ヴォオス戦記・暁語録
どうも、調子こいて追い込まれた愚か者、南波 四十一です。
前作でも掲載しました執筆メモ的存在の語録を今回も掲載したいと思います。
物語ではなく、あくまで人名録のようなものなので、興味のない方は間違ってお読みにならないでください。時間の無駄ですので(笑)
ア行
アイメリック
大陸各地の数々の戦に参加し、そのすべてで勝利を治め、<大陸最強の傭兵>の名をほしいままにした剣士。
何事にも執着が薄く、金に対しても固執したりはしないが契約を重視する性格で、金を積まれて裏切ったことは一度もない。金銭に対するこだわりのなさを心配したバルブロがすべてを管理するようになったことで、必然的に大陸最大の金持ちであるクロクスの元に納まる。
女性と見紛うほどの見事な艶を持つ長髪をしており、細い顎とすらりとした長身と相まって、その異名に反してまるで傭兵には見えない。
その微笑みは女性には美しく映り、敵対する男には死神の薄ら笑いに見える。
アウフ
盗賊ギルドの幹部。暗殺者の教育係の長。オリオンたち暗殺者主力の離反の責任を取らされ処刑される。
悪食草(あくじきそう)
魔神ラタトスの眷属で下位に位置する魔物。その姿は千差万別で、周囲の植物環境に合わせて姿を変える。そのため外観から見極めるのは非常に困難である。
植物系の魔物であるため一度根を張ると移動することはない。攻撃範囲は自身を中心とした半径1メートルほどだが、上空に限り、5メートルも攻撃範囲がある。
この攻撃範囲に入った生き物は、悪食草が放つ幻惑成分にからめ取られ、全身を麻痺させられてゆっくりと死に、悪食草の養分となる。昆虫や小動物はもちろん、攻撃範囲に入りさえすればどれほど大きな生物も攻撃対象となる。人間も例外ではなく、攻撃されるていることに気がつくのが遅れれば、逃れることは出来ない。
地上部分に顔を出している葉や茎、花といった部分をいくら攻撃しても倒すことは出来ない。
もっとも簡単な討伐方法は、攻撃範囲外から地面に油を巻き、地中に染みこむのを待ってから火を放って根を焼くこと。根に魔毒が貯えられており、火を放った際に発生する煙を大量に吸い込むと毒におかされる。
イーフレイム
<黒騎士>の異名を持つ傭兵。アイメリックと並ぶ不敗の傭兵の一人。
大陸西部出身で、元は名門貴族の生まれ。本人が語らないので何故傭兵に身をやつすことになったのかを知る者はいないが、背中に大きな刀傷を負っていることから、何らかの陰謀に巻き込まれ、故郷を離れることになったのでないかとうわさされている。
猜疑心が強く、他人を信用しないその性格も、うわさを助長する原因となっている。
カ行
カスバール
クロクスの父。
父であるケースが没落貴族から購入した爵位を足掛かりに、それまでの貯えを的確にばら撒くことで瞬く間に王宮で確固たる地位を築き上げる。
クロクスが宰相に登りつめる足掛かりを築いた人物。あと十歳若ければ自身が宰相の地位まで登りつめていたとまで言われる人心操作の天才。その才能は息子のクロクスに勝るとも劣らない。
それだけに、息子の才能を恐れ、遠ざけていた。今際の際に、すべてをクロクスに持って行かれることに悔し涙を流したことを、クロクスに嗤われる。
グィード
<疾風の狗鷲団>団長。
グスターヴァイス
<紅棍>の二つ名を持つ傭兵。
大陸西部出身にもかかわらず、東の大国ミクニの武術に精通している。
短い頭髪を二本の線状に残し、他をそり上げるという独特の髪形をしている。ミクニの修行僧に見られる独特の髪形。
戦場においても鎧の類を一切まとわず、東方風の身軽な道着のみで参戦する。
アイメリック同様不敗の傭兵の一人。
ケース
クロクスの祖父。平民での商人としては屈指の実力者。ラウルリッツにより開かれた社会の中で、実力を発揮し、法改正により貴族の商売にも税金がかけられるようになったことで没落した貴族から、借金のかたに爵位を買い上げ、貴族社会の仲間入りを果たす。
この祖父の働きが後のクロクスの台頭へとつながる。
サ行
疾風の狗鷲団
クロクス配下の私兵団に所属している。
クロクス企画の公開軍事訓練に参加した傭兵団の一つでもある。
団長はグィード。
ジョルジュ
ヘリッドの本名。
シラー
クライツベルヘン家の女密偵。
変装の名手で、少女から妖艶な貴婦人、老婆など、骨格上無理がなければなんにでも化ける。
スタイン
盗賊ギルドの暗殺者養成所の責任者。
元暗殺者でもあり、現役引退後は暗殺者の教育係となる。暗殺者たちを洗脳する技術はギルド一。
スパルデリク(男爵)
ヴォオス軍にあって王弟派の千騎長。
クロクスが企画した公開軍事訓練でヴォオス軍を率いる。訓練後にアイメリックに勝負を挑み敗れる。
セイ・ラカ
茶葉の名産地の一つ。
ゼム
盗賊ギルドのギルドマスター。
三百年に渡って守られてきた<掟>を破り、宰相クロクスと手を組む。
タ行
ナ行
ハ行
ハウデン
クライツベルヘン領にある唯一の港町。
ヴォオス国の南岸は、東のエストバから、南のゾンまで、ほぼ全面に渡って切り立った断崖の連なりになっている。その断崖の壁からひょっこり飛び出すように現れた土地が、ハウデンである。
