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32‐精一杯生きる


楽しい会話が繰り広げられる中、その輪から一歩出た時に気付いてしまった。


どうして自分は自分なのか



私が話をしなくても、私が輪の中にいなくても、何も変わらない。

そんな気がして、なんだか怖くなった。


いつも中心にいるような人物にはなれない。


だからと言って、私が必要のない人間であるというわけではない。

だって、そう思わなければ悲劇のヒロインを装うただの痛い子ではないか。


こう考えている時点で私はすでに痛いのかもしれない。

でも、一度気付いてしまうと止まらないのだ。


私が見ているこの景色は

私が動かしているこの体は

なぜ自分のものなのか。


隣で話している彼女は、今何を考えて話しているのか。

楽しそうに笑う彼は何が楽しいと感じているのか。


どうして自分は自分なの?


家にいても、どうして両親はこの人たちで、兄弟はこんな性格で、私はこうなのか。


倫理的な難しいことを考えたいわけではない。

何となく、自分が自分でなければ別の景色が見えて、

もっと今の、この世界が楽しく思えるのではないかと考えただけ。


でもたぶん、私が私じゃなくても同じことを思い、考えていたかもしれない。


みんな同じ人間で、悩みがない人なんかいなくて、長所があれば短所もある。



こんなこと考えていても結局は『if』でしかなくて、わかってる。




それでもやっぱり考えてしまう。


私が『私』として生まれて、今ここにいる意味を。



人をうらやむ気持ちは普通のもので、憧れなら努力しなければならない。


思うだけでは何も変化はない。でも思わなければ、行動にも移せない。


私はどうして私なのか。



答えはもしかしたら、最期の時にわかるのかもしれない。


だから、最期まで私は精一杯生きていこうと思う。


今の私には、それしかできないから。

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