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姫はドラゴンに恋をする  作者: 楡葵
第3章
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宝玉

「姫様、鹿さんがいるでし!」

「トリ、ウマ、アライグマ……」


どこから来たのか、サラの周りにはたくさんの動物が集まってきていた。


「ふふ、姫様ったら人気者」


小鳥がまるで子守歌のようにさえずり始めた。

それが心地良くて、それぞれ、木にもたれて休息をとる。


みんな異国の地に来て間もないため疲れが出たのか、すぐに眠りについた。


サラだけはなぜか眠くなかった。

しばらく横に寝そべっている子鹿を撫でていた。




ゴオオオオ



またあの音がする。これは、ドラゴンの音。

私にしか聞こえない音。


サラは立ち上がって、音のする方へ向かった。

ここにいたらみんなが危ない。




だいぶ離れた所にきた。

ナワルドの敷地は広大すぎる。


大きな木の後ろに、苦しそうにもたれかかっている"彼"を見つけ、迷いなく駆け寄る。


「あなたはこの間の……」


サラに不可解な言葉を残して去っていったドラゴン。

足から大量の血が流れており、目も虚ろになっている。


「ひどい傷……」


宥めようと、ドラゴンに触れたその時。


フワア


その場所から光が発せられ、眩しくて目を瞑ってまた見ると、もう傷は消えていた。


「あれ?消えてる……」


また、インコの時と同じような事が起きた。


『やはり』

ドラゴンは唸った。


『精霊の巫女よ』

「え……?」


『これを』

渡されたのは、手のひらにおさまるくらい、小さな玉。


なんだかわからず、呆けていると、

『待っているぞ、我等が統率よ』


そう言って、飛び去っていった。



「これは……」







「ドラゴンの宝玉だ」

後ろから突然声が聞こえ、ぎょっとする。

この氷のような冷たい声。

謁見の時から全く変わらない。


「ほうぎょく……」

そう、ガルは教えてくれた。


「俺には宝玉どころかそれを持ってきた奴さえ見えないがな」


気のせいだろうか。

どこか淋しげに見えた気がした。


「説によれば、金色に輝き、透き通るほど透明らしい」


「ええ。確かにこの手の上にあるわ」

自分だけが見えている。

そう考えると、少し背筋が震えた。


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