません」

「それはいい・・・というかアルバロで兵の準備をしている情報が入った。戦争は確実だ。だからもう関係が無い」

「聖騎士団とアルバロの兵が攻めてくるってことですか?」

「いや。聖騎士団は廃墟のアンデッド退治に行くだろう。公式にいくと言ってる以上いかないはずは無い。兵士でここを攻めて占領した後で聖騎士団を呼ぶつもりだろう」


?・・・だとすると聖騎士団が来るから戦争になるの根拠がなくなるのでは?


「聖騎士団が来ることが戦争の根拠なんですよね?後で呼ぶんであれば関係ないのでは?」

「街を占領してもそれだけでは意味がないことを知っておるんじゃろ。聖騎士団なら白魔法をつかえる。それに聖魔法を使えるという話もある」


またまた分からない。むむー


「白魔法と戦争の関係は?」

「ああ・・・つまりじゃ。連中はおぬしが言う裏領主、ラルスのことも掴んでおるということだ。最終目的はラルスなんじゃ」


・・・私の脳内では繋がらないですな。無言で時が流れていく。


「お嬢様。ラトック様。その説明ではクルーソー様にはご理解いただけないようです」


ナイスミドルの執事さんが助け船を出してくれた。


「まさかしてじゃが・・・おぬし頭が・・・残念なのか?」


おう・・・熊のギルド長が直球を放り込んできた。ビーンボールですよ・・・


「裏領主と白魔法の関係が分からないんですが?」

「おぬし・・・デーモンを倒したじゃろ?どうやって倒した?それを考えればわかるじゃろ」


どうやって倒したか・・・

縮地で跳びこんで・・・

アイスバースト*2、ディメンションソード*2と同時に刀と両手剣での吶喊・・・

そのまま説明するわけにはいかん。

白魔法?


「アイスバーストを打ち込んだら跳ね返されれたんで・・・刀と両手剣をぶっ差して三枚に下ろしましね」

「マジか・・・こちらの想像の3段上をいっとるな。すまんかったな。じゃがアルゴランめが・・・何も教えてないのか」


脳筋に期待する方が間違っているんですよ。


「まず・・・普通デーモンを狩るときには複数で当たる。一人では倒さない。それと物理耐性が高く魔法耐性も高い。それに自己回復持ちじゃ。だが白魔法には弱い。なのでパーティーには白魔法使いを必ずいれるのが鉄則じゃ。なのでアルゴランを呼んだんじゃ」


たしかにもんさんも白魔法には適正が低いと言っていたな・・・何故に白魔法でアルゴラン?


「アルゴラン?」

「そこもか・・・アルゴランは魔法剣士で黒も白も使う・・・それに聖魔法もじゃ」

「おお・・・そうなんですね。刀術しか見たことないですね」

「まあ・・・刀や剣だけでデーモンを狩れるのならいい。もちろん白魔法は使えるのだろう?」

「ある程度は・・・セイクリッドライトやセイクリッドアローとかでいいですよね?」

「何でもいい。ヒールでもいいんじゃ」

「ヒール?」

「白魔法は何でも・・・たとえヒールでも掛けると自己回復が止まるんじゃ」


なるほど・・もんさんはそんなことを言ってなかったな。後で聞いておこう。


「なのでじゃ・・・我々は外の争いに備えねばならん。ダンジョン内はラルスとお主で片づけてくれということじゃ」

「了解しました。それでは・・・詳細はラルスさんと詰めればいいということですね?」

「そうじゃ。そろそろあちらから・・・」


部屋がノックされた。執事さんがドアを開けて何かを話している。


「むこうの準備が出来たようです」

「ちょうどよかったですね。話の続きは移動してからしましょう。ラトックさんはどうしますか?」

「儂は遠慮させてもらう。いろいろといそがしいんじゃ」

「ラルスに会いたくないだけでしょう?」

「そんなことはない。本当に忙しんじゃ」


ラトックさんはそのまま出て行った。

アビリアさんに兵士が付いて行こうとしたが持ち場に戻るように命令されていた。

兵士はしぶしぶ命令に従い出て行った。

アビリアさんは執事のみを連れて行くようだ。

連れて行くのなら兵士のほうがいいと思うがな。

部屋を出るとゴスロリメイドが立っていた。これは見たことがある。

もんさんと同じような衣装だ。と言うことはこいつはデーモンなのかな?

そのまま4人で地下に階段で移動する。そしてそこにある地下道を進む。

少し行くと扉があった。そこにはまたゴスロリメイドが2人立っていた。

扉はこちらから見て外側に開いている。

あれ?・・・普通扉は防御する側に開くように作るんじゃなかったっけ?

扉の先は同じように地下道が続く。

その先に部屋があり扉は開いていた。


部屋に入った瞬間全身に寒気が走った。

これはやばい・・・魂が拒絶反応を起こしている。

レースがふりふりのピンクのドレス。

だが下品ではなく超高級品であろうことは明白。

だが・・・

そのドレスを着ているのは髭剃り跡が青くなっている60歳オーバーのオッサンだった。


「いやーん。アルゴランたらー・・・代理を送ってくるって聞いた時は何よーって思って悲しかったけ

どー。何この娘!かわいいというか綺麗というかー・・・キュート。最高じゃない!」


やばい・・・ちびりそう・・・


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 本文と前書きを入れ替え無断転載対策を実施しています

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