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5-5.スケルトン

「も・・・もうしわけないす。トラップで道が塞がったんで・・・不可抗力でつい」

「トラップなど仕掛けてないぞ」


たしかに・・・そういえばただの瓦礫だった。

良く考えたら死の魔法に後9回は耐えられるとか死んでもそのキャラは回復の指輪で復活するので10回の魔法では死なないとかはあり得んな。

確率で言えば1回の魔法でキャラクター全滅の可能性もあった。超やばい。


「魔石と素材はお返ししますので・・・これでどうにか・・・」


ガーゴイルの魔石と素材をすべて吐き出す。

ダークロードさんは無言だ。

これでどうにかは・・・ならんな。そりゃそうだな。


「なにか要るものはないですかね?」


ないだろうな・・・アンデッドだからな。


「先ほどガーゴイルを屠ったのはなんじゃ?すさまじい破壊力だったな」


そうきたか。

というか見てたのか・・・まあ見てたんだろうな。

当然ながら復讐のための破壊力を求めていると。


「先ほどのは銃です」

「銃?あれがか?連射していたように見えたが」


銃の概念はあるようだな。

20mmの銃弾を取り出す。


「これが銃弾になります。上に嵌っているのが飛んでいく弾です。下には火薬が詰まっています」

「見せてくれ」


銃弾を渡す。


「なるほどな・・・火薬を詰めて弾を詰めて発射でなく・・・これを詰めて発射して取り出すのを連続で行うのじゃな」


おお・・・さすが魔道具の技術者。理解が早い。


「これはおすすめできません」

「なぜじゃ?」

「この銃弾を作れないでしょう?作れないなら火薬を詰めて弾を詰めるしかありません」

「・・・おぬしは作れるのか?」

「いえ。作れません。なの解凍・・・じゃなくて見つけた分を使うしかありません」


作ることはできません。修復は出来ますけどね。嘘はついていない。


「なるほどな」


ダークロードさんはそう言ったが目の奥が爛爛としている。

いかん・・・どうにか話題をそらさないと。

さすがにこれは渡せない。


そういえば前に見つけたのがあったな。これを一部渡してお茶を濁そう。

トラックに満載されていたあれ。プラスティック爆弾。

これを一部解凍して渡そう。雷管と導火線も解凍。これをちょびっと。


「これはどうでしょうか?」

「その白いのはなんじゃ?」

「爆弾です。ですがこのままでは爆発しません」


床に叩き付けてみる。


「ですが雷管と導火線を付けて・・・火をつけると」


小さくちぎったプラスティック爆弾に雷管と導火線をつけて火をつけて・・・

エイ!後ろに遠投。

想像の数十倍の爆発が起こった。


「なるほどな・・・これはいい。くくく」


どうやら誘導できたようだな。


「もっと持っておるじゃろ?」


何故ばれた?・・・ちくしょう。

とりあえずこれくらいでいいか。あと雷管と導火線も追加。


「くくく・・・見ておれ・・・ジェルマンめ・・・」


おう・・・忘れてた。

ジェルマンのみなさん恨まないでください。

まあガーゴイル1000体と比べれば大したことないんで。

兵力のプラスマイナスで考えればマイナスになってます。

というかなにがあっても自業自得ですな。


「召喚 ガーゴイル」

魔法発動<召喚 ガーゴイル>


?・・・召喚なんだ。

てっきりゴーレムの一種だと。

と言うことはガーゴイルは魔物なのか?地図に魔物の反応はなかったがな・・・


「それでは失礼します」

「おう。また来い。歓迎するぞ」


怒りは収まったようだな。


「機会がありましたら」


速攻で逃げよう。ヒャッハー。助かったぞ。


廃墟の都市から出たときにはもう夜中だった。

しかたがない。ここで野宿だ。

野宿の方法についてはいい方法を見つけたからな。超弩級蝙蝠さんのおかげでな。

まず縦にトンネル魔法で穴を開ける。

そのトンネルの底から横にトンネル魔法で直径4メートル程度で高さ3メートル程度の円柱の空間を作成。

縦のトンネルを解除してゴーレムをアイテムボックスから出す。

テントを張って寝袋を出して寝ることにする。

魔力がないので銃の弾丸の補充は明日以降するしかない。

というか使ってしまった弾の修復には時間が掛かるだろう。

新しい銃を錬金術で解凍したほうが早いかもしれない。

解凍は後でするとしてなににするかの選択はしておくか。

そうでないと焦って運用に困る物を解凍することになる。

VADSは明らかにミスった。

エンジンで発電してモーターを動作させている。

それにレーダーとカメラ付きだ。さすがにメンテナンス出来ないだろう。

ただ弾まで合わせると2t近いものを4割程度のMPで解凍できたのはいい発見だった。

MP全部突っ込めば5tくらい行けるということだ。

HP,SPもいれれば10t程度まで行けるかもしなれない。

25mm機銃は台座こみで250kg。

そうなると前回25mm機銃で魔力をごっそり持って行かれたのはやはり艦に装備されていたからと言うことになる。

マガジンの入った金属の箱・・・弾薬包筐というのか。

弾薬包筐の解凍は魔力をそこまで使わなかった。

台座は船体にボルト締めされているので・・・

一度そのボルトされている部分の船体まで解凍していたのではないだろうか?