ヴォオス建国当初、魔神ラタトスの支配から解放されたハウデンは、ヴォオスの建国には参加せず、小国家として独立を宣言した。
ウィレアム一世はこれを承諾し、一度は誕生したハウデン国であったが、人々がラタトス統治の影響から脱し、独自の活動を行うようになると、大陸南航路の重要中継拠点であるハウデンは、ゾンやラトゥからの侵略、海賊の横行などにより、甚大な被害を被ることになった。
結果、ハウデンはヴォオスに庇護を求め、属領となった。その後、実際に兵を出し、ハウデンの地を守るクライツベルヘン家と婚姻により姻戚関係を結び、ハウデン家の家系が途絶えた時にクライツベルヘン領となった。
海流の関係で、渡来人の漂流者がよく流れ着く。
バルトアルト
王都にあるクライツベルヘン家を取り仕切る執事長。髪の毛も口髭も、ほぼ真っ白。
王都での諜報活動と言う裏の仕事も仕切っている。長年クライツベルヘン家に仕える優秀な密偵であり、その分野におけるカーシュナーの師匠的存在。
当主であるヴァウレルに対する忠誠は篤いが、カーシュナーの真の目的を知っているため、どうしても肩入れしてしまう。と言うか、単純にカーシュナーに甘い。
バルブロ
クロクスの私兵団に所属する幹部の一人。
身長が2メートル30センチもあり、傭兵として付いた二つ名は当然<巨人>である。
ちぢれた頭髪に、顔中に広がる硬い髭面で、どこから見ても野蛮人にしか見えない。
ペテル
クライツベルヘン家の密偵。
ヘリッド
元暗殺者の主力の一人。
長身でやや細身ではあるが、鍛え上げられた鋼のごとき肉体の持ち主。眉目秀麗で、やや下がり気味の目じりがその表情に愛嬌を与えている。
弁舌も巧みで、口下手なオリオンの代わりに話をまとめる参謀役。
オリオンと共にギルドを離脱した者たちは、どんな状況下でも、必ず気持ちのどこかに冷静さを持ち合わせているが、ヘリッドは特別その傾向が強い。うわべの明るさは、それを隠すためでもある。
マ行
ミクニ
ヴォオスと並ぶ大陸屈指の強国。
大陸東部に広大な領地を持つ大帝国。大陸隊商路である北の隊商路と東の隊商路の出発点であり、終点でもある。海洋貿易も盛んであり、隊商路を中心とした経済圏と、海路を中心とした経済圏にはっきりと分かれている。どちらも大帝国の名に恥じない繁栄ぶりで、文化水準はヴォオス以上とも言われている。
茶葉の産地としても有名。
ヤ行
ラ行
ラトゥ
ヴォオスの隣国の一つであるエストバと境を接する国の一つで、エストバが険しい山々に囲まれた天然の要害であるのに対し、センゲガー河の流れに沿って発展した灼熱の国。
東隊商路に加えて、センゲガー河を利用した海洋貿易に野心を燃やすエストバによる侵略を幾度となく受けており、両国間の緊張状態が解けることはない。
エストバは時にヴォオスに対し略奪行為を働くことがあり、ヴォオスとラトゥはエストバの野心を牽制する目的で友好関係を築いている。
茶葉の産地としても有名。
レノ
元暗殺者候補だった少女。十一歳。
年齢のわりに背が高く、知能、理解力共に高いため言動が大人びており、実年齢よりも上に見える。
リタに劣らぬ美貌の持ち主で、成長と共にさらに磨かれるであろうことは誰の目にも明らか。
命の恩人でもあるカーシュナーを密かに慕っている。
本人は隠せているつもりのようだが、周囲の大人にはバレバレという可愛い一面もある。
ワ行
最終話の書き上げが、予定の17時をオーバーするというなかなかの大馬鹿ぶりを発揮してしまったため、ちゃんとした後書きが書けず誠に申し訳ありませんでした。
え~っ、今回のヴォオス戦記・暁は、前作のヴォオス戦記以上に読まれませんでした(笑)
今日までアクセスが100を超えたのは、携帯電話でお読みくださった方のアクセスが、バグみたいなカウントのされ方をした1回のみ、実質0でした。ここ最近の更新日も、50アクセスすら超えないという体たらくでした。
そんなヴォオス戦記・暁ですが、前作のように心折れることもなく、最後まで楽しんで書くことが出来ました。
それは、連載当初から、たぶん12~3人くらいの方が、定期的にお読みくださったからです。
あ~、それ、わし、わしやがなぁ。と思ったそこのあなた! そう、あなたです。あなたたちなのです!
残念ながらヴォオス戦記・暁は、多くの方々には届きませんでしたが、皆さんが受け止めてくださったおかげで、前作で味合わされたぜんぜん読まれないという感覚に苦しめらることもなく書き進めることが出来ました。
ヴォオス戦記・暁が完結出来ましたのも、ひとえに皆様のおかげと感謝しているしだいです。
本当にありがとうございました。楽しんで好きな物語が書ける、それはとても幸せな時間でした。
皆さんがヴォオス戦記・暁に割いてくださったお時間が、南波と同様楽しい時間であったのなら、それに勝る喜びはございません。
次回作がどのような作品になるかは未定ですが、書くことは辞めず、またこの場に帰って来たいと思います。
長くなってしまいましたが、みなさんの活字ライフが、今後も素晴らしい出会いに恵まれますようささやかながら願っております。
最後までお付き合いくださいまして誠にありがとうございました。いつかどこかでまたお会いしましょう。
では!




