中庭
ナワルドへ来て、早1週間が過ぎた。
ガルは多忙で、毎日朝早くから夜遅くまで外に出ており、城にいる時も書類やら何やら色々あるようだった。
サラはトリオ達といる事が多かった。
毎日、一緒に中庭を散歩するのをとても楽しみにしていた。
「今日はユーリも誘ってみましょう!」
「ええ、もちろん!」
「えっ、」
「……うげ」
エミリー以外はこの世の終わりのような顔をしていたが。
いつも外の調査で忙しそうなユーリ。
サラがどうしても、というので渋々了解してくれた。
「ユーリ様、サラ様には弱いでしね」
「私達のサラ様ですもの!」
「……忠犬」
少し歩くと、大きな木の根元に腰を下ろす。
ちょうど良い木陰。
よくここでトリオとランチ会をしているのだ。
サラが草の上に座ると、さっそく小鳥達がやってきて、肩の上に乗る。
「ふふ、くすぐったいわ」
「サラ様は本当に動物に好かれますね」
久しぶりに自然な微笑みを浮かべるユーリ。
女性100人は気絶するであろう。
ユーリの頭の中に、ある光景が蘇る。
サラは昔から動物に好かれていた。
彼が教育係になって間もないころ、サラが怪我をしたインコを拾ってきたことがあった。
『ユーリ助けて! 死んじゃうよ!』
『あなたはまた無責任なことを……!』
しかし、サラの手に包まれたインコは、なぜか傷がほとんど消え、みるみる元気を取り戻していった。
サラはしゃがんで昼食用のパンを動物たちにあげている。
それを見て、ユーリは眩しいものでも見るように目を細める。
「異国の動物をも手なずけるとは、全く、すごい人だ」
楽しそうに笑う少女を見ることで、どれだけ日頃の疲れが癒されるか。
教育係は、ホッと一息ついて、持ってきた本を読み進めるのだった。




