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姫はドラゴンに恋をする  作者: 楡葵
第6章
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接触

ユーリは相変わらず城外の視察を行なっていた。


歩みを進めるにつれ、どんどんと周辺の空気が重くなり、呼吸が苦しくなり、吐き気がしてくる。


アルヴェルの森とは、そういう所なのだ。

といっても、森はまだまだであるというのに。


『呪われている』


そう、マク様は仰っていた。


自分はドラゴンとか魔法の類の力はない。

しかし、確かにこのどんよりとした重圧を感じるのだ。


こんな、危険なものに、サラにも近づいて欲しくはない。好奇心旺盛で正義感の強いサラなら、きっと国を守ろうとして、自ら接触しに行ってしまうだろう。


それを見越した王は、そもそもの存在を否定したのだ。そして、サラを現在まで守ってきたのだ。


自分もサラを守る存在として、マク様の秘密を貫いてきた。


アルヴェルの森へは絶対に近づけないし、森からやってくる危険も迫らせない。


再び強く決心したその時、


大きな風の畝り音と共に、刃がユーリ向けて振り下ろされた。


!!


ガキィン!と瞬時に反応して自らの剣で受け止めたが、あと0.1秒でも遅かったら、完全にアウトだった。


「貴様は…っ」


黒いマントに、黒い仮面。


ー黒騎士


噂では聞いていたが、こんなにも腕の立つ人物だったとは。


何度も剣を振り下ろされ、必死で受け身をとるので精一杯だ。


力は互角どころではない。

ユーリよりも遥かに剣術に長け、俊敏かつ剛腕だ。

一瞬たりとも無駄な動きはなく、全てユーリの隙をついている。

完全に圧倒されている。


「くっ…!」


足を取られ、体勢が崩れ、即座に切先を喉に向けられ、そして、止まった。


「興味本位でこの森へ近づくな。死ぬぞ」


想像していたより若い男の声だった。

しかし、その鋭い眼光は、本当に一歩でも動くものなら喉を切り裂く、と言っていた。


「ああ、わかった」


その言葉を聞くと、黒騎士は剣を戻した。


「ナワルドは近々災いが起こる」


どんよりと曇った空を見上げ、黒騎士は眉を顰める。


災い?何を言っているのか。



「守るべきものを守れ」


そう言い残すと、彼は去っていった。


取り残されたユーリは、しばらく黒騎士の去っていった方角を見つめたまま考えていた。


森にはあのような強靭な者達が集まっているのかもしれない。


あの黒騎士は、呼吸1つ崩れていなかった。


森は、氷山の一角を見せただけだ。


「サラ様…」


なぜかサラに危険が迫っているような気がして、すぐに立ち上がり、城へ走り出した。


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