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28‐だってワタシは
頑張っても
誰も認めてくれなくて
どんなに辛くても
涙を見せたことはなかった
いつか いつか
そんな思いで
気が付くと
周りは
周りだけが
幸せそうに
笑っていた
自分だけが
ここに独りで
頑張っていたはずなのに
何が違うというのか
幸せにはなれないのだろうか
そうか そうか
声がない
伝わることなどないのか
きっと私はいつまでも
このままずっと
独りなのだ
頑張るのは
自分のため
周りなんか
関係ないじゃないか
割り切ってみると
とても簡単な事だった
だってワタシは
…人形だから
心があるなんて
きっと
気のせいよ
静かに流れるこの水は
ワタシを恐れて海に捨てるまで
きっと
私の周りを
悲しくさせる




