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姫はドラゴンに恋をする  作者: 楡葵
第3章
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図書館で真実を聞いたサラは、しばらくの間、上の空だった。


『お前には、精霊の力が宿っている』


その最初の一言を飲み込むまでに、どれだけの時間を要したことか。




部屋に戻ると、心配したトリオが駆け寄ってきた。

中庭の氷でできた花を部屋用に摘んでくる、と言って出てから、随分と時間が経ってしまった。


「姫様、中庭迷ったんでしか?!」

「お花はあったんですの?!」

「ううん、やっぱり人の花壇のお花を摘むのはよくないわ」


そうは確かにそうだけれど…….

それにしても元気がない姫を不安そうに見るトリオ。


「なんだか疲れちゃったみたい、今日はもう寝るわ」


一気に体の力が抜け、隣にいたルチにもたれかかるように崩れ落ちた。


「!」

即座に抱きかかえたルチは、異変に気付き、サラの額に手を当てる。


「……熱」

「大変!すぐに氷と薬と水を持ってくるわ!」

「姫様ァ!」


トリオは、突然のことに慌てふためく。

そこへ話を聞いたユーリが駆け付け、サラを抱き上げる。


「俺がベッドへ運ぶ! 後は任せろ!」


いつも冷静沈着なユーリの、余裕のない表情。


「ユーリ様なんか焦ってたでし」

「……変なの」


「ふふふふふ」


それを見ていたエミリーはそっと笑みを浮かべるのだった。




「エミリー、気持ち悪いでし」

「うるさいわよプト」








____

___




頭を撫でる手が温かくて心地良い……


頬を滑り降りた手は、手のひらに重ねられ、

ゆっくりと指が絡められていく。


それはまるで、ぽっかり空いた時間を味わうように。


『サラ……』


懐かしいような、心地いい響き


ーーこれは、夢?


握られた手に、一瞬ぎゅっと力が込められた気がした。


そしてーー



『    』



今……何て?


しかし、それを考える暇もなくサラは深い眠りへと落ちていった。






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