表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姫はドラゴンに恋をする  作者: 楡葵
第2章
12/40

散策

部屋に通され、ガルとの接見まで待機を言い渡された。


「ふう、疲れたでし」

「こらプト!姫様の前で何言ってんのよ!」

「……眠」

「ルチ……あんたねえ!」


こっちへ来ても相変わらずの仲良しぶりである。


「それにしても、ガル王子は一向に来ないでし!」

「……無礼、嫌い」

「ほんっとヤな感じ!」


「きっと、忙しいのよ」


自分の為にプンスカ怒ってくれる召使い達に、思わず顔がほころぶ。


「そうだ、皆でお庭を散歩しましょう」


ナワルドは昔は季節があったが、数年前からずっと冬なのだ。花は数年前のまま、美しく咲いたまま、凍っている。まるで、魔法にかけられたように。


年中冬も悪くない。

せっかく来たんなら、楽しまなきゃ勿体無い。

サラは皆に提案した。


4人は、日が暮れるまで、思う存分広大なお庭散策を楽しんだ。




_____

__


ゴオオオオオオ


……?


ふとサラが空を見上げる。


「姫様どうしたんでし?」

「何か、聞こえない?」


「ルチ、聞こえるでしか?」

「・・・?」


空耳だろうか。前にもこんなことがあったような。


「姫様、きっとお疲れになっているのですわ。早く部屋に戻りましょう」


1週間の長旅と新しい生活環境で疲れるのは当然だ。

エミリーは心配そうにサラを見つめる。


そのとき


「あっ!」


サラが日よけにかぶっていた帽子が風に飛ばされて、空高く舞い上がる。


「皆、先に行ってて。すぐ行くわ」


ちょっと胸騒ぎがしたのもあり、トリオ達には先に行ってもらった。彼らにとってサラが大切なように、サラにとっても同じだった。巻き込みたくない。


「では私たちは夕餉の準備をしております」

イリヤ城の召使い達に全てをやってもらう事は可能だが、トリオは身の回りの世話は全て承った。




風はなかなか止まず、帽子はどんどん遠くまで飛ばされていく。


気づけば来るときに通った氷の花道に入っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