その状態でボルトを外して取り出したのではないだろうか。

もしその時の船体部分が解凍されてたままなら・・・

それなら時間さえかければなんでも解凍できることになるが・・・

確認するとそんなことはなかった。

と言うことは解凍は最後までやらないと再凍結されしまうと。

なので船体部分をすこし広めに解凍しておかないと台座が外せなかったということかな。

閃いた!

ボルトを先に単独で解凍すればいいじゃない!

これはいける気がするな。試してみるか・・・いや明日にしよう。


威力重視で25mm機銃にするか。これなら電子機器やモーターもないし。

25mm機銃の単装は大和改には後1丁あったはず。

あった。それと弾薬包筐は2個あった。

前回取り外したところにも後1個残っていた。

銃装備ゴーレムは6体なので後4丁いる。駆逐艦に多量に装備されているはずだ。


駆逐艦・・・あった。

雪風改。改か・・・

元の艦は幸運艦と呼ばれていたらしい。

訓練につぐ訓練で練度が高いからであり偶然や運でかたずけられるのは違うと言う話もあったな。

えっと・・・

50口径三年式12.7cm連装砲3基 → 長10センチ高角砲3基

25mm連装機銃2基 → 40ミリ4連装機関砲7基、25mm3連装機銃14基

に魔改造されている。

ミニ秋月級ってことなんだろうが・・・

重量を完全無視だな。これでは進水の瞬間横転するだろうな。

甲板からはみ出しているが・・・張出を追加して乗せているのか。空母かよ。


ぼくのかんがえたさいきょうのくちくかん。だな。

これは恥ずかしい。


高角砲に40mm機関砲に25mm機関銃で隙間なく弾幕はってやるぜ!

ひゃっはー!


ねえ?照準器は?

当らないと意味ないよ?

ねえねえ?照準器は?


しょぼん・・・

って感じだ。

本当に恥ずかしい。


本家の秋月もいるな・・・秋月改。これも改。

長10センチ高角砲4基 → 6基

25mm機銃3連装5基、25mm単装13基 →

40ミリ4連装機関砲6基、25mm3連装機銃22基

ハハハ―知らない子ですね。これはひどい。


なんか思い出したてきた。

仮想戦記か何かを見て九六式25mm3連装機銃をボフォース40ミリ4連装機関砲に載せ替えた改造をした。

その後に九六式25mm3連装機銃の情報を仕入れて見直して単装の場所に再度装備したのだった。

九六式25mm機銃は評価が低い。なので最初外して模型を作った。

でも本当は銃としては優秀だったらしい。

もともとは対戦車砲だったのを機関銃化したので威力もあったし直線性もいいしジャムる確率も低かったらしい。

評価が悪いのは最大射程は8000m、有効射程は4500mなのに1500m以下では敵機の妨害すらできないとということだが・・・それは照準の問題だ。

照準器側が高速化する航空機に合わせて進化しなかったため照準器を使った照準(従動照準)が難しかったという。

銃側でも照準できるがその場合は左右の旋回と上下の俯仰をハンドルを回すのだが担当するのが別の人だ。

息が合わないと射撃どころではない。

3連装機銃は元々連装機銃だったが弾幕を絶やさないために1丁追加したらしい。

それで3交代でマガジンを入れ替えながら射撃を・・・ん?

発射はフットペダルだな。左右で2つしかないぞ。

これだと1丁づつ交代では撃てないが・・・

連装にそのまま1丁追加したということか。まあいいか。

ボフォース40mm機関砲と比べて威力が低いともいわれるがそれはそうだろう。

40mmと25mmを比べて威力低いと言われましても・・・

そりゃそうですねと。

さて・・・これは見なかったことにして封印だな。

3連装機銃と単装の銃自体は同じなのだろうか?

同じなら銃だけ解凍して台座は自作と言う手もあるが・・・


次は・・・綾波改。また改か・・・

やな予感がする。綾波というと・・・鬼神。

50口径12.7cm連装砲 3基 → 50口径三年式12.7cm連装砲2基

13mm単装機銃 2挺 →

九六式25mm3連装機銃4基、九六式25mm連装機銃1基、九六式25mm単装機銃14基

これは陽炎型というか雪風1945バージョンと同じ装備か。

もし綾波が沈まなければ将来こうなったということか・・・

しかし陽炎型と綾波は排水量が2割は違うはずだ。

これも転覆の可能性大だな。

まあいい。この艦から単装機銃を解凍することにしよう。


後は何があるのだろうか・・・

夕立改。阿修羅さん。

筑摩改。摩耶改。青葉改。これは・・・重巡か。

足柄改。餓狼か・・・。

大淀改。阿賀野改。神通改。五十鈴改。これは軽巡。

高千穂。

ん・・・改じゃないが・・・こんな艦あったっけ?

