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15‐散りゆくその日まで
かわる、かわる
わたしを写して
青から赤へそして黒へ
時には灰色そして黒
かわる、かわるの
わたしの世界は
たくさん溢れて
毎日、毎日
寂しいなんて思わない
退屈なんて感じない
することなすこと
変わりはないけど
緑と一緒のシャボン玉
増えたり減ったり
消えた後はどこに行く
分からない答え
それを毎日考える
毎日、毎日
違う答えが浮かんでくるから
わたしの記憶に残らないから
飽きたりしないの
わたしは一人
わたしの色は
青、赤、灰色、黒
もっともっと増えたりするの
あなたの目では
わたしは何色
決まった時間にやってくる
聞きたい答えは得られない
わたしに声はないから
あなたとは違うから
願い事はただひとつ
最期の時が
あなたの目には
あの変わる色のように
きれいなわたしを
焼き付けて
地〔シタ〕には還らず
どうか天〔ウエ〕に
あの色の一部となりたい
そんなことを
毎日、毎日
思っては
忘れます
紅い花のように
散りゆくその日まで
‐わたしはあなたから金魚と呼ばれる




