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BIG DREAM(6)  作者: ひでかづ
3/11

青春の1ページ

大夢と莉香子の何気ない会話。

「よう」

「やぁ、ひろくん・・・目の下にすごいクマできてるよ!?」

「あっ、あぁ気にしないで」

「なんでなんで?気になるー」

「単純に寝不足なんだよね」

「無理しないでよー。体が資本なんだからちゃんと寝ないと!」

「あはは、悪いなぁ」

「そういえば久々に中学の部活覗いてみたけど、あゆみちゃん凄いよね」

「ははっ、相変わらず嫌われ者だけどな」

「そんなことないよ!私は直向きに頑張るあゆみちゃんが好きだよ!」

「本当か?」

「そうだよ、嘘じゃないよ!」

「へぇ、ならいいんだ・・・」

「うん、どうかしたの?」

「どうしたも何も、あいつ凄く遠慮しているんだ。何しろ、受けるキャッチャーが居ないんだもの。」

「あれでも力を抑えてるってこと!?」

「そうなんだよ、悪い癖が出ないか心配でね・・・。ただでさえ球は速いのにそれを受けるキャッチャーが毎回ビビってたら、変化球も投げられない。球が受けられなかったらリードの組み立てもできない。」

「そりゃ捕るだけでも精一杯だもんね」

「そうそう。あと動く速球も持ってるけど、それは封印してる感じ。自分の時にしか投げて来ない」

「それは初めて聞いたよ!後輩とはいえ、自分が打席に立ったらどんなに恐ろしいことか・・・」

「まぁ、言ってもつい最近覚えたばかりだからなぁ。俺もびっくりしたよ。普通の速球と同じ感覚で捕ろうとしたらミット普通に弾いたし」

「中学生でムービングファスト投げるってあまり聞かないよ。中学から始める素人が聞いたら、はぁ?何それ?って感じよね。」

「超やばいんだよ。そして、性格もこの通りだから受けるキャッチャーがいない。困ったもんだ。」

「あなたが受けたら?」

「現実見ろよ・・・」

「冗談よ、ふふっ」

「あー、今からかったなー!」

「そんなことないよー!」

何やら楽しそうだった。

恒輝はそれを聞きつけて、

「よう、大夢、何彼女といちゃいちゃしてんだー??」

「うるせーぞ、恒輝!」

お決まりのノリである。

「中学から同じクラスメートなんだよ」

「へー中学の頃から付き合ってるのね!」

「おっ、お前なー!勝手にすり替えんじゃねー!」

「何ムキになってんだよー!じゃぁ大夢、また放課後なー!」

「お、おう!」


「ふぅ・・・ごめんな関口さん、毎回のように騒がせちゃって。」

「・・・」

「ん?どうかしたかい?」

「まぁ、そういうことにしておきましょう」

莉香子は既に赤面していた。

大夢自身恥ずかしさはあったが、

「まぁ、なんというか、中学の頃色々あって憎たらしい奴しか居なくて、もう、忘れたいんだけど、関口さんはまぁ・・・」

「いいよ、気にしなくて!」

急に莉香子は大夢に抱きついた。

「私もあのクラス大っ嫌いだから、全部忘れたい。でも坂上君だけは唯一信じているから、私も!」

「あっ、あぁ、良かった」

「だから、ひろくん・・・」

「関口さん、いや、りんりん」

「やっとあだ名で呼んでくれたよね!うれしいよ!」

「これから、お互い切磋琢磨していこうな」

「もちろん!」


大夢の青春ストーリーが思わぬ形で幕開けとなった。

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