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33‐道を見つける
みんなが背中を押してくれた
みんなが僕を後押しする
でもさ、ちょっと待ってよ
目の前が暗すぎて進むことなんてできそうに無いのに、みんなが押すから
ほら転んだ
みんなの声援が
みんなの笑顔が
すごく痛いんだ
手を引いてくれとは言わない
ここは自分の道だから
誰かに甘えるのは自分が許せそうにない
だから
せめて
そんなに強く押さないでくれ
自分の進みたい道が何なのか
必死に考えているから
後ろから少し道を照すような
ヒントとか
アドバイスとか
相談に乗ってくれる
そういうのを望んでいるんだ
止まることを許さないような
僕が転んでも気付かないような
そんなのは
要らないから
強くなくちゃいけないとは思う
だからって痛い思いをしなければならない訳ではないはずだ
みんなが背中を押してくれた
…のは何時の事だったか
軽くなった背中には誰もいなかった
それでも真っ暗だった目の前に、道がはっきりと見えているから
たとえ一人だったとしても進める
それに
気付いたときには隣に立つ君がいて
繋ぐ手の数が増えていく
ほら、背中には誰もいなくても道が見えていれば進めるんだ
それに気付くには時間が必要みたいだ。




