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BIG DREAM(6)  作者: ひでかづ
10/11

遺言

「ひろたん」

「なんだ、その呼び方」

「ひーろーたーん!」

「なんだ2人きりになった途端馴れ馴れしいぞ」

莉香子は大夢を羨ましがっていた。

それもそのはず、日商簿記2級を1年秋に一発合格したのだから。


「ひろたん、かわいい」

「わるかったなー、せっきーは俺より男前だから」

「いやー、まさかまさか(笑)」

以前大夢は莉香子のことをりんりんと呼んでいたが、

りんな、りりか等似たような名前との混同を避けるため、

関口のせっきーで統一することにした。

「ぶっちゃけおっさんレベルだろ(笑)」

「おっさん通り越しておじいちゃんですわよ、おーほほほ」

「ここまでふざけられると反応に困るよ(笑)」

2人は相変わらずのノリだった。


関東大会では大夢と恒輝のバッテリーは実現しなかった。

しかし、恒輝は三塁手のスタメンを獲得するまでに至った。

大夢は少しずつ彼との距離を感じていた。

しかし、大夢は自分のやるべきことに力を注いだ。

マメができるまで打撃練習をし、走り込みを徹底した。

様々な動きを取り入れ、体幹を強化した。


そんな甲子園を目指していた大夢に悲劇が起こる。

いや、大夢だけの問題ではない。

妹のあゆみが中学校を休みがちになった。

学級でのいじめが原因らしい。

先生も先生だからどうしようもなかった。

学校に来られないものなら、部活にも行けるわけがない。

それでも、自主トレは重ねていたようだった。

自分の好きなことをしながら、自分の居場所が一番落ち着いた。

榛中はやくざの学校だ、恐ろしい、とまで言っていた。

事実なのだが、今に始まったことではない。


大夢は妹の遺言書を見つけた。

大夢は読んでいくにつれ、涙目になった。

決心した。

甲子園で活躍する。

出るだけじゃ物足りない。

何事もなかったかのように、自分の部屋に戻った。


ふざけんな。

いじめって感情の問題なんだろ。

そんなつまんないことで・・・。

お互いに良くない。

わかったよ俺・・・。

俺が甲子園で活躍して、発言して影響のある立場になっちまえばいいんだろ。

簡単なことだ。

おうよ、今まで以上に野球にストイックになってやる。

期待されてる以上は結果を残す。

そして結果を残して・・・。

すべての、野球を志す選手に・・・。


俺は、諦めない!


(続)


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