巡洋戦艦・・・計画だけされた艦か。

金剛改。長門改。瑞鶴改。松改。第一号輸送艦改。二等輸送艦改。

最後は艦の名前ですらない。なんかまだまだある。

まあ・・・銃も砲も弾も頑張ればどうにかなるということかな。

艦船の装備だけを錬金術で解凍するのに挑めばいい。

2次大戦前の艦船はフォルダーを作って移動しておこう。

航空機や戦車、車両も移動しておく。陸はドイツばかりだな。

もういい寝よう。過去の自分がこんなにも恥ずかしいとは思わなかった。


・とあるスケルトン

ヤバい奴が来おった。儂にとってはまさに天敵だ。

聖気を纏っているだと・・・ありえんな。

いや・・・最高神の使徒か?

儂を討伐に来たのか?

昔儂をダンジョンマスターにスカウトに来た天使はアンデッドを作るなと言っておったので大丈夫のはずだが・・・

実際アンデッドの作り方は知らんからな。

まずいな・・・一族の恨みを晴らすまでは死ぬわけにはいかん。

たとえこの身が朽ちようと・・・

ああ。朽ちて死んでたな。


おお。ガーゴールの巣の方に入ったな。

ガーゴイル・・・いつまの間にか儂の都市に住みつきおった謎生物どもめが。

共倒れになってくれれば儲けものじゃ。

魔石と素材を回収すればこちらの兵力が増えるからのう。

あの謎生物はとにかく魔法が効かんからな。

儂にとっては手ごわい相手じゃ。まああちらもこちらに有効な攻撃が出来んが。

ガーゴイルの魔石と素材からガーゴイルを召喚するのに思いつくまでに相当の時間が掛かったからな。

最初はせっかく部下にしたガーゴイルをガーゴイルにぶつけた為に共倒れで相殺されて全く数は増えんかったが・・・

死の魔法が効くことが分かってからはコツコツと増やしてきた。

まあ死の魔法はクールタイムが長すぎるのでなかなかだが・・・

時間は無限にあるからな。

というかガーゴイルの数がまた増えとるな。

一体どうなっておるのじゃ?

生物ではないので生殖で増えてるわけではないのだろうが・・・

横穴の奥に行けば分かるのであろうがあの数ではな。

なんだと!あの数はなんだ!あんなに増えておったのか。

これはどうにかしないと・・・


・・・瞬殺しただと。あれはなんじゃ?見たことがないぞ?

魔道具・・・いや。

儂が知らない魔道具がこの世にあるとは思えん。

こちらに来よった。うまいことに死の魔法は使える。

1日遅ければガーゴイルに使っていたところじゃがな。

魔法をまともに喰らったのに効いていない・・・ありえん。

いや現実だ・・・はじいたわけでも避けたわけでもないのに立っておる。

やはり最高神の使徒か。

かかってこないな?話しかけてみるか。

この魔法が効かぬとなると戦うのは自殺行為じゃ・・・

そういえば死んでおったな儂。


スールグ・・・聞いたことあるような・・・儂の名前か、

ダンジョンマスターか?とはいったいどういうことだ?

結局こやつ何を聞きたいのじゃ?というか何しに来た?

なんじゃ?なんかあせって謝りだしたぞ?


魔石と素材をくれるようじゃ。魔石は・・・半分は使えるな。

というか魔法の鞄を使ってる真似をしてるがアイテムボックスの魔法だな。

だが・・・収納量が常軌を逸しておる。


欲しいものか・・・先ほどの謎兵器はどうだ?

銃か・・・確かにちまちま弾や火薬を作るわけにはいかん。

実験や条件だしで十年はかかるだろう。それはそれで楽しそうじゃが・・・

爆弾・・・粘土状で雷管と導火線以外では爆発しないだと。

それにすさまじい威力だ。

この数のガーゴイルの魔石と素材・・・とこの爆弾。

いける!いけるぞ!


それにこのエルフ娘からヒントを貰った。

この娘聖気だけでなく瘴気も取り込んでおる。

聖気で瘴気を取り囲んで触れないようにしている。

確かに普通の魔力と比べ聖気と瘴気は桁違いの威力をもつ。

だが瘴気を使って召喚したガーゴイルでは都市の結界でダメージを負う。

聖気を使う魔道具に弱いし上級白魔法にも弱い。

だがこのやり方なら・・・瘴気で聖気を取り巻いて・・・

聖気を使って召喚ガーゴイル。

くくく・・・出来るようだ。儂にダメージはあるが回復できる範囲内だな。

聖気で作ったガーゴイルとこの粘土状爆弾。

積年の恨みを返す時が来たようじゃな。


最高神の加護を持つか・・・そんな話は聞いたことはないが。

最高神は人間のことなどに興味はない。たとえ全滅しようと放置するだろう。

太古の魔導を極めた帝国が天に弓を引き滅ぼされて以来人間は保護対象でなくなったというあの話は本当だろうからな。

まあ・・・儂にとってはまさしく神の使いだな。どの神かは知らんがな。

また来い。

機会があればか・・・

その時には儂は本懐を遂げておるじゃろう。絶対にじゃ。くくくく・・・


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