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23‐今言うから
あなたは言った
「君を愛している。一人にはしない…」
私はすぐには言葉が出なかった。
静かな空間に私のため息だけが響く。
最後に話したのは2ヶ月前
最後に顔を見たのは1ヶ月前
あなたとの連絡が途絶えたのは…2週間前
あなたは渋る私に愛想を尽かしたのかしら
時計の針は一日の終わりを告げた
人知れず涙が溢れる
気づくと朝が来ていた
無機質な音が鳴る
私の鼓動は速くなった
震える手を伸ばす
「―――…っ!」
聞きなれたはずの声
私はたまらず駆け出した
ずっとずっと言いたかった言葉がある
あなたにまだ言っていない言葉
私はまだ返していなかったの
そばにいることが当たり前に思えて
今言うから
最後まで聞いて
「私もあなたをあなた以上に愛しています。だから私を…一人にしないで!」
その大きな腕でいつまでも抱き締めていて。




