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森の異変
ここはナワルド城の皇室。
国王ワルシェは自らの利益の為なら側近をも殺す、冷徹で残虐と呼ばれている。
「"ドラゴン"が動き始めている」
年をとって少ししわがれた、低く鋭い声が、部屋に響く。
「そのようですね」
敏腕の右腕と言われる側近ベスが、メガネをカチャ、と整える。
「森の結界が緩んでいる」
アルヴェルの森は、1000年前、統率者のドラゴンがその生涯を終えてから、徐々に弱まってきていた。
新たな統率者を決めなければ、このままでは滅んでしまう。
「……王位争いですか」
「時期は近いだろう」
「あのクソババアも関わってくる可能性もある。しっかり見張っておけ」
「御意」
ジュナイルの皇室でも、密談がされていた。
「サラはまだ目覚めてはいない」
心配そうに森の方を眺める。
「ナージャ、力を貸してくれ……」
ナワルドの最愛の娘に想いを馳せるのだった。




