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ドラゴンと人間 5
『頼みがある』
『我の命と引き換えにエルをこの世に返してくれ』
これはエルを助けられなかったことに対する懺悔。
そして愛を伝えられなかったことに対する後悔。
『愚かだねえ。森の統率ともあろう者が、人間ごときにうつつを抜かすとは』
真剣だった。
それほどエルを愛していた。
『ああ、愚かだ。』
もう聞きたくないとばかりに、魔女は目を閉じる。
『では、お前の存在ごと、その権限を消し去ってしまうぞ』
『ああ、それでエルが生き返るなら』
それは、森の仲間達の記憶から自分がいなくなること。自分という存在の消滅。
『愛とはかくも恐ろしいものよ』
魔女は何かを思い出すように遠くを見つめ、ゆっくりと目を閉じた。
『さらば、リフィルよ』
『お前の魂は我の元で永遠の眠りについた』
そうして、エルは命を吹き返した。
『あれ、ここはどこ?』
全ての記憶の消失と共に。




