第三話
ご覧になられていた方すいません。
大学入試の関係で更新できませんでした。
これからはできれば週1ぐらいのペースで更新したいと思います。
どうかこれからもよろしくお願いします。
ライトはエリスに手を引かれながら歩いていると、周りの視線が自分たちに集まっているのを感じ、
そっと周りを見渡した。
周りの視線の半分は妹のエリスに集まっている。見ていると言うよりも、
見惚れているといったほうがいい。
逆にライトに集まっているのは嫉妬と嘲笑の視線だ。
嘲笑は周りに自分のが知られているからだろうとライトは思っていた。
しかし、嫉妬の視線がわからなかった。ライトにとってエリスは自分とは違い『才能』を持っている妹ぐらいにしか思っていないからだ。
『才能』 この世界に生まれてくるものは誰しも必ず『才能』を持っている。
しかし、『才能』を2つしか持ってない者もいれば、5つ持っている者もいる。
また、『才能』も『風を操る才能』、『分身を作る才能』といった『才能』がある。
ライトは向かってくる視線に対して顔をうつむかせて歩くのに集中した。
「兄さん、また後でね。」
エリスはライトのクラスの1-Cに着くと手を離し、自分のクラスの1-Aに向かっていった。
ライトはエリスに返事をせず、扉に手をかけてあけた。
もう全員いるのか、かなりの数の人がいた。
友達と喋っていたり、席に座り本を読んでいる人もいた。
ライトは彼らを気にせず自分の席についた。そんな彼に近づく3人の男がいた。
「やあ、落ちこぼれ君。」
ライトに声をかけたのは茶色い髪に茶色い瞳を持つ男だ。彼の後ろには薄い茶色の髪の男と水色の髪の男がいた。彼らはライトに対しニタニタと嘲笑っていた。
「君と同じクラスだなんて、気が滅入るねぇ。」
「ククッ」
「クスクス」
ライトは彼らに対し無視していた。そんな彼らを周りの人たちは遠巻きに見ていたが、決してライトを助けようとするものはいなかった。
「何を黙っているんだい?『才能が……』。」
茶色い髪の男が何かを言おうとした時クラスの扉が開き、一人の男が入ってきた。
その男は白衣を着てどこかやる気のない感じのする白い髪の持ち主だ。
「全員席に着けよ~。」
これまたやる気の感じれない声でクラスの全員に言った。ライトに絡んでいた男たちは舌打ちをすると、ライトから離れていき大人しく自分の席に着いた。
ライトは図らずしも助けてくれた白衣の男に感謝の念を感じつつ、教卓の前に着いた彼を見ていた。
「まぁ2人程居ないが……いいか。」
クラスを見渡し満足げに頷いた。しかしライトは「いいのか?……。」と首をかしげて思っていた。他にも何人かライトと同じように首をかしげていた者もいたのでおそらく彼と同じように考えていたのだろう。そんな彼らの疑問に気づくはずもなく白衣の男は話を続けた。
「まず自己紹介だ。俺の名前はオーラン・バクティだ。1年間俺の面倒を見れよ~。」
この時クラスの全員は今度こそ思ったことが一致した。「こいつは馬鹿だ。」と。