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ヤックとアル
「それにしても増やしすぎじゃないか?クク」
森にやってきた時、一番最初に出会ったドラゴン。
人懐っこくて面倒見の良いヤックは森でも人気者で、彼の周りには常に動物達が寄ってくる。
今では、一番の相棒だ。
そこら中一面に広がる黄色。
それは、愛する人とずっと育ててきた花。
一緒に育てていた花壇から種を貰ってきて植え続け、今ではずいぶんたくさん咲いてくれている。
「もう何本あるか数え切れないな」
笑いながらも愛しそうに見つめる。
「会いに行ってやればいいじゃないか、挨拶もしないで置いてきたんだろう?」
このクソが付くくらい真面目な男にため息をついて助言してやる。
自分の親友は、大切な物に関してはいつも自分の気持ちを後回しにしてしまう所がある。
だから、この発言もヤックの気休めでしかない事だとはわかって言った。
「俺に関わったら危険な事になる」
一向に言う事を聞かないのは昔から変わらない。
「それなら忘れた方がいいんじゃないのか?」
それはそうだ。
「ずっとそう心がけているが、どうもそれは無理そうだ」困ったように笑う。
何でも手に入る強さを持つ男が、この手の話になるとすっかりお手上げなのがおかしくてついからかってしまう。
「お前にこんな顔をさせるサラちゃんに会ってみたいよ」